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SOCIETY

レジリエントシティとは?誰でもわかりやすくかんたん解説

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気候変動による豪雨・猛暑・大規模地震。都市を脅かすリスクは増す一方です。そんな時代に注目されているのが「レジリエントシティ」という概念です。単に「壊れにくい街をつくる」だけでなく、「しなやかに回復し、さらに強くなる」都市のあり方を目指す考え方で、世界中の自治体が取り組みを進めています。この記事では、レジリエントシティの意味・背景・具体的な取り組みをわかりやすく解説します。

レジリエントシティとは何か

「レジリエントシティ(Resilient City)」とは、経済的・環境的・社会的・制度的なショックを吸収し、そこから回復し、将来の衝撃に備える能力を持つ都市
のことです。

もとになる言葉「レジリエンス(resilience)」は、本来「跳ね返る力」「回復する力」という意味を持ち、日本語では「しなやかな強さ、強靭さ」という意味で訳されています。
レジリエントな都市とは、困難に直面しても生き延びるだけでなく、そこから発展できる都市です。自然災害をはじめとする都市の課題が増加する中で、レジリエンスは持続可能な発展の鍵となっています。

SDGsとの関係も深く、SDGs目標11は「都市を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする」ことを掲げています。
つまり、レジリエントシティはSDGsの重要な柱のひとつなのです。

なぜ今、レジリエントシティが求められているのか

都市に対するリスクは多様化・複合化しています。
近年、気候変動に伴う風水害が各地で頻発しており、東日本大震災のような大規模な自然災害も発生しています。こうした外部リスクを低減し、災害に強いレジリエントなまちづくりを目指す自治体が増えてきています。

さらに、災害時でも社会経済システムを支える都市機能を維持するために、防災・減災の取り組みだけでなく、都市のエネルギー自治や都市構造の変革についても着目されるようになってきました。

また、都市域は世界のGDPの70パーセントを生み出し、温室効果ガスの39から49パーセントに貢献しています。その比率は2050年までには70パーセントにまで上昇するものと予想されています。
都市が地球規模の課題の震源地でもある以上、都市自体の変革は避けて通れません。

気候変動による物理的な脅威やサイバーリスクなどが複雑に絡み合う時代において、単なるリスク回避やBCP(事業継続計画)の策定だけでは不十分とされており、組織・国家・個人には「しなやかに適応し立ち直る力=レジリエンス」の思想が不可欠となっています。

レジリエントシティの4つの柱

レジリエントシティを構成する要素は、一般的に以下の4つの領域に整理されることが多いとされています。

① 物理的レジリエンス

建物・インフラ・交通網などを災害に強い構造に整備することです。洪水対策の堤防強化や、老朽化したライフラインの更新などが該当します。
気候変動への適応という観点では、再生可能エネルギーの活用、持続可能な水管理、気候変動に強いインフラの整備が重要とされています。

② 社会的レジリエンス

コミュニティのつながりや相互支援の仕組みを強化することです。
都市のレジリエンスはインフラだけでなく社会的な強靱さも含まれており、コミュニティの参加、社会的公正、教育が、レジリエントな都市社会を育む役割を果たします。

③ 経済的レジリエンス

リスクが顕在化したときでも経済活動が継続・回復できる構造を持つことです。
危機そのものを新たな成長の機会と捉え、しなやかに対応する力が組織・都市双方に求められています。

④ 制度・ガバナンスのレジリエンス

行政・市民・企業が連携し、迅速かつ柔軟に意思決定できる体制を整えることです。
政策立案やガバナンスのあり方について、都市のレジリエンス強化を後押しする対話が世界各地で行われています。

世界と日本の取り組み

ロックフェラー財団の「世界100のレジリエント・シティ」

アメリカの慈善団体・ロックフェラー財団が立ち上げたプロジェクト「世界100のレジリエント・シティ」には、京都市が選定されました。選ばれた100都市は相互に連携しながら、レジリエンス都市の構築を目指してさまざまな取り組みを行ってきました。

国連・Resilient Cities Networkの動き

国際的には、都市のレジリエンスを高めるための取り組みが各国で広がっています。
都市がレジリエンス目標を投資戦略に転換し、信頼性を高め資本を呼び込む仕組みについての報告書も公表されるなど、レジリエンスをまちづくりの具体的な経営・投資判断に落とし込む動きが注目されています。

日本の地域での動き

日本でも、気候変動に伴う風水害の頻発や大規模自然災害を受けて、外部リスクを低減し、災害に強いレジリエントなまちづくりを目指す自治体が増えてきています。
国土交通省も都市のレジリエンス強化を都市政策の柱として位置づけており、ハザードマップの整備やエネルギー自立型のまちづくりが各地で進められています。

スマートシティとの関係

レジリエントシティは、テクノロジーを活用した「スマートシティ」の概念とも深く重なります。
テクノロジーは都市のレジリエンスを高める上で重要な役割を果たしており、データ分析・IoTデバイス・インテリジェントな交通システムといったスマート技術を都市計画に組み込む動きが世界的に広がっています。

たとえば、熱波は都市における気象関連の最大の脅威のひとつとされており、AIが「ヒートアイランド」をマッピングし、気温が危険な水準に達する前に冷却センターの配置を最適化したり、脆弱な市民への支援を自動的に発動したりする仕組みも開発されています。

私たちにできること

レジリエントシティは行政や専門家だけが作るものではありません。

  • 防災知識を深める: 地域のハザードマップを確認し、避難経路を把握しておく
  • コミュニティに参加する: 町内会・自主防災組織・ボランティア活動を通じて地域の絆を育む
  • 地域の議論に加わる: まちづくりの計画や都市政策への市民参加の機会を積極的に活用する
  • 日常からエネルギー分散を意識する: 太陽光パネルや省エネ機器の活用も、エネルギー自立型の都市に貢献します

まとめ|「しなやかさ」が都市の価値になる時代

気候変動・自然災害・感染症・地政学リスク――都市を取り巻くリスクは複合化しています。そんな時代に求められるのは、「壊れない」ことだけでなく、「傷ついても回復し、より強くなれる」しなやかさです。
レジリエンスは単なるキーワードではなく、都市の計画・管理のための重要な枠組みです。レジリエントな都市は市民をより良く守り、インフラを維持し、経済を支えることができます。

あなたの暮らす地域が「しなやかな強さ」を持てるよう、まずは身近なところから関心を持つことが第一歩です。

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