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ENVIRONMENT

自然再生とは?誰でもわかりやすくかんたん解説

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私たちのまわりの自然が、少しずつ失われていることをご存知ですか。森が減り、湿地が埋め立てられ、川が汚れることで、多くの動物たちが姿を消しています。そんな失われた自然を取り戻そうとする取り組みが「自然再生」です。これは単なる保護活動ではなく、過去に損なわれた生態系を積極的に回復させる行動です。私たち一人ひとりが、この活動を理解することで、自然と人間の関係を改めて考える機会が生まれます。

自然再生とは|過去に失われた自然を取り戻す営み

自然再生とは、過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すことを目的として、関係行政機関、関係地方公共団体、地域住民、特定非営利活動法人、自然環境に関し専門的知識を有する者等地域の多様な主体が参加して、河川、湿原、干潟、藻場、里地、里山、森林その他の自然環境を保全し、再生し、若しくは創出し、又はその状態を維持管理することです。

簡単に言うと、昔は豊かだった自然が、開発や農業の衰退などで傷ついてしまったとき、それを元に戻そうという取り組みのことです。ただし、大切なポイントがあります。
開発行為等により損なわれる自然環境の「代償地」を、その近くに創出するというものではなく、過去に損なわれた自然環境を積極的に「取り戻す」ことを目的としているのです。つまり、失われた本来の自然そのものを、時間をかけて復活させる活動なのです。

自然再生が包含する4つの活動

自然再生というと「自然を元通りにする」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実は4つの異なる活動をまとめた概念です。
自然再生事業には、良好な自然環境が現存している場所においてその状態を積極的に維持する行為としての「保全」、自然環境が損なわれた地域において損なわれた自然環境を取り戻す行為としての「再生」、大都市など自然環境がほとんど失われた地域において大規模な緑の空間の造成などにより、その地域の自然生態系を取り戻す行為としての「創出」、再生された自然環境の状況をモニタリングし、その状態を長期間にわたって維持するために必要な管理を行う行為としての「維持管理」を含みます。

保全は、残っている良い自然を守ることです。再生は、壊れた環境を直すことで、創出は、全くないところに新しく作ることです。そして維持管理は、せっかく戻した自然が再び失われないように見守り続けることです。4つすべてが、自然再生活動を支えています。

法律の背景|自然再生推進法の誕生

自然の再生能力を超えた自然資源の過度の利用などの行為により、自然環境の悪化が進んできており、自然と共生する社会の実現と地球環境の保全が重要な課題となっています。このため、生態系の保全や生物種の保護のための取組を推進することはもちろん、過去に損なわれた自然を積極的に取り戻す「自然再生」によって地域の自然環境を蘇らせることが必要となっています。

こうした課題に対応するため、過去に損なわれた自然環境を取り戻すため、行政機関、地域住民、NPO、専門家等多様な主体の参加により行われる自然環境の保全、再生、創出等の自然再生事業を推進するため、2002年12月議員立法により制定された法律が自然再生推進法です。この法律は環境省、農林水産省、国土交通省の3つの省庁が協力して管理しています。

地域の主体性が重要|ボトムアップ型の推進

自然再生の最も特徴的な点の一つは、進め方です。
地域からの発意により、地域の多様な主体が参加して、自然再生協議会の場で合意形成を図りながら、自然再生を進めていくことが大きな特徴の一つです。国会審議では、このことを「ボトムアップ」というキーワードで表していました。

つまり、国が上から「自然再生をしなさい」と指示するのではなく、地域の人たちが「自分たちの地域の自然を何とかしたい」という思いから始まることが理想とされています。そこには、市民、農家、企業、研究者、行政機関など、様々な立場の人々が参加します。それぞれの知見や経験が合わさることで、その地域にぴったり合った自然再生の計画が作られるのです。

実例から学ぶ|阿蘇の草原再生

自然再生の具体例として、阿蘇地域の草原再生があります。
阿蘇の草原は、元々、火山活動の影響から森林が形成されにくい場所であり、「採草」「放牧」「野焼き」など人々の農耕活動を通して広大な草原が維持され、多様な動植物が生息する環境が守られてきた。しかし、近年著しく一次産業が衰退したため、草原維持のための一連の作業が困難になり、草原の荒廃や、生物多様性の劣化が生じている。

このような課題に対して、地域の様々な主体が力を合わせ、野焼きの再開やボランティアの支援など、人間の手を入れることで草原を取り戻す活動が進められています。このケースは、人間が長年かけて作ってきた「二次的な自然」を、人間の営みとともに守ることの重要性を示しています。

私たちにできることは何か

自然再生活動は、専門家や行政機関だけで進むものではありません。私たちも参加する余地があります。地域のボランティア活動に参加したり、身近な自然観察を通じてその地域の変化を記録したり、あるいは自然再生に関する学習に取り組むことで、失われた自然への関心を高めることができます。

また、日常生活の中で、ゴミを減らし、プラスチックを控え、水を大切に使うといった小さなアクションも、その地域の自然環境を間接的に守ることにつながります。自然再生は、単に壊れた環境を修復する技術ではなく、人間と自然の関係を新たに構築する社会的な営みなのです。

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