ブレーメンズは文京学院大学の学生が東日本大震災で被害に見舞われた方の復興支援をしたいという思いから立ち上げられた学生団体です。色々なプロジェクトを通して、被災地でのイベントに参加されているブレーメンズですが、今回は設立の経緯から活動内容や特徴、そして今後の活動方針について団体メンバーで文京学院大学2年の坂下さん、2年の境田さん、2年の武田さんの3名にお聞きしました。
「ブレーメンズ」設立の経緯
―団体の設立年、設立目的、立ち上げの経緯を教えてください。
東日本大震災当時「お金の余裕はないけれど何か協力したい」という学生の気持ちから、本学のコンテンツ多言語知財化センター監修の元、ブレーメンズを立ち上げました。単なる寄付やボランティアでなく、デザインや映像制作、マーケティングの専門教育を受けた学生のクリエイティブを「寄付」したいという想いから、現在に至るまで活動を続けています。
―団体名の由来を教えてください。
一匹では力のない四匹の動物たちが、知恵と力を出し合って平和な暮らしを手に入れるグリム童話「ブレーメンズの音楽隊」がモチーフです。この動物たちのように、今私たちが直面している大きな問題に一人ひとりでは弱い力でも力を合わせて立ち向かえば何かが出来る。そんな行動の輪が広がることを願い、ブレーメンズを結成しました。
―団体のビジョン・ミッションを教えてください。
東日本大震災で被災された方々への支援を目標に活動を行っています。また、東日本大震災の復興だけでなく、台風による豪雨被害、新型コロナウイルス感染症など、全国の助けを必要とする方々に支援を行っています。
具体的な活動内容
―現在の主な活動を教えてください。
オリジナルグッズの企画、制作、販売し、売上金を全額寄付しています。対面販売だけでなくCreemaというECサイトでの販売も行っています。また東日本大震災の被災地の1つである岩手県釜石市と連携してワークショップの運営や商品開発を行うなど、地域活性化に取り組んでいます。
―主な活動を詳しく教えてください。
ワークショップについては、釜石市で「海と希望の学園祭」というイベントに参加しましたが、タイトルの通り海がテーマであり、海に関連する廃材を利用して、フォトブースを展開していました。またサステナビリティというテーマも掲げて、ペットボトルのキャップや紙などを利用してお魚帽子をつくるといった、リサイクルにも取り組んでいます。Creemaの梱包材もリユースし、廃棄物の削減に努めています。
―企業さんとのコラボ活動などもあるのですか?
住宅や店舗のリフォームなどを手がける株式会社リペア様の企業キャラクターやPR動画の制作をはじめ、毎年オリジナルカレンダーのご依頼をいただいています。カレンダーのスタンドには東日本大震災の被災地の間伐材を使用していて、森林の復興と被災地の雇用促進の支援にもつながっています。
また今年度からは釜石市鵜住居の旅館「宝来館」の女将さん、盛岡市の一般社団法人SAVE IWATE様と連携し、三陸鉄道の運行の妨げとなっていたくるみの木の樹皮を活用した「くるみの木プロジェクト」を立ち上げオブジェやライトなどの商品も販売させていただいています。
―現在のメンバー数と組織構成を教えてください。
27名が所属し、コンテンツ多言語知財化センターの監修のもと活動しています。
団体活動の特徴とは?
―他団体と違う何かユニークな特徴があれば教えてください。
企画、制作、販売、すべて学生が行っている点です。メンバーのほとんどが経営学部を専攻している人が占めていて、マーケティングとデザインを並行して学ぶ学生も複数名在籍しているからこそできる活動ではないかと考えています。
―活動を行う中でのやりがいや、反対に大変なことを教えてください。
商品開発を自分たちで1から行っていているので、企画が途中で行き詰ってしまうことがあるという面では大変だと思っています。やりがいを感じたのは「ねば~だるまプロジェクトの時ですね。
2019年にラグビーワールドカップが日本で開催されたのですが、我々は開催都市の1つである釜石市でウルグアイ対フィジーの試合が行われたこともあって、両国の大使館とうちわのデザインを共同で設計したうえで、地元の社団法人の協力のもとで、試合を終えて帰宅される観戦者にうちわを配布させてもらいました。
企業だけでなく社団法人や駐日大使館といった色んなタイプの組織と共同でプロジェクトを進行することで、被災地の支援に貢献できたことは貴重な思い出となりました。
―団体に入ってからの学びや気づきなどがあれば教えてください。
団体に入ってからは提携先の出店イベントといった行事がありましたが、参加が決まった当初は、現地でどのような反応を得られるのかが不透明だったので、気がかりだったんです。実際にイベントに参加してみて、購入していただいた方からの意見をいただくことによって、喜びや達成感を感じられたと思います。
―団体に加入するのはどんな入会理由が多いですか?
社会に貢献したい学生から、商品開発やデザインに興味がある学生まで様々な学生が集まっています。しかし全員に共通して、誰かの力になりたいというボランティア精神をもって入会しています。
―最後に、今後の活動方針について教えてください。
継続して被災地への支援活動を行っていきます。被災地の1つでもある釜石市の駅を盛り上げていくという目的で、くるみの木の皮を活用したハンドメイド商品を開発している最中ですが、最終的には、私たちの手でなく、地元の人たちが名産品としてつくっていけるように、技術提供をしていけたらと思っています。
―今回はお話を聞かせていただきありがとうございました。
▼ 今回活動をご紹介した「ブレーメンズ」のホームページはこちら
HP:https://www.bgu.ac.jp/cm/bremens/