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ENVIRONMENT

DAC(直接空気回収)とは?誰でもわかりやすくかんたん解説

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DACとは、Direct Air Captureの略で、大気中から二酸化炭素(CO2)を直接分離・回収する技術を指します。
地球温暖化への対策が急務となる中、既に排出されてしまったCO2を大気から取り除く「ネガティブエミッション」技術として世界中で注目を集めています。このガイドでは、DACの仕組みから課題、私たちにできることまでをわかりやすく解説します。

DACの仕組み|どうやってCO2を回収するのか

DACの仕組みは大まかに、①大気を集める②集めた大気の中からCO2を分離・回収する③CO2を貯留・利用するという流れになっています。

大気中には約0.04%のCO2が含まれています。一見するとわずかですが、火力発電所や工場等「ポイントソース(固定排出源)」の排ガスに比べて極めて薄いため、その分離は技術的ハードルが高いものとなります。

CO2を分離・回収する方法にはいくつかのアプローチがあります。
液体媒体を用いて分離する化学吸収法、固体媒体を用いて分離する化学吸着法、イオン交換膜等を用いて分離する膜分離法、冷却してドライアイスとして分離する深冷分離法などの技術が研究されています。
このように複数の技術開発が進められているのは、それぞれにメリット・デメリットがあるため、用途に応じた選択が必要だからです。

なぜDAC技術が必要なのか

2050年カーボンニュートラルの実現を目指していますが、排出量の削減だけでは限界があり、既に排出されたCO2を回収・除去(ネガティブエミッション)する必要があります。
つまり、再生可能エネルギーの普及や省エネ対策だけでは目標達成が困難であり、大気中に既に存在するCO2を取り除く技術が不可欠なのです。

さらに、ネットゼロを実現した社会では、化石燃料の使用は大幅に抑えられるため、原油から得られるナフサがない。つまり、プラスチックや合成繊維等、私たちの暮らしの多くを占めている炭素化合物を作る原料がない、ということです。空気中のCO2はバイオマスと同様に、将来とても重要な原料になるはずです。
DACで回収したCO2は単なる削減対象ではなく、将来の化学資源として活用される可能性があります。

DACの利点

DACの最大の利点は、植林等によるネガティブエミッションと比べて限られたスペースで利用可能な点や、発電所や工場などに限らず空気がある場所であればどこでも回収可能な点が挙げられます。
つまり、広大な土地がなくても、どこへでも設置でき、地理的な制約が少ないという大きな強みがあるのです。

DACが抱える課題

一方で、DACにはまだ解決すべき課題があります。
CO2を回収するために多量のエネルギーを要する点、大気中のCO2濃度は低い(約0.04%)ことから回収に多額のコストを要する点、回収したCO2の貯留に適した地層(貯留層)を検討する必要がある点などが課題として挙げられます。

現在、DACの商用化に向けては、米国エネルギー省のレポートによれば、2025年時点で世界には150近いDAC企業(DAC事業実施のために開発を行う企業)があり、うち70社以上が米国の企業です。日本では川崎重工業、本田技研工業、それから九州大学発のCarbon Xtract社と東京大学発のPlanet Savers社の4社がリストアップされていました。

回収したCO2の活用方法

回収されたCO2は、単に地下に貯留されるだけではありません。
回収したCO2は、地中などへ貯留する他に、カーボンニュートラルの実現に向けて化学品・燃料・コンクリート等として再利用(カーボンリサイクル)するための研究開発が進められています。
例えば、CO2を合成燃料に変えて輸送部門で利用したり、建設材料に組み込んだりすることで、循環経済への転換を実現できます。

私たちにできることは

DAC技術が実用化され普及するには、政策支援やサプライチェーン構築など社会全体の取り組みが必要です。個人レベルでは、DACを含むカーボンリムーバル技術への理解を深め、脱炭素社会への流れを応援することが大切です。また、企業や自治体がDACに投資・参画する際に、それを評価し支持する消費者・市民の姿勢も重要になってきます。

まとめ|技術と社会制度の両立が鍵

2040年以降の本格普及に向けて官民での取組みが進められており、カーボンニュートラルの切り札となるか、今後の動向が注目されます。
DACは気候変動対策の有望な手段ですが、技術開発だけでなく、エネルギーの脱炭素化、政策支援、そして社会全体での支持が揃ってこそ実現できる技術です。2050年カーボンニュートラルに向けた道のりは長いですが、DACはその重要なピースの一つとして進化し続けています。

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