今、世界中でさまざまな気象災害が多発しています。
気候変動の影響で、猛暑や豪雨などのリスクは今後さらに高まると予想されています。
日本でも、自然災害、自然生態系、水資源、健康、産業や経済活動などの影響が及ぶと指摘され、私たちが生きるための基盤を揺るがす「気候危機」といわれているほどです。
「グリーンテック」は、簡単にいうと環境を保全するための技術や製品、サービス。
地球温暖化や環境破壊などの問題を対策・保護しなければ地球がもたなくなっている今、グリーンテックが改めて注目されています。
グリーンテックとは? 注目された背景も理解しよう
グリーンテック(green tech)とは、持続可能な社会を実現するためのプロセスで、再生可能な資源やテクノロジーを使った製品やサービスのことです。
近年、地球温暖化、海洋汚染、大気汚染、大規模な火災、記録的な豪雨や猛暑など、環境問題に関わるニュースを目にする機会が増えているように、地球は危機的な状況に陥っています。
グリーンテックが注目された背景は、こうした気候変動問題を解決するため、2015年にパリ協定が採択されたことにあります。
世界共通の長期的な目標として、「気温の上昇を産業革命以前と比べて2℃より低く維持し、1.5℃に抑えるよう努めること、温室効果ガスの排出量と吸収量の均衡を達成すること」を合意しました。
この目標を実現するために、世界の120以上の国と地域が取り組みを進めています。
2020年に政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を実質的にゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言。
グリーンテックは、カーボンニュートラルを実現するために必要なプロセスといえるでしょう。
参照元:「脱炭素ポータル」|環境省
グリーンテックにおける具体的な取り組み
グリーンテックは、再生可能なエネルギーを使うサービスや、環境に配慮するために作られた製品などを指し、幅広い産業で取り組まれています。
エネルギー生産、農業、輸送、建築、製造、インフラなど、分野は多岐にわたります。
二酸化炭素が排出されるさまざまな分野で、グリーンテックの取り組みが進められているのです。
具体的な取り組みとしては、太陽光発電や電気自動車などが有名ですが、近年「3Dプリンター」も注目を集めています。
3Dプリンターとは、3次元のソフトウェアで作成されたデータを元にして、立体物を成形する機器のこと。
試作工程での効率が上がり、開発期間の短縮や、コスト・資源の削減が叶う画期的な新技術です。
これにより、工場やサプライチェーンにおける二酸化炭素の排出量を減らすことも可能になるとして注目されています。
グリーンテックの取り組みは、北米、ヨーロッパ、イスラエルなどのスタートアップ企業がリードしており、業界にインパクトを与える企業が公開されました。
参照元:
・「気候変動に関する最近の動向」|外務省
・Global Cleantec 100
私たち個人ができるグリーンテックの取り組み
グリーンテックは企業だけではなく、私たち個人でも取り組むことができます。
簡単にできる取り組みには次のようなものがあります。
電力の切り替え
小売電気事業者の多くが、太陽光、風力、水力、地熱といった再生可能エネルギーを電源としたプランを設けています。
再生可能エネルギーの割合が100%のプランを選ぶと、CO2排出量が実質ゼロの電気となるのです。
再エネプランには、100%以外にもさまざまな割合があります。
100%でなくとも再エネプランに切り替えることで、地球環境を守ることができます。
再生可能エネルギーの共同購入
太陽光や水力といった再生可能エネルギーを利用したい個人や個人事業主を自治体などが募り、共同で電力を購入できる場合があります。
参加者がたくさん集まると購買力が高まりますので、オトクな電気代で再生可能エネルギーを利用できます。
こうした取り組みがより認知されて広がれば、エコな電気代で地球を守る社会になるのです。
屋根付き太陽光発電
自宅の屋根に太陽光パネルを取り付けることで、太陽光を電力に変えて家庭で利用する方法も有効です。
太陽光の発電量が家庭での使用電力量を超えると、余った電力を電力会社に売ることができます。
電気代の節約になることはもちろん、災害による停電のときでも利用できることもメリットです。
参照元:「再エネスタート」|環境省
まとめ
近年、気候変動の影響で、地球の温暖化、大規模な火災、記録的な猛暑や豪雨などの災害が多発し、私たちが生きるための基盤を揺るがす「気候危機」に陥っています。
このような問題から地球環境を守るため、グリーンテックが注目されるようになりました。
グリーンテックは、再生可能な資源やテクノロジーを使った製品やサービスのこと。
環境に配慮し、持続可能な社会を実現することを目的としています。
グリーンテックの取り組みは、エネルギー生産、農業、建築、インフラなど、さまざまな産業で進められています。
個人では、電力の切り替えや再生可能エネルギーの共同購入などで簡単に取り組めます。
オトクなサービスもありますので、このような手段を知っておくとよいでしょう。
グリーンテックは、温室効果ガスを実質的にゼロにする「カーボンニュートラル」を実現するために大切なプロセスです。
できることから始めてみましょう。