ウッドショックとは、コロナ禍の影響によって木材の価格が高騰している状態を表した言葉です。1970年代に起きた「オイルショック」になぞらえて名付けられており、日本では2021年3月から表面化してきました。
ウッドショックの意味|木材価格が急騰する現象
ウッドショックとは、供給不足によって木材の価格が高くなることです。住宅を建てる場合、柱や梁、さらには建物の土台などに木材を使用しますが、2021年から不足状態に陥っており価格高騰に伴い建設業界に大きな影響を及ぼしています。
単に「木材が高い」というだけではなく、世界中で同時多発的に木材不足が起きることが特徴です。
ウッドショックは今回が初めてではなく、実は過去に2度起きています。1度目は1990年代初頭、マレーシアや北米における天然林保護運動をきっかけに供給量が減少し、木材が急騰しました。2度目は2006年頃、インドネシアの伐採規制が強化され、供給量が減少したのがきっかけでした。
今回のウッドショックの原因|コロナとアメリカの住宅需要
3度目のウッドショックは、アメリカで住宅需要が急増したことも要因のひとつといわれています。急増の原因となったのは、コロナ禍によって自宅で過ごす時間が増えたことです。自宅をリフォームしたり、郊外に戸建てを建てたりする人が増え、木造の需要増加につながりました。この動きは、アメリカだけでなく世界中で同じ現象が起こったことから、世界的な木材供給不足に陥ったとされています。
さらに、コロナ禍により国際海上輸送が滞り、輸入木材の不足が深刻化。特にコンテナ不足や輸送費の高騰が、木材価格の上昇を招きました。
加えて、カナダは、国内産業保護の観点から、木材の輸出を制限しています。また、2022年にロシアは日本がウクライナ侵攻に対して制裁措置をとったため、日本を非友好国とし、木材の輸出を制限することになりました。
日本への影響|住宅建築と国産材の課題
木材・木製品・林産物の輸入価格について、2021年12月の数字を見ると、前年同月比で73%の上昇となっています。特に集成材では135%、製材では132%と大幅な値上がり。
輸入木材の高騰に続き、代替として国産材も需要が高まり価格上昇が起きています。特に目立っているのがひのきです。ひのきが急騰している理由は、その使用目的によります。通常、家を建てる際に重要となる梁や柱の部分は強度が求められますが、国産材の場合、ひのきが当てはまるため、需要が増えているのです。
しかし、日本の木材自給率は42.5%と、2004年以降少しずつ上昇しています。
それでも輸入材に大きく依存している状況が続いています。
日常生活や家づくりへの影響
ウッドショックは私たちの生活に直結します。
建築関連で最も大きな影響を受けるのは、工事にともなって新たに木材が必要となる新築やリフォームの価格です。木材価格の高騰で新築物件自体の価格も上昇し、家を買いたい人やリフォームを検討している人が想定外の値上がりに工事を諦めたり、ウッドショックの動向を見極めるために延期するといった動きが広がっています。
現在の状況と今後への視点
2025年現在はピーク時よりも供給遅延は少なくなっているものの、木材価格に関しては不安定な状態が続いています。
こうした状況下で、国産材の活用への関心が高まっています。
ウッドショックの中、国産木材ならではの「トレーサビリティ(生産履歴の追跡)」が、環境負荷の低減というテーマにマッチしやすいためです。
私たちにできること
ウッドショックを機に、住宅購入やリフォーム計画を検討する際は、単に価格だけでなく木材の出所や環境への配慮を確認することが大切です。また、既存住宅の活用や省資源型の暮らしの検討も、木材資源を大切にするアクションにつながります。国産材の利用促進も、サステナビリティの観点から注目していく価値があるテーマです。

