公式LINEアカウントでも絶賛配信中!

友だち追加
SDGs

SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」とは?概要・現状・取り組みをわかりやすく解説

SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」とは?概要や取り組み、ターゲットを解説!

世界では今も、2億7,200万人もの子どもや若者が学校に通えていません。2030年の達成期限が迫るなか、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」の進捗は目標を大きく下回っています。教育の格差は、貧困・差別・紛争など多くの社会問題と深くつながっています。日本も例外ではなく、身近なところにも解決すべき課題が存在します。この記事では、目標4の内容と世界・日本の現状、そして私たちができることをわかりやすく解説します。

SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」とは

SDGsは17の目標と169のターゲットから構成されています。4番目の目標「質の高い教育をみんなに」は、「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」ことを掲げています。

初等教育にとどまらず、幼児教育・中等教育・高等教育・職業訓練・成人識字まで、あらゆる段階の教育をカバーしている点が特徴です。

目標4の10のターゲット

目標4には、以下の10項目のターゲットが定められています。

  1. 2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ有効な学習成果をもたらす、無償で質の高い初等・中等教育を修了できるようにする。
  2. 2030年までに、すべての子どもが質の高い乳幼児の発達支援・就学前教育にアクセスし、初等教育の準備が整うようにする。
  3. 2030年までに、すべての人が手頃な価格で質の高い技術教育・職業教育・高等教育へ平等にアクセスできるようにする。
  4. 2030年までに、雇用や起業に必要な技能を持つ若者・成人の割合を大幅に増加させる。
  5. 2030年までに、教育におけるジェンダー格差をなくし、障害者・先住民・脆弱層があらゆるレベルの教育に平等にアクセスできるようにする。
  6. 2030年までに、すべての若者および多くの成人が読み書き能力と基本的な計算能力を身に付けられるようにする。
  7. 2030年までに、すべての学習者が持続可能な開発・人権・ジェンダー平等・平和などに関する知識とスキルを習得できるようにする。
  8. 子ども・障害・ジェンダーに配慮した教育施設を整備し、安全で包摂的な学習環境を提供する。
  9. 2020年までに(2030年に延長して解釈されることもあります)、開発途上国の若者向け奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。
  10. 2030年までに、開発途上国における資格を持つ教員の数を大幅に増加させる。

なぜ「質の高い教育」が必要なのか

教育は、読み書き・計算を超えた力を育みます。批判的思考・対話・問題解決といった能力は、豊かな社会をつくる基盤となります。識字率が低い地域では、処方薬の飲み方が理解できない、雇用契約の内容が読めないといった、生命や生活に直結する問題が生じます。また、誤った情報が広まりやすく、差別や紛争に発展するケースもあるとされています。

質の高い教育の機会を広げることは、個人の生活向上にとどまらず、社会全体の持続可能な発展に不可欠です。

世界の教育問題の現状

2025年にUNESCO統計局とGEMレポートが公表した「2025年版SDG4スコアカード」によると、学校に通えていない子どもや若者の数は2023年時点で推計2億7,200万人に上り、従来の推計より2,100万人多いことが判明しました。
各国は2030年までに不就学者数を1億6,500万人削減すると誓約していますが、2025年時点で目標より7,500万人分すでに遅れが生じているとみられています。
アフリカに限っても、現在1億1,800万人の子どもや若者が学校に通えていないとされています。

識字率については、改善の傾向はあるものの、地域間・性別間の格差は依然として大きく残っています。特にサハラ以南のアフリカでは、女性の識字率が低い傾向があるとされています。また、紛争地域では子どもの就学機会がさらに奪われており、
紛争の影響を受けている10カ国だけで、実際の不就学者数は少なくとも1,300万人分、過小評価されているとみられています。
国際的な進捗では、学校のインターネット接続率や教員の資格取得面では改善が見られる一方、前期中等教育修了率の目標達成に向けて、データのある国のおよそ3分の2が2015年以降ほとんど進展していないか、進歩が遅い状況です。

