ブータン、その美しき国は「世界一幸せな国」と称され、その首都ティンプーには驚くべき特徴があります。なんと、この都市には信号機が一つも存在しないのです。この記事では、ティンプーの交通文化やブータンの環境意識に焦点を当て、みなさんにその魅力をお届けします。
ティンプーは信号機のないユニークな都市
ブータンの首都ティンプーは、約70万人の人口を抱えるブータンで約11万人が居住する都市です。この都市の最もユニークな特徴は、信号機が一つもないこと。車の数が多いにもかかわらず、信号機は設置されていません。
信号機がないティンプーですが、交通事故の発生率が驚くほど低いと言われています。これは、運転者たちが互いに敬意を払い、慎重に運転する文化によるもの。ブータン独自のコミュニティー意識と相互尊重の精神から生まれていると言えます。
例えば、交差点や狭い道での譲り合いが自然と行われ、これが事故を防ぐ一因になっています。また、都市の主要な交差点には、交通警察が配置されており、彼らが手信号で交通を誘導しています。
ブータンの環境意識と二酸化炭素排出マイナスの実現
ブータンは世界で注目される環境政策を展開し、その成果として二酸化炭素排出量がマイナスという驚異的な実績を達成しています。この小さなヒマラヤの国は、環境保全と持続可能な開発を国の重要な柱として位置付けています。
二酸化炭素排出マイナス国
ブータンは世界で数少ない炭素中立国の一つであり、その環境政策は国際的にも注目されています。2018年には、国内で排出される二酸化炭素量の約3倍を吸収するという顕著な成果を達成しました。
この驚くべき成果は、国が積極的に進める自然保護と環境保全の取り組みによるものです。ブータン政府は持続可能な開発と環境保全を重視し、これらの成果を通じて炭素中立の実現を目指しています。
国土の約7割が豊かな森林に覆われている
ブータンの国土の約70%が森林に覆われており、これが大気中の二酸化炭素を大量に吸収しています。ブータン政府は、国土の最低でも60%を森林として維持するという政策を採用しており、これは憲法で定められています。
この豊かな森林は、地球温暖化の緩和に寄与することはもちろん、生物多様性の保全や水資源の確保にも重要な役割を果たしています。
持続可能な開発モデルとしてのブータン
ブータンの持続可能な開発モデルは、経済成長と環境保全のバランスを重視しています。国民総幸福(GNH)の理念に基づき、物質的な富だけでなく、精神的・文化的な幸福、環境の持続可能性を大切にしています。
この独自のアプローチは、世界中の国々に新たな発展のモデルを示唆しており、特に気候変動への対応として注目されています。ブータンはその小さな国土と人口で、世界に大きな影響を与える可能性を秘めているのです。
まとめ
信号機が一つもないティンプーのユニークな点からブータンの持つ独自の文化や価値観が見えてきます。
この国の持続可能な開発と環境保全への取り組みは、他国である私たちにとって学べることは多く、インパクトを与えてくれるものと言えるのではないでしょうか。