SDGsウォッシュとは「実態以上にSDGsに取り組んでいるように見せかけること」を指す言葉です。
SDGsと「グリーンウォッシュ」という言葉を掛け合わせて作られた造語で、1980年代に環境にやさしいといった意味を持つ「グリーン(green)」とホワイトウォッシュが掛け合わさり、うわべだけ環境に配慮している企業を批判する言葉として「グリーンウォッシュ(Greenwash)」という言葉が使われ始めました。
その後、環境に限らずSDGsの広範な17のゴール全体に拡大した概念として使われるようになりました。
SDGsウォッシュの実態|なぜ起こるのか
SDGsウォッシュとは、SDGsの本質とねらいを理解せず、本気ではないにもかかわらず、表面的に自社の活動によってSDGsに取り組んでいるふりをする、すなわちうわべだけのSDGs活動を指す。
意図的にごまかそうとするケースばかりでなく、意図せずにSDGsウォッシュになってしまっているケースで、「SDGsについて理解していない」という理由が考えられます。
実態が伴わないのにSDGsに取り組んでいるように見せかけることを指す言葉で、例えば、根拠がないのにその企業が発売した商品に「エコ」「省エネ」などと記載していたり、曖昧な表現を用いていたりする場合に用いられます。
SDGsウォッシュの具体例
電気自動車を導入するも、社員のガソリン車利用率は変わっていない、また再生可能エネルギーへの切り替えは完了したが、化石燃料を取り扱う企業へ投資しているなど、環境にプラスになるような行動を実際に起こしているものの、同時にマイナスになる取り組みも行なっており、矛盾が生じます。
これらが典型的なSDGsウォッシュの事例です。
紙を使用した環境に優しい製品パッケージと表記しているにも関わらず、実際にはプラスチックの容器の上に紙を巻いていたというケースなどが該当します。
このように、一部の環境配慮を強調しながら、全体的な矛盾や不正確な表現を用いるパターンが多く見られます。
2020年に大手アパレル企業が、新疆ウイグル自治区に居住するウイグル人を強制労働させているとして、SDGsウォッシュの指摘を受けました。同企業は公式ホームページで人権・労働環境への配慮を謳っていたため、実態との乖離が問題になっています。
企業と社会への影響
SDGsウォッシュが企業にもたらす影響の一つに、ステークホルダーからの信頼の低下が挙げられます。実態と広告等やWebサイトでアピールしている内容が異なるということで、企業のイメージダウンにつながりかねません。
たとえ、そのつもりがなくても、企業の取り組みがSDGsウォッシュだと思われてしまうと、イメージダウンは免れず、顧客や取引先との信頼関係が大きく損なわれる可能性があり、売上や人材確保といった面でもマイナスに働くことが予想されます。
さらに、SDGsウォッシュは、本来SDGsが目指す持続可能な社会の実現を遅らせる要因ともなります。
SDGsウォッシュを避けるために|私たちにできること
「SDGsウォッシュ」を防ぐには、何よりもすべての社員のSDGsに対する正しい理解が必要です。SDGsの”本気度”・”深度”が求められる時代に移ったという認識を持ち、SDGsの活動のレベルを向上させ、その上で「SDGsウォッシュ」のリスク回避の対策を講ずることが大切です。
SDGsウォッシュを回避するための一番の対策は「いかに自社の取り組みを表面的ではない本質的な取り組みに変えることができるか」「事業と紐づけて取り組むことができるか」であると考えられます。
企業は持続可能性を自社の事業戦略の中核に据え、事業を通じてSDGsの達成に向けた意欲的な貢献が求められています。
消費者としても、企業のSDGsへの取り組みを見るときには、表面的な広告だけでなく、その背景にある具体的な行動や透明な情報開示があるかどうかを確認することが重要です。本当に持続可能な取り組みをしている企業を支援することで、SDGsの目標達成に貢献することができるのです。

