日本大学の学生で食品に関する様々な活動を展開する食品ビジネス学学術研究会 Highers☆(以下、Highers☆)。学生食堂のメニュー提供から、実際に一般発売される商品開発まで行っているそうです。
今回は、Highers☆の代表で日本大学3年の鈴木さんと、副代表で日本大学3年の深谷さんの2名にMIRASUS編集部がお話を聞きました。
「Highers☆」設立の経緯
―団体の設立年、設立目的、立ち上げの経緯を教えてください。
団体設立は2011年です。Highers☆を設立した学生によると、当時は食品に関する様々な経験を積むことができるサークルが無かったため、大学に入学してすぐに団体を立ち上げたそうです。
自分たちの手で“食を通じて地域に責献したい”という強い想いをもち食品企画・開発サークルに進展していきました。
―団体名の由来を教えてください。
設立者が入学前に、当時流行っていた、ドラマ(SPEC)で「高まる〜」というセリフがあり、そこから「高め合う人々ってよくない?」→「英語の方がかっこいいな」→「Highers・・・?」という流れでHighers☆になったそうです。
最後についている☆マークには当初は特にあまり意味はなかったそうですが、学生課でなぜ星がついているのかを問われ、咄嗟に「クリスマスツリーのてっぺんについている星をイメージし、高みを目指す集団にしたいからです」と答えたことから、☆がつきました。(笑)
―団体のビジョン・ミッションを教えてください。
私たちは「食で人を幸せにしたい」をモットーに商品の企画・開発を行っています。
これはメンバーが在籍する日本大学の食品ビジネス学科の考えに沿ったもので、10年以上前の団体立ち上げ時からぶれること無くずっと同じものを掲げ続けています。
具体的な活動内容
―現在の主な活動を教えてください。
Highers☆は、「TFT班」「加工班」「コミュニティレストラン班」の3つの班に分かれて活動しています。TFT班は、学内農場で収穫された規格外の野菜を使用してヘルシーな丼メニューを開発し、期間限定で学生食堂にて販売しています。
1食ごとに20円を開発途上国へ寄付するTABLE FOR TWOの理念に賛同し、学生食堂でメニューを提供しています。また、このメニューは、学内農場で採れた規格外の野菜を2種類以上使用し、地産地消と食品ロス削減に貢献しながら、そして国際貢献にも同時に取り組んでいます。
加工班では、キャンパス周辺の商店街で開催されるお祭りに有志を募って参加し、地域の活性化と貢献に努めています。さらに、地域のパン屋さんと学内購買とのコラボによって、学内農場で育った野菜や地元の湘南藤沢小麦を使用した新しいパンの企画・開発を行い、地産地消に貢献しています。
コミュニティレストラン班では、キャンパス周辺の高齢者福祉施設「長後あかり」と連携し、高齢者や孤食の子どもたちに食事を提供しつつ、交流を図る「コミュニティレストラン」の運営を行っています。画用紙でめくって楽しみながら食について学ぶことのできる「食育クイズ」の作成もしており、キャンパス周辺施設に提供しています。
―様々な活動をされているのですね!企業さんとのコラボ活動などもあるのですか?
はい、今ご紹介した取り組み以外にも、以前に企業さんと一般販売向けの『野菜とけこむ手作りトマトスープ』の商品開発を行いました。Highers☆内に所属する学生が「食生活が乱れがちな学生などを主なターゲットに比較的安価で簡便に栄養バランスの取れる商品」というコンセプトで企画 ・開発 ・製造 ・販売 ・商品のデザインまでを行い商品化されました。
材料には、本学の卒業生が経営する「井手トマト農園」の藤沢産トマトをメインに使用し、じゃがいも、ナス、アカインゲン豆、そして本学の食品加工実習所で製造された国産ベーコンを加えています。味付けはシンプルに食塩とバターのみで、トマトの風味豊かな野菜たっぷりのスープに仕上げています。このスープは現在も本学の食品加工実習所で販売されています。
―現在のメンバー数と組織構成を教えてください。
全体103名ほど在籍し、会長・副会長・全体会計などの役職と、先ほど紹介したTFT班、加工班、コミュニティレストラン班に分かれてそれぞれメンバーが活動しています。日本大学生物資源科学部食品ビジネス学科の学生がほとんどになります。
―団体に加入するのはどんな入会理由が多いですか?
様々挙げられますが、
「丼やパンの企画・開発に興味があったから」
「食べることや料理をすることが好きだから」
「入学前から食の問題について興味がありその問題と向き合うことができる活動内容だから」
というのが主な理由として挙げられます。
団体活動の今後の方針とは?
―活動を行う中で大変なことを教えてください。
大人数をまとめることは、それぞれ熱量やモチベーションのきっかけが違い、学年もバラバラなので、やはり大変に感じます。そこは、一人ひとりとしっかり向き合い、強みや得意なことを活かしてもらえる環境作りをすることで、活動を楽しんでくれるようになりました。
また、副会長、班長以外にもイベントごとにリーダー数人を立てることによって1人だけの負担にならないように工夫し、一人ひとりが責任を持って活動に参加するようになりました。
―次に活動のやりがいを教えてください。
やりがいを感じることとしては、丼やパン販売で好評を得られることです。
また最近、学部祭でHighers☆オリジナルのネギチョリドッグを販売したのですが、購入していただいた方にアンケートを答えてもらったところ、「斬新なアイデアでとても美味しかった」「学祭だけでなく商品化してほしい」「買いたくなるようなポスターや宣伝だった」などという温かいお言葉を多くいただくことができて、準備段階はとても大変だったけれどやってよかったと思いました。
―最後に、今後の活動方針について教えてください。
TFT班では、学内の丼販売だけでなく、同じ志を持った学外の団体との連携も今後強化していきたいと考えています。
また、地産地消を念頭に置いているため、学内農場産野菜の良さをもっと広めていきたいです。今年度の学部祭では、学内農場産のネギを材料としたソースが大変好評だったため、そういった取り組みをさらに行っていきたいです。
加工班では、トマトスープに次ぐ新たなレトルト食品を開発、コラボパンの定番化を目指しています。また、地域のイベントに積極的に参加し交流の機会を増やし、地域貢献に繋げる活動をしていきたいです。
コミュニティレストラン班では、地産地消食材や規格外野菜を使用したコミュニティレストランを実施していきたいと考えています。
これまで先輩方が築き上げてきた大学近隣施設の方々との繋がりを大切にしながら、食の楽しさを伝えたり、様々な「孤食問題」の解決に向け、環境にも人にも優しいコミュニティレストランを展開していきたいです。
―今回はお話を聞かせていただきありがとうございました。
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