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カーボンポジティブとは?誰でもわかりやすくかんたん解説

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気候変動が深刻化する中、企業や個人が環境への取り組みを強化しています。そうした中で注目されているのが「カーボンポジティブ」という概念です。これはCO2を削減するだけでなく、環境に良い影響をもたらそうとする考え方です。この記事では、カーボンポジティブの意味や、似た言葉との違い、そして私たちにできることをわかりやすく解説します。

カーボンポジティブとは|CO2吸収量が排出量を上回る状態

カーボンポジティブとは、人為的なGHGの回収・固定化や、森林・海洋によって吸収されるCO₂などの温室効果ガス(GHG)の吸収量が、産業活動などによる人為的な排出量を上回った状態、つまりGHGの吸収量から排出量を差し引いた量が「プラス(ポジティブ)」になっていることを指します。

簡単に言うと、企業や個人が排出するCO2の量よりも、吸収・削減できるCO2の量が多い状態です。例えば、会社が1年間に100トンのCO2を排出した場合、それ以上の150トンを森林保全や再生可能エネルギーで吸収できていれば、カーボンポジティブを達成していることになります。

カーボンネガティブとの違い|同じ意味だが視点が異なる

カーボンネガティブと同じ意味で「カーボンポジティブ」が使われることもあり、これはCO2を”吸収できている”=ポジティブという考え方で、語句は反対語ではあるものの同じ意味を示しています。

つまり、カーボンネガティブとカーボンポジティブは実質的に同じ状態を表しています。ただし、視点が異なります。カーボンネガティブは「排出量がマイナスになっている」という削減の視点から、カーボンポジティブは「吸収量がプラスになっている」という環境への正の貢献という視点から使われます。どちらの言葉を選ぶかは企業や組織によって異なります。

カーボンニュートラルとの違い|さらに一歩進んだ取り組み

「カーボンニュートラル」は、環境省によると、CO2をはじめとする温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量を差し引いて実質ゼロにすることを意味します。
カーボンネガティブとカーボンポジティブはともに、排出量と吸収量が均衡した状態であるカーボンニュートラルから、さらに一歩進んだ状態を目指す取り組みになります。

具体的には、カーボンニュートラルは「排出量=吸収量」という釣り合いを目指すのに対し、カーボンポジティブは「排出量<吸収量」という、吸収を優先する取り組みです。つまり、カーボンポジティブはカーボンニュートラルよりも環境に与えるプラスの影響がより大きいのです。

なぜカーボンポジティブが注目されるのか

経済産業省の「2021年度温室効果ガス排出・吸収量(確報値)概要」によると、日本国内における二酸化炭素排出量は約11億トンであるのに対して、吸収量はわずか「4,760万トン」で、排出量に対して23分の1程度しか吸収できていません。

現在、世界全体でCO2の排出量が吸収量を大きく上回っています。
2022年に開催されたCOP27ではカーボンニュートラルによるCO2削減の目標に到底及ばない現状が浮き彫りになり、今後のCO2排出をカーボンニュートラルによって相殺するだけでは不十分な可能性が高いことから、カーボンポジティブも重視する声が強くなっています。

気候変動を抑制するためには、排出量と吸収量の差を埋めるだけでなく、吸収量を排出量以上に増やすことが急務なのです。

企業の取り組み事例

2015年11月には消費財大手のユニリーバが、同社の気候変動に関する目標として2030年までにカーボンポジティブを達成すると発表し、世界中の全事業所で使用する電力を100%自然エネルギーに切り替え、さらに実際に使う量よりも多くの自然エネルギーの発電を支援することで、社外の人々にも自然エネルギーを使ってもらう予定としています。
2019年10月には、アウトドアメーカーのパタゴニアが、2025年までにリサイクルした原料や再生可能な原料のみを使用することを決定し、こうした取り組みを通じカーボンポジティブを目指すと宣言しました。

このように、世界的に有名な企業がカーボンポジティブの達成を目標として掲げ、具体的な対策を進めています。

個人でもできるカーボンポジティブ

カーボンポジティブは企業の取り組みだけではありません。
例えば家を建てる際に太陽光パネルを屋根に取り付け、家庭で使う以上のエネルギーを発電し、余剰分を販売すれば「カーボンポジティブ」の状態だと言えます。

個人レベルでも、以下のような行動を通じてカーボンポジティブに貢献できます。再生可能エネルギーの導入、省エネ製品の使用、公共交通機関の利用、植林活動やカーボンオフセットサービスの利用などです。小さな行動の積み重ねが、社会全体の大きな変化につながるのです。

実現に向けた課題と今後

どれだけ植林・植樹をしても、人間の行う産業活動によって排出する二酸化炭素の量が多ければ、いつまでもカーボンポジティブは達成されません。
つまり、単に吸収量を増やすだけでなく、排出量そのものを削減することが同時に求められます。

再生可能エネルギーへの転換、省エネ技術の導入、循環経済への移行など、複合的な取り組みが必要です。これらの課題に向き合う企業や組織の取り組みを応援し、消費者として環境配慮型の製品やサービスを選択することが、カーボンポジティブな社会の実現につながります。

まとめ|環境に「プラス」をもたらす選択肢

カーボンポジティブは、単にCO2を相殺するのではなく、環境に良い影響を与えることを目標とする考え方です。カーボンニュートラルから一歩進んだ、より積極的な脱炭素への取り組みとして、企業や個人の間で広がりつつあります。気候変動という課題に向き合い、排出量を削減しながら吸収量を増やしていく。そうした「ダブルアクション」を通じて、私たちは地球の未来に貢献することができるのです。

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