日本の教育問題の現状

日本では義務教育が整備されており、世界と比べると教育へのアクセスは恵まれた環境にあります。しかし、国内にも解決すべき課題があります。

深刻化する不登校問題

文部科学省が2025年10月29日に公表した「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、2024年度における小・中学校の不登校児童生徒数は35万3,970人(前年度34万6,482人)で過去最多となり、12年連続で増加しています。
児童生徒1,000人あたりの不登校人数は小中学校合わせて38.6人で、年間の欠席日数が90日以上の児童生徒は19万1,958人と、不登校全体の半数を超えています。
不登校の背景として最も多く挙げられた理由は「学校生活に対してやる気が出ない」(30.1%)で、「生活リズムの不調」(25.0%)や「不安・抑うつ」(24.3%)が続いています。
文部科学省は「COCOLOプラン」の推進を通じ、教育支援センターやICTを活用した学びの場の整備を進める方針です。

経済格差と教育格差

家庭の経済状況による教育機会の格差も、日本の課題として指摘されています。ひとり親世帯の貧困率が高く、教育費の負担が学習機会に影響を与えているとされています。都市部と地方の間で教育環境に差が生じているという見方もあります。

SDGs目標4に向けた日本の主な取り組み

国際教育協力

日本政府は2015年に「平和と成長のための学びの戦略」を発表し、教育分野における国際協力を進めています。代表的な取り組みのひとつが、JICA(独立行政法人国際協力機構)が西アフリカを中心に展開してきた「みんなの学校プロジェクト」です。このプロジェクトは、保護者や住民が参加する形で学校運営を行う仕組みを構築し、子どもたちの学びの質向上に貢献してきたとされています。

また、「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ」では、アフリカの若者が日本の大学・大学院で学んだり、日本企業でのインターンシップに参加する機会を提供しています。

国内の教育支援

国内でも、企業や民間団体による教育支援の取り組みが広がっています。金融教育や環境教育など、さまざまな分野で企業が学校現場と連携する例が見られます。また、フリースクールやオンライン学習の活用など、学び方の多様化も少しずつ進んでいます。

私たちができること

教育の問題は、遠い国の話だけではありません。日本の身近なところにも課題はあります。まずできることから始めてみましょう。

情報を知る・共有する: 世界や日本の教育の現状を正しく知ることが第一歩です。信頼できる情報に触れ、周囲の人と共有することが意識の変化につながります。

寄付・支援: ユニセフやJICAなどを通じて、世界の子どもたちの教育を支援することができます。少額からでも参加できる寄付プログラムがあります。

ボランティア参加: 国内でも、学習支援ボランティアや子ども食堂など、教育や生活の場を支える活動が各地で行われています。

投票・政策への関心: 教育予算や政策は、私たちの社会の選択によって変わります。選挙や地域の活動を通じて声を届けることも、大切なアクションのひとつです。

まとめ|2030年に向けて、教育の力を世界へ

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」の達成期限は2030年です。世界の不就学者数は2億7,200万人にのぼり、目標達成には大幅な加速が必要とされています。日本でも不登校が過去最多を更新し続けるなど、身近な課題が続いています。

教育はすべての人に関わる権利であり、社会全体で支えるものです。まずは今日、一つの情報を調べるところから始めてみてください。

参照元:
2025 SDG 4 Scorecard progress report on national benchmarks | UNESCO GEM Report
令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要|文部科学省(2025年10月29日公表)
持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組|外務省

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」とは?現状と取り組みを解説

【学べるポイント】
✅ 世界で2億7,200万人が学校に通えていない(2023年・UNESCO)
✅ 日本の不登校は2024年度に過去最多35万人超
✅ 寄付・ボランティア・投票など、私たちにもできることがある

  • 記事を書いたライター
  • ライターの新着記事
MIRASUS

MIRASUS編集部。地球と人に優しい未来をつくるサステナビリティな事例をご紹介。誰にでもわかりやすくSDGsに関する情報は発信していきます。

  1. 「包む」が変わる、脱プラ包装の素材革新と消費者が動かす変化の波

  2. 「しなやかな都市」が問われる時代|レジリエントシティとは何か、世界と日本の現在地

  3. 気候リスクは「過小評価」されている|経済モデルの盲点と、年金・金融が直面する見えない損失

RELATED

PAGE TOP