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SOCIETY

気候ジャスティスとは?誰でもわかりやすくかんたん解説

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「先進国がたくさんのエネルギーを使って繁栄している一方で、その影響で被害を受けるのは途上国の人々や、これからの世代」—こうした不公平さに気づき、正そうとする考え方が「気候ジャスティス」です。気候変動の影響を同じように受けていない現実に、人権と公平性の視点から取り組む、今世界で広がっている重要なキーワードです。

気候ジャスティスとは|責任と被害のズレを正す考え方

気候ジャスティスとは、少数の裕福な国や人々が化石燃料を大量消費し、持続可能でない経済発展を押し進めてきたことで気候変動を引き起こしたことへの責任を果たし、すべての人々の暮らしと生態系の尊さを重視した取り組みを行うことによって、化石燃料をこれまであまり使ってこなかった途上国の人が被害を被っている不公平さを正していこうという考え方です。言い換えると、気候変動の影響や負担、利益を公平・公正に共有し、弱者の権利を保護するという人権的な視点を指しています。

具体的にどういう不公平があるのでしょうか?まず、気候変動を引き起こした責任のある側と、被害を受ける側が異なるという問題があります。
主として先進国に暮らす人々が石油や石炭などの化石燃料を大量消費してきたことにより地球が温暖化し、さまざまな気候変動が起きている一方で、化石燃料をこれまであまり使ってこなかった途上国の人たちやこの問題に責任がない将来世代が、気候変動による異常気象や自然災害でより大きな被害を受けています。

気候変動がもたらす「二重の不公平」

気候変動による被害は、単に「被害を受ける人がいる」という問題ではありません。そこに経済格差と地理的な条件が組み合わさると、被害の大きさが大きく異なります。
気候変動による影響をダイレクトに受けているのと、気候変動の原因をつくっている側が異なることが問題視されており、農業や漁業など天候や自然災害に影響を受けやすい生計手段に頼って生活する途上国の人が多く、気候変動によりすでに大きな被害を受けています。また災害に対する備えが十分ではなく、ガバナンスも弱い地域では、ますます貧困化が進んでしまいます。

さらに、気候ジャスティスが注目する不公平は、国家間だけに限りません。
不公正は国家間だけでなく、ジェンダー間や高齢層と若年層という世代間のほか、富裕層と貧困層でもみられます。つまり、同じ地域・同じ国の中でも、経済的に困難な人や、声を上げられない立場の人ほど気候変動の影響を強く受けるということです。

気候ジャスティスが広がった背景

2010年代から、気候変動は国際的な人権問題であるという認識が広がり、世界中で気候正義を求める社会的運動が行われました。気候変動対策の国際会議(COP)での議論の中でも、先進国と途上国の利害対立の根底には、この「責任の不公平さ」があります。
アフリカ大陸は気候変動による最も深刻な影響を受けている地域の一つで、2008年に設立された「パンアフリカ気候正義連盟」をはじめ、多くの団体やネットワークが気候変動対策が進むよう政府や国際機関に政策提言を行っています。

興味深いことに、日本での認知はまだ低い状況です。
2024年の京都大学の国際研究で、世界11か国の調査では被験者全体の66.2%が「気候正義」という言葉を知らなかったものの、日本における「気候正義」の認知度は参加国の中で最低の13.8%でした。

気候ジャスティスが考え方を変えるポイント

気候ジャスティスのポイントは、気候変動を「地球全体の環境問題」としてだけでは捉えず、「人権と公平性の問題」として見直すことです。
気候変動防止の取り組みの中には、かえって環境を破壊したり人権を侵害してしまう取り組みも存在するため、温室効果ガスの削減とともに、自然生態系や社会に配慮した取り組みを実施し、持続可能な社会の実現を目指す
必要があります。

例えば、大規模な太陽光発電施設が先住民族の土地に建設されたり、森林破壊につながるバイオ燃料の生産が進むなど、気候対策そのものが他の問題を生み出すケースもあります。気候ジャスティスは「誰の視点に立つのか」「誰の声を聞くのか」という問いを常に持つことの大切さを教えてくれます。

私たちにできることから始める

気候ジャスティスは大きなテーマですが、それでも私たちにできることがあります。
気候正義に対する考え方が、日常の環境保護行動や気候変動に関する政策の支持に強く結びついていることが明らかになり、エネルギーの節約や公共交通機関の利用などの環境行動への意識と気候正義の認知度の間に密接な関係がある
ことが示唆されています。

まずは気候ジャスティスという考え方を知ること。そして、自分たちの消費や選択が、世界のどこかの誰かに影響を与えているかもしれないという認識を持つこと。それが、より公平で持続可能な世界への一歩となります。

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