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SDGs

砂漠化を止めるために今日からできること|原因・影響・SDGsとの関係を徹底解説

砂漠化を防ぐために、私たちにできることから始めよう!

毎年6月17日は「砂漠化・干ばつと闘う世界デー」です。しかし、日本に暮らす私たちにとって砂漠化は遠い国の話に感じられるかもしれません。実際には、土地の劣化は世界の食料供給に直結しており、食料輸入大国である日本とも切り離せない問題です。本記事では砂漠化の原因と現状を整理し、SDGsとのつながりを確認したうえで、個人が今日から踏み出せる具体的な行動を提案します。

砂漠化とは何か|土地が「死ぬ」メカニズム

砂漠化(Desertification)とは、乾燥地・半乾燥地・乾燥半湿潤地において土地が劣化し、植生や農業生産力を失っていく現象です。「砂漠」が広がるビジュアルだけでなく、草地が枯れ、土壌の栄養素が失われ、雨が降っても水が地中に浸透しなくなる状態全体を指します。

国連砂漠化対処条約(UNCCD)の報告によると、地球上の乾燥地域は陸地面積の約41%を占め、現在も世界で毎年数百万ヘクタール規模の土地劣化が進行しているとされます。環境省の資料では、すでに36億ヘクタールの土地が劣化の影響を受けており、毎年1,300万ヘクタールの森林が失われていると報告されています。東京都の面積(約22万ヘクタール)と比べると、その規模の大きさが実感できます。

また、UNCCDが2024年に向けて発表した試算では、このまま対策を講じなければ2050年までに世界の農地の最大3分の1が何らかの土地劣化にさらされる可能性があるとされています。食料生産の土台そのものが失われていく危機です。

砂漠化の2大原因|気候と人間活動が重なるとき

砂漠化の原因は大きく「気候的要因」と「人為的要因」に分けられます。この2つが重なることで、劣化のスピードが加速します。

気候的要因|温暖化が乾燥地域をさらに追い詰める

赤道に近い低緯度地域は、もともと降水量が少なく蒸発量が多い乾燥帯に属します。地球温暖化が進むと、この傾向がさらに強まります。具体的には、干ばつの頻度と長期化、異常高温、降雨パターンの変化などが乾燥地域を拡大させます。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告書(AR6、2021〜2022年)は、1.5℃の温暖化でも乾燥地域の拡大リスクが上昇すると指摘しており、気候対策なしに砂漠化を止めることは困難です。

人為的要因|貧困と土地利用が連鎖する構造

過放牧・過耕作・薪炭材の過剰採取・焼畑農業・無計画な灌漑など、人間活動による土地の酷使が砂漠化を招きます。環境省の資料が示すように、アフリカとアジアでは過放牧や森林減少が土地劣化の主因を占めます。

背景には貧困・人口増加・市場経済の圧力があります。電力インフラの整っていない農村では木材が燃料となり、農業が主な収入源である地域では土地の休耕を取る余裕がありません。「木を切らなければ生活できない」という構造的貧困が砂漠化を加速させているため、環境問題としてだけでなく、社会・経済問題として向き合う必要があります。

砂漠化が引き起こす連鎖的影響|食料・貧困・難民まで

砂漠化は「木や草が減る」という自然破壊にとどまらず、人間社会に広範な影響を及ぼします。その連鎖を整理すると、以下のような流れになります。

農地が失われると食料生産量が落ち込み、飢餓リスクが高まります。農作物が育たなければ農家の収入も途絶え、貧困が深刻化します。生計を失った人々は都市や国外へ移動し、気候難民・環境難民となって社会的な不安定要因にもなります。さらに食料や水をめぐる資源競争が紛争のリスクを高めるという指摘もあります。

日本との関係も無視できません。日本の食料自給率(カロリーベース)は2023年度に38%と報告されており(農林水産省)、穀物・大豆・肉類の多くを海外に依存しています。砂漠化が世界の農地を縮小させれば、輸入食料の価格高騰や供給不安という形で日本の食卓にも影響が及びます。遠い地域の問題ではなく、私たちの生活コストと直結する問題です。

