地方創生は、これからの日本において重要なキーワードになっています。
なぜなら、日本はすでに人口減少社会に入っており、このまま地方の人口が減少し続ければ地方の経済や行政が立ち行かなくなってしまうからです。
地方創生を実現するためには、産学官民が一体となって取り組むことが大切です。
中でも企業が持つ知見や技術力は、地方がイノベーションを起こすために不可欠。
この記事では、
・地方創生で企業が取り組む事例とは?
・地方創生のために企業ができることは?
・地方創生を実現するにはどうすればいいの?
このような疑問について解説していきます。
地方創生に取り組む企業の事例を知ることで、イノベーションのきっかけが掴めるかもしれません。
【地方創生】企業の取り組み事例の紹介
企業が取り組む地方創生の最新事例を、内閣府の『地方創生SDGs官民連携プラットフォーム 官民連携事例 一覧表』をもとにご紹介していきます。
より多彩な事例を知りたい方は、こちらの資料を参考にしてください。
参照元:・内閣府の『地方創生SDGs官民連携プラットフォーム 官民連携事例 一覧表』
株式会社釧路製作所『小学校へ出前授業! ~地域貢献と夢見る未来へ~』
釧路製作所は、北海道釧路市で橋を製作するなど街を支える地元企業です。
釧路製作所の社員が講師となり、地元の小学校で仕事内容やまちづくりについて出前授業をしました。
地場産業や地場産品について理解と地元への愛着心を深めることを目的としています。
連携先の団体:地産地消くしろネットワーク・釧路市役所産業推進室・釧路市内小学校
この活動の地方創生ポイント
官民連携で教育機関の教育支援を行い、地元釧路の活性化を目指しています。
子どもたちにもっと地元を知ってもらい、地元を愛する心を育むことができれば、人口流出を防ぐとともに地域経済を発展させることができるでしょう。
活動の詳細はコチラ:小学校へ出前授業!~地域貢献と夢見る未来へ~
バリュードライバーズ株式会社『tabeloop(たべるーぷ)マルシェ」の実施』
バリュードライバーズ株式会社は、都市圏と産地をつなぎアプリを活用した食品ロス削減プロジェクトを推進しています。
産地で廃棄されてしまう野菜果物、海産物などと都市マンション居住者をマッチングすることで、食品ロス削減、食育を通じたコミュニティ機会の創出を目的としています。
連携先の団体:三重県伊勢農林水産事務所・南伊勢町(みなみいせ商会)、JA全農、三井不動産レジデンシャル、三井不動産レジデンシャルサービス
この活動の地方創生ポイント
三井不動産レジデンシャルのマンション居住者向けアプリを通じて、規格外や在庫過剰、賞味期限が近い等の理由により、このままでは産地で廃棄されてしまう野菜果物、海産物などをWEBで販売。
また、マンション共用スペースで出張販売する食品ロス削減プロジェクト「tabeloopマルシェ」も実施しました。
共同購買による配送コスト引き下げたり、マンション内でのコミュニティ醸成にも貢献したりもしています。
活動の詳細はコチラ:アプリを活用した食品ロス削減プロジェクト、都市圏と産地をつなぐ「tabeloop(たべ 地域活性化 るーぷ)マルシェ」の実施
株式会社ウェルモ『一人で暮らす高齢者の在宅生活を持続可能にする 居宅内生活行動モニタリングシステム』
株式会社ウェルモは、独居高齢者でも安心して自宅で暮らすことのできる介護サポートシステムを構築。
分電盤に1つセンサーを付けるだけで、家庭内の家電利用を知ることが可能となり、介護サービスを利用していない時間の高齢者の方の生活リズム、生活実態の見守りを可能にしました。
連携先の団体:豊島区(福岡市、つくば市:2020年度実証開始予定)
この活動の地方創生ポイント
要支援や要介護の状態になってしまったとしても、自宅で暮らし続けたいという希望を持っている独居高齢者の生活を持続可能にしています。
電力消費の変化をモニタリングするだけなので、高齢者のプライベートを守りつつ、離れて暮らすご家族や地域のケアマネジャー、介護事業所などと生活リズムの変化を見守ることができます。
電力消費に異変があれば、早急な介入ができるというメリットがあります。
活動の詳細はコチラ:一人で暮らす高齢者の在宅生活を持続可能にする居宅内生活行動モニタリングシステム
ディップ株式会社『就業により移住定住に繋げ、持続可能な社会づくりに貢献』
ディップ株式会社は、就業意欲が高く移住にも興味を持つ方々と、地域の人手不足の企業とのマッチングを図ることで持続可能な社会作りに貢献すべく取り組んでいます。
有期雇用者の多くが移住に漠然と興味を持っている一方で、移住候補地域や移住後の具体的なイメージを持つことができておらず、特に移住後の仕事に対する不安が非常に大きいことが判明。
移住後の具体的な仕事イメージを持ってもらうことで移住者の増加、地域社会の担い手として期待できる関係人口の創出・拡大を図ろうとしています。
連携先の団体:大分県、福井県
この活動の地方創生ポイント
生産年齢人口の減少により、地域社会の担い手減少・人手不足など地方における共通した課題に対し取り組むことが可能であり、離島を含めた全国で実施可能な取り組みと言えます。
地域の人手不足に悩む企業と、移住に興味を持つ人材をマッチングすることで持続可能な社会作りに貢献することができます。
活動の詳細はコチラ:【求職者が地方に注目!】就業により移住定住に繋げ、持続可能な社会づくりに貢献します。
株式会社エルコム『海洋漂着プラスチックのクリーンエネルギー化による海沿い市町村の地方創生』
株式会社エルコムは、海洋漂着プラスチックを漂着現場で専用圧縮機器を使って圧縮減容を行い、対象物を燃料ペレット化する技術を提供しています。
発熱量が高いプラスチックの特性を活かし、それを安全に完全燃焼することで対象地域の熱エネルギーとして有効活用します。
特に離島は、燃料費が本島よりも高いことや、廃棄物の処理施設が限られていることから本島への輸送費が大きなコスト負担となっていました。
従来の処理方法(収集回収及び燃焼による発電)に比べ、エネルギー変換効率は50%高く、この廃プラの創エネ化による活用により、マイクロプラスチックの軽減、創エネルギー化に伴う雇用創出を図ります。
連携先の団体:公益財団法人 海と渚環境美化・油濁対策機構、対馬市、壱岐市、江田島市など実証自治体拠点ほか、広島県漁業協同組合連合会、大分県漁業協同組合など
この活動の地方創生ポイント
海ごみとエネルギーの2つの大きな課題を” 地域内”で”同時解決”します。
海沿い地域における海洋漂着プラスチックは、深刻な問題となりつつあります。
この取り組みを進めることで海の保全、観光等の基幹産業を保護します。
さらに離島においてはエネルギーの供給も実現。
海ごみ対策とともに、地域内で省エネ・創エネを最大限活性化でき、この取り組みのための雇用も創出することができます。
活動の詳細はコチラ:海洋漂着プラスチックと排出元でのプラスチックのクリーンエネルギー化による海沿い 環境対策 市町村の地方創生
まとめ
この記事では、地方創生における企業の取り組み事例の紹介してきました。
地方創生を実現するためには、産学官民が一体となって取り組むことが大切ですが、中でも企業が持つ知見や技術力は、地方がイノベーションを起こすために不可欠です。
元気で持続可能な地域経済は、日本の未来を担う原動力です。
そして、これからの時代を生きる子どもたちの希望にもなります。
地方創生に貢献する企業の積極的な活動を参考にして、あなたもお住まいの地域の活性化を考えてみませんか?