SDGs

中小企業がSDGsに取り組むメリット、実際に取り組む企業の事例も

現在、世界中のメディアなどで取り上げられているSDGs。また、国内においても2016年から政府内にSDGs推進本部が設置され、SDGsに対する取り組みが年々重視されるようになってきています。

SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年9月に開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた2030年までの国際社会共通目標のことを言います。

しかし、国内でSDGsに取り組んでいるのは大企業が多く、実際SDGsに対してアクションを起こしている中小企業は、2018年3月時点で一般財団法人日本立地センター、経済産業省関東経済産業よるとわずか2%という情報も出ています。

2030年までにそれぞれの目標を達成するには、世の中の企業の99.7%を占める中小企業などの協力が欠かせないでしょう。

そこで今回は、中小企業がSDGsに取り組むメリットを実際にSDGsに取り組む中小企業の事例も踏まえながら詳しく解説していきます。

中小企業がSDGsに取り組むメリット

中小企業がSDGsに取り組むメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
特に知っておきたい3つのメリットについて解説していきます。

企業の信頼度や市場価値が上がる

SDGsに取り組んでいるということは、少なからず革新的な物事に取り組む企業だと判断してもらえる可能性が高いといえます。

そういった信頼により、投資家からの資金調達が可能になったり、取引先の安定化や、また口コミなどで会社の良い評判が広がることも期待されます。これらの恩恵から資金面での不安も解消できる可能性があります。

そして、こういった革新的なビジネスに取り組んだことで、企業の市場価値も上がっていくかもしれません。例えば、SDGsの取り組みによって環境に関する地域貢献を行った場合、地域貢献はもちろんですが、人々の信頼や環境問題の解決というように連鎖的に貢献することもできます。

優秀な人材の確保につながる

近年の若者の間では、社会の役に立ちたい、仕事のやりがいを大切にしたい、地方創生に取り組んでいきたいなどというように考える人が増えている傾向にあります。

つまり、その企業が法令を遵守することや、その会社が社会や地域の役に立っているかどうか、その会社に勤めることで自分も社会に貢献できるのかなどといった点を、就職活動や転職活動の際に判断軸にしている人が多いと考えられます。

また、こうしたやりがいを感じられる仕事に取り組むことで従業員のやる気やモチベーションの向上にもつながるでしょう。

新しい商品の開発、サービスの構築につながる

近年でいうと急速にグローバル化が進んでいるため、ICT(情報通信技術)を使ったサービスが増えている傾向があります。
例えば、富士通グループでは、スマートメータ、水使用管理アプリケーションなどの「Smart Water Management」の活用で水の使用効率を改善し、15%以上の水消費量を削減することに成功しています。

さらに、自動運転などの「Smart Mobility」の活用、ビッグデータ解析とエネルギーマネジメントなどの「Smart Building」の活用により、2030年にはCO₂の排出量を約5%の削減できることが予想されています。

その他にも、類似のサービスを活用して、フードロスを20%削減、グローバルなCO₂の排出量を約20%削減することにも効果が表れています。
このように、SDGsに関連したサービス開発に取り組むことで、将来的に市場のニーズを満たすものにつながる可能性がとても高いのです。

以上のように、必ずしもすぐに利益確保につながらなかったとしても、中小企業がSDGsに取り組むメリットはたくさんあるといえます。

実際にSDGsに取り組む企業の事例紹介

実際にSDGsに取り組む企業はどのような事業を展開しているのでしょうか。
本記事では、3つの企業事例についてご紹介していきます。

会宝産業株式会社

会宝産業株式会社は、創業が1969年5月で、石川県金沢市東蚊爪町に所在しており、従業員約75名の中小企業です。

事業方針として、「地球規模における資源循環型社会の一翼を担う」ことを掲げています。今後、世界の自動車の保有台数が13億台になるといわれており、作りっぱなしや売りっぱなしではいけないと考え、自動車のリサイクル・中古自動部品の輸出・販売を行っています。

中古部品市場では、悪質業者が品質を偽って高値で販売し、買い取り業者が不良品を見越して安値で買い叩くことで、商品の価格破壊が生じていたところに目をつけ、中古車の仕入れ・解体・部品管理・販売を一括管理する「KRAシステム」を開発しました。

これにより、部品を単品管理して、適性商品を適正価格で販売できる体制を構築することが可能となりました。

また、外部の方からお褒めの言葉などを頂いた際には、社長本人が朝礼で社員に報告する「いいね報告」や「いいねグランプリ」を行うことで、社員のモチベーション向上にも努めています。

これらの活動は、ゴール8「働きがいも経済成長も」ゴール15「陸の豊かさも守ろう」に貢献しています。

山陽製紙株式会社

山陽製紙株式会社は、創業1928年、設立1957年で、大阪府泉南市に所在しており、従業員約44名の中小企業です。
経営理念として、「環境に配慮した循環型社会に貢献する」ことを掲げています。

事業内容は、セメント袋の封印部分やロール状に束ねた電線の包装などを中心に行っています。
大阪市の事業系ごみの4割は紙類で、そのうち半分が分別すれば再生できる紙ごみでしたが、従来は税金を10億円もかけて焼却していました。
その問題を解決するために、不要になった使用済みのコピー用紙を回収して、再生紙として循環させる「PELP」プロジェクトを開始しました。

このプロジェクトの会員には専用のバッグを購入してもらい、不要なコピー用紙などを着払いで宅急便発送するようにしました。そして、袋を開封することなく工場で焼却ではなく再利用のための溶解処理を行います。これにより、セキュリティ面でも安全なまま再生紙に生まれ変わらせることができました。

また、山陽製紙株式会社では従業員を大切にし、従業員教育などにも力を入れています。実際に2020年2月時点で、eco検定合格者は39名、CSR検定合格者も26名に上っています。

これらの活動は、SDGsのゴール7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」ゴール8「働きがいも経済成長も」に貢献しています。

有限会社ワールドファーム

有限会社ワールドファームは、設立年が2000年で、茨城県つくば市谷田部に所在しており、従業員約105名の中小企業です。

農業の抱える4K(きつい、汚い、危険、稼げない)を新4K(簡単、感動、感謝、稼げる、家族のために)に変え、儲かる農業を実践しながら次世代の若者を育て、農業を成長産業として振興することを掲げています。

事業内容は、若手を中心に野菜を扱った農業ビジネスを展開しています。

SDGsの取り組みとして、加工工場を自社で保有することによる天候に左右されない人材の稼働率維持、梱包費の削減や、全国に農地、人材のポートフォリオを保有することによるリスク分散、繁忙期の人材アロケーション容易化などを行っています。効果として、3年間における売り上げ年平均成長率は16.73%となっています。

これらの活動はSDGsのゴール11「住み続けられる街づくりを」ゴール13「気候変動に具体的な対策を」に貢献しています。

まとめ

本記事では、中小企業がSDGsに取り組むメリットや実際にSDGsに取り組む中小企業の事例について解説してきました。

中小企業がSDGsに取り組むことで、他企業との差別化も可能になり、様々な恩恵を受けることができます。そして、現状のままだと2030年にすべての目標を達成することは難しいという意見もあります。

より多くの企業がSDGsについて、他人事ではなく自分事として真剣に考え、協力して課題解決に向かっていく姿勢が必要になってきます。
今回の内容を参考に、自社にしかできないSDGs取り組みを検討されてみてはいかがでしょうか。

 

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