また、土地が乾燥すると植生が減り、土壌に蓄えられていた炭素が大気中に放出されます。これがさらなる温暖化を招き、砂漠化を加速するという悪循環が生まれます。気候変動と砂漠化は相互に増幅し合う関係にあります。

SDGs目標13と目標15|砂漠化防止が位置づけられる国際目標

砂漠化への対処は、SDGs(持続可能な開発目標)の複数の目標と深くつながっています。特に関係が深いのが目標13「気候変動に具体的な対策を」と目標15「陸の豊かさも守ろう」です。

目標13|気候変動を抑制して砂漠化の根を断つ

気候変動は砂漠化の主要な自然的要因です。目標13のターゲット13.1では「すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性及び適応力を強化する」と定められており、干ばつや熱波への備えが含まれます。温室効果ガスの排出を抑えて温暖化の速度を落とすことが、乾燥地域の拡大を防ぐ根本的なアプローチです。

目標15|土地の劣化ゼロを2030年のゴールに設定

目標15のターゲット15.3は「2030年までに、砂漠化に対処し、劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する」と明記しています。これは「Land Degradation Neutrality(土地劣化中立性)」と呼ばれる概念で、失われた土地を回復することで差し引きゼロを目指すものです。

日本もUNCCDに1998年に加盟し、開発途上国への資金・技術支援を通じて植林・水資源確保・農業開発支援を実施しています。2021年時点で197カ国・地域が同条約に参加しており、国際的な連携のもとで対策が進んでいます。

世界と日本の取り組み|植林・技術支援・「緑の長城」計画

砂漠化対策の最前線では、国家・国際機関・NGO・企業がさまざまな取り組みを展開しています。

アフリカの「グレート・グリーン・ウォール(緑の長城)」

アフリカ連合が主導する「グレート・グリーン・ウォール(Great Green Wall)」は、サヘル地帯を横断するように幅15km・全長8,000kmの緑地帯を造成するプロジェクトです。2007年に始まり、2030年までに1億ヘクタールの土地回復と1,000万件の雇用創出を目標に掲げています。2024年時点で対象地域の一部で植生回復の成果が報告されており、土地の回復が農業生産と地域経済の再生に直結することを示す事例として注目されています。

日本のNGOによる中国内モンゴル・アフリカでの植林活動

日本では、NPO法人「日本沙漠緑化実践協会」や「緑の地球ネットワーク」などの団体が中国の黄土高原や内モンゴルで長年にわたり植林活動を続けています。黄砂の発生源となる乾燥地の緑化は、日本への直接的な環境利益ともなります。これらの団体への寄付や活動参加は、砂漠化防止への具体的な貢献につながります。

企業によるサプライチェーン管理と土地回復への取り組み

食品・繊維・木材を扱う企業では、農地や森林の持続可能な調達基準(RSPO認証パーム油・FSC認証木材など)を導入することで、間接的な森林破壊・土地劣化の抑制を進めています。消費者として認証製品を選ぶことは、こうしたサプライチェーン改善を後押しすることになります。

砂漠化を防ぐために個人ができる5つの行動

「世界規模の問題に個人が関われるのか」と感じるかもしれません。しかし、日常の選択の積み重ねが生産・流通の仕組みを動かし、政策にも影響を与えます。ここでは実践しやすい行動を5つ紹介します。

1. 肉類の消費量を少し減らす

牛・豚・鶏などの家畜を育てるには広大な牧草地と飼料用農地が必要で、これが過放牧や森林伐採につながります。国連食糧農業機関(FAO)の試算では、畜産部門は世界の温室効果ガス排出量の14.5%前後を占めるとされ、土地利用変化の主要因の一つです。毎日の食事で肉を完全にやめる必要はありません。週に1〜2日、植物性食品を中心にした食事を選ぶだけでも、長期的には生産側への需要シグナルとなります。

