プラスチック問題は近年、地球規模での大きな課題として注目されています。私たちの日常生活の中に深く浸透しているプラスチックは、環境にも生物にも影響を与えるため、その問題に真摯に取り組む必要があります。そんな課題に対して、2021年に立ち上がった学生団体が、学生プラスチック団体platzwa(プラッツワ)です。
代表者である大学4年生の田淵さんに、設立背景や活動内容、そしてビジョンについてMIRSUS編集部が聞きました。
「platzwa」設立の経緯
―団体の設立年、設立目的、立ち上げの経緯を教えてください。
団体は2021年12月18日に設立しました。「同じ志を持った人達とプラスチック問題を少しでも改善し、より良い社会を作っていきたい!」という想いから個人ではなく、団体という形式を取りました。
platzwa(プラッツワ)という団体名は「プラスチック」「つながる」「輪」の頭文字から取っています。また、ロゴについては、水色の丸が「海」を表し、黄緑の丸が「自然」、銀色の輪が「つながり」を表しています。
―団体のビジョン・ミッションを教えてください。
ビジョン・ミッションについては下記を掲げています。
- ビジョン:人との繋がりを大切にプラスチックと共生する道を示す
- ミッション:多くの企業にサスティナブルな取り組みを提案する
SDGsの目標では、目標11「住み続けられるまちづくりを」・12「つくる責任、つかう責任」・14「海の豊かさを守ろう」・15「陸の豊かさも守ろう」に特に注力して取り組んでいます。また、目標3「すべての人に健康と福祉を」も、今後の活動で積極的に取り入れていきたいと思います。
日本の一人当たりの容器包装プラスチックの廃棄量は世界で第二位と言われています。小さな島国に住んでいる約1.3億人が多量のプラスチックゴミを出している現状に私たち一人ひとりがしっかりと向き合わないといけないと思います。
実際に、私たちがプラスチックの問題を「自分ごと」として捉え、日常からプラごみを減らす努力をするなど、環境を守るための具体的なアクションが必要だと考えています。
具体的な活動内容
―現在の主な活動を教えてください。
プラスチックに関する記事の執筆、画像作成を行い、毎週火曜の21時頃にプラスチックに関する投稿を発信しています。
また、長期休みを利用して、プラスチックやエシカルに関するオンラインイベントを開催したり、ビーチクリーン活動を実施したりしています。
また、直近はクリーン活動で集めたプラスチックの破片等を用いてエシカルな商品を製作するために、クラウドファンディングにも挑戦しています。プラスチック問題をもっと身近に感じてもらうことが目的です。
クラウドファンディングは9月末まで実施していて、今一番力を入れて取り組んでいるのでぜひチェックしてみてください。
【プラスチック×福祉】 広めよう!誰もが挑戦できるプラスチック習慣!
▶︎ https://rescuex.jp/project/85324
―どうしてプラスチック問題に取り組もうと思ったのですか?
主なきっかけとしては、2つあります。
1つ目は、ウミガメの鼻に刺さったストローを抜いている映像を見て、それにとても心を痛めたことが挙げられます。動物が傷つく姿を見たくないという思いから、このプラスチック問題に着目しました。
2つ目は、プラスチックから化学物質がしみ出ることで、人体に悪影響を及ぼす可能性があるという研究に関心をもったことが挙げられます。私たちが健康に過ごす上で、エシカルなものに注目していくことが重要だと思いました。
―現在のメンバー数と組織構成を教えてください。
メンバーは全体で10人います。代表1人、副代表1人、プロジェクトリーダー1人、広報メンバー4人、デザインメンバー3人です。またメンバー同士の定例ミーティングを毎週月曜日に実施しています。
雰囲気づくりを大事に
―活動を行う中でのやりがいや、反対に大変なことを教えてください。
やりがいとしては、一つのプロジェクトを他のメンバーと協力しながら進められることが挙げられます。私自身、団体を始める前は個人で試行錯誤しながら活動していたこともあったのですが、こうやってさまざまな意見を持つメンバーとの協力でプロジェクトを進めていくことに大きなやりがいを感じています。
一方で困難も経験しました。実は、去年の9月から5ヶ月間、団体を休止していました。団体の方向性がブレてしまい、メンバー同士のコミュニケーションがうまく取れなくなったことが背景にあり、一時は解散も考えました。しかし、メンバーと話し合いを重ねた結果、今では楽しく団体活動を継続できています。
―他団体と違う何かユニークな特徴があれば教えてください。
団体の特徴としては、非常にアットホームなことが挙げられます。メンバーは高校1年生から社会人経験者まで、多様な年代から成り立っています。
先輩後輩より、「仲間」としての意識を高められるように、敬語の使用は控えめにし、あえて「タメ語」を推奨しています。もちろん礼儀がなかったり失礼な態度をとったりするのは絶対にダメですが。
―雰囲気づくりを大事にされているのですね。
年齢が違っても、メンバー同士は学校のクラスメイトのような関係性を持っています。このような雰囲気の中で、各メンバーが主体的に、それぞれ挑戦したいことに取り組みながら楽しく活動をしており、それが私たちの団体の大きな特色です。
私自身は真面目なタイプなので、その真面目さが強く出てしまうと、ミーティングが学校の授業のようになってしまう恐れがあります。なので、SDGsに関する面白いクイズの回答を皆に考えてもらったり、メンバーの趣味を深掘りしたりするなどの工夫をしています。
―どんな人にplatzwaに入ってもらいたいですか?
実は、platzwaのメンバーで、環境分野を学校で専攻しているのは私だけなんです!他のメンバーは、福祉や薬学、音楽、社会学、ジェンダーなどを学んでいます。
platzwaはプラスチック団体だから、プラスチックに詳しい人でなければいけない!なんてルールは一切ありません。それぞれ学んでいる分野が異なるのは、むしろプラスになると思います。
例えば、10月から本格的に取り組む、プラスチックと福祉を掛け合わせたプロジェクトは、実際に福祉に関わっているメンバーの発案でした。環境問題だけに関心がある人には思いつかなかった斬新なアイデアだと思います。
そして何より、団体活動に熱意を持って取り組める方と一緒に活動したいと考えています!
今後の活動について
―最後に今後の活動予定や方針などありましたら教えてください。
プラスチック問題への解決策を積極的に見つけていきたいと思います。また、多くの団体や企業、公的機関、政府などへもplatzwaが考えるプラごみ削減の方法を伝え、少しでも影響力を持てるように頑張っていきたいと思います。
徐々にメンバーが増えてきたので、ビーチクリーン活動や対面でのワークショップ等も積極的に行いたいと考えています。
そして、これらの企画を通し、さまざまな世代の方と共に、プラスチック削減への取り組みを広げていきたいと思っています。
さらに今後はプラスチック問題に加えて、福祉面での活動もスタートしていきます。
platzwa 副代表のセイジ君は視覚障がいを持っていますが、それを感じさせないほど、文章作成やコミュニケーション能力に秀でています。多くの人がマイナスな印象を持ってしまう障がいも、さまざまな状況で大きな強みになることもあります。
多様なバックグラウンドを持った人達と共に、エシカルな社会を創っていける活動をしていきたいです。
―今回はお話を聞かせていただきありがとうございました。
▼ 今回活動をご紹介した学生団体platzwaのページはこちら
https://linktr.ee/Platzwa