2. 認証製品を意識して選ぶ

FSC認証の紙製品・木材、RSPO認証のパーム油、レインフォレスト・アライアンス認証の食品などは、持続可能な土地管理を基準とした調達が確認された製品です。スーパーやドラッグストアでも取り扱いが増えています。購入時に認証マークを一つ確認する習慣が、土地劣化を生まないサプライチェーンを支えます。

3. 植林・土地回復活動を行う団体に寄付する

現地で植林や土壌回復を行うNGO・NPOへの支援は、直接的に砂漠化防止につながります。「砂漠 植林 寄付」で検索すると国内外の複数の団体が見つかります。毎月数百円から始められるマンスリー寄付や、購入金額の一部が寄付に充てられる仕組みを持つサービスも広がっています。自分のペースで関われる方法を選んでください。

4. 食品ロスを減らす

農林水産省・環境省の推計によると、日本国内では年間約472万トン(2023年度)の食品ロスが発生しています。食べ物を捨てることは、その生産に使われた農地・水・エネルギーをまるごと無駄にすることを意味します。食品ロスを減らすことは、農地への過剰な負荷を和らげ、砂漠化を間接的に防ぐ行動でもあります。買いすぎない・食べ切る・冷凍保存を活用するといった小さな工夫から始めてみましょう。

5. 砂漠化について学び、周囲と共有する

問題を知っている人が増えることで、政策への関心・消費行動の変化・投票行動が変わります。毎年6月17日の「砂漠化および干ばつと闘う世界デー」は、SNSで情報を発信する機会として活用できます。子どもと一緒に環境絵本や資料を読む、学校や職場でSDGsの勉強会を開くといった形でも知識の輪を広げることができます。

砂漠化と日本の農業・食料安全保障|他人事ではない理由

日本国内で直接砂漠化が起きているわけではありませんが、間接的な影響は無視できません。

小麦の約90%、大豆の約93%(農林水産省、2022年度)を輸入に頼る日本では、輸出国の土地劣化や干ばつが穀物価格の急騰を招きます。2022年のウクライナ侵攻による食料価格高騰はその典型例ですが、長期的には気候変動と砂漠化による生産基盤の縮小が同様のリスクをはらんでいます。

さらに、日本に降り注ぐ黄砂の増加も、中国・モンゴルの砂漠化と無縁ではありません。黄砂は農業・交通・健康に影響を与えており、環境省は黄砂飛来予測情報を毎年発信しています。砂漠化は日本人の生活環境にすでに到達しています。

国内でも、鳥取県の中国山地や北海道の一部の農地では、土地の過剰利用による表土流失が問題となった歴史があります。砂漠化に至る土地劣化のプロセスは、程度の差こそあれ日本にも存在します。

砂漠化・土地劣化の問題と食料安全保障のつながりについては、フードシステム全体を見渡す視点も参考になります。

まとめ|今日から1つ選んで動いてみる

砂漠化は気候変動・貧困・食料安全保障が複雑に絡み合う問題です。国や企業の取り組みを待つだけでなく、日常の選択が世界の土地の状態と繋がっています。

  • 砂漠化は気候変動・過放牧・過耕作などが複合した土地の劣化現象で、すでに36億ヘクタールの土地が影響を受けている
  • 食料輸入大国の日本にとって、海外農地の土地劣化は食料価格や供給安定に直結する問題
  • SDGs目標15のターゲット15.3は「土地劣化中立性」を2030年までに達成することを掲げている
  • 肉の消費量を少し減らす・認証製品を選ぶ・食品ロスを減らすなど、日常の行動が土地への負荷を和らげる
  • 植林団体への寄付や「砂漠化および干ばつと闘う世界デー(6月17日)」の情報発信も、個人にできる具体的な貢献

まず1つだけ試してみてください。今週の食事で植物性メニューを一品加えるか、FSCマークのついた紙製品を手に取るか。小さな選択の積み重ねが、土地を守る大きな力になります。

  • 記事を書いたライター
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鹿児島県在住のフリーライター。コーヒーをきっかけにSDGsを知り、興味をもつように。普段は、ライフスタイルやSDGsに関する記事を執筆しています。

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