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SDGs

サステナ コミュニティとは|2種類の意味と参加前に知っておきたいこと

Photo by Sarah Dorweiler on Unsplash

「サステナ コミュニティ」という言葉を検索すると、ある記事では「地域づくり」の話が出てきて、別の記事では「企業のSDGs担当者が集まるSNSグループ」が紹介されている――そんな経験をした方は少なくないはずです。同じ言葉なのに指している中身が違って見えるのは、実はこの言葉に2つの異なる使われ方があるからです。この記事では「サステナ コミュニティとは何か」を整理したうえで、日本国内の制度・企業の取り組みを踏まえながら、実際に参加を考えるときに知っておきたいポイントを具体的に紹介します。

この記事で学べること

  • 「サステナ コミュニティ」が指す2つの意味の違い
  • 地域循環共生圏など日本の制度とのつながり
  • 企業・学生・個人それぞれが参加しやすい具体的な入り口
  • 参加前によくある3つの誤解と実際の状況
  • コミュニティで孤立せずに続けるための考え方

「サステナ コミュニティ」には2つの意味がある

まず押さえておきたいのは、この言葉が1つの定義に収まらないという点です。混乱の多くは、この2つを区別せずに語られていることから生まれています。

①持続可能な地域社会としてのコミュニティ(地域型)

ひとつ目は、まちづくり・地域政策の文脈で使われる「サスティナブル・コミュニティ」です。認定NPO法人「環境市民」は2003年の報告書のなかで、これを環境への負荷を抑えながら安心・安全な暮らしを世代を越えて続けられる身近な生活の場として整理しています。つまり、人の集まりそのものではなく「地域という器」を指す使い方です。

この考え方は、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」と重なります。日本では環境省が2018年の第五次環境基本計画で提唱した「地域循環共生圏」という考え方がこの延長線上にあり、地域の資源・経済・人のつながりを域内で循環させながら、不足する機能を他地域と補い合う地域づくりを指しています。各自治体が取り組む「SDGs未来都市」の選定も、この地域型コミュニティづくりの具体策のひとつに位置づけられます。

②サステナビリティで動いている人々のネットワーク(ネットワーク型)

もうひとつは、サステナビリティに関心や関与を持つ人が集まる「場」を指す使い方です。オンライン・オフラインを問わず、企業のサステナ担当者、NPOスタッフ、学生、投資家など多様な立場の人が集まる点が特徴です。

代表例としてよく紹介されるのが、2021年に発起人の山路祐一氏がSNSで呼びかけて始まった「サスコミュ(サステナブルコミュニティ)」です。コロナ禍でのつながりの希薄化への危機感から始まり、Slackでの情報交換を軸に、企業のサステナ担当者だけでなく弁護士やコンサルタント、スタートアップ経営者まで幅広いメンバーで構成される場に育ったと報じられています。企業横断型のネットワークとしては、国連グローバル・コンパクトに賛同する企業が集う「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)」や、経済産業省が旗振り役となり脱炭素に向けた事業変革に取り組む企業が参加する「GXリーグ」のような、業種を越えた枠組みも広がっています。どちらも、1社だけでは解決しづらい課題を企業間の情報共有や協働によって前に進めようとする点は共通しています。

「どちらの意味で使われているか」は文脈次第です。地域政策の記事なら地域型、SNSや社会人コミュニティの記事ならネットワーク型を指すことが多い、と覚えておくと読み解きやすくなります。

なぜ「ひとりでは難しい」のか|つながりが持つ役割

社会課題に動き始めようとして最初にぶつかる壁は、情報・仲間・機会が同時に足りないことだとよく言われます。何かしたいけれど、どんな情報を集めればいいかわからない。同じ関心を持つ仲間が身近にいない。行動するきっかけが見つからない。この3つが揃っている活動は続きやすく、どれか1つでも欠けると活動が数か月で止まってしまうケースは珍しくありません。

SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」は、まさにこの点を扱っています。個人・企業・NPO・行政が水平につながり、互いのリソースを持ち寄らなければ2030年までの目標達成は難しいとされており、コミュニティはこの水平的なつながりを小さな規模で実践する場とも言えます。

情報やつながりの格差が社会的孤立を深めるという問題は、SDGsの目標10(不平等の是正)とも関わりが深いテーマです。孤立や格差の構造についてもう少し詳しく知りたい方は、格差をめぐる社会的不平等とSDGsの関係を整理した記事もあわせて参考にしてみてください。

参加前に知っておきたい3つの誤解

コミュニティへの参加を検討するとき、実態とずれた思い込みが壁になることがあります。よく見られる3つのパターンを整理します。

誤解1|専門知識がないと入れない

ESGやCSRの用語に詳しくないと参加資格がないのではと不安に思う方は多いはずです。実際には、学生や関心ベースの一般参加者を受け入れているコミュニティは少なくありません。専門知識を先に身につけようとするより、「自分がなぜそこに関心を持ったか」を自分の言葉で言えることのほうが、最初の一歩としては大切だとされています。

誤解2|意識が高すぎて日常とかけ離れている

理想論を語り合うだけの場になりがちという印象を持つ方もいます。そう見える場面がまったくないとは言えませんが、実際には「社内でどう提案を通すか」「子育てをしながらどう関わるか」といった生活に密着した話題を扱うコミュニティも増えています。参加前に、そのコミュニティが公開している過去の活動報告やSNSの投稿を見てみると、扱っている話題の温度感がつかめます。

誤解3|継続するのが大変そう

参加したものの何もしないまま離れてしまうのでは、という心配もよく聞かれます。これは実際に起きやすいことです。「常に何か貢献しなければ」という空気が強いコミュニティほど、忙しい時期に離脱されやすい傾向があります。続けられている人に共通するのは、アウトプットを求められる前にまずインプットとして場を使っている姿勢です。最初は読むだけ、聞くだけで構いません。

タイプ別|今日から探せる参加の入り口

「具体的にどこから入ればいいか」は、立場によって答えが変わります。3つの立場に分けて整理します。

学生・社会課題に関心を持ち始めた方

いきなり規模の大きなコミュニティに入らなくても、大学のサークルや地域のNPOが開くワークショップ・勉強会が入口として機能します。単発のイベントに参加してみて「この人たちと話したい」と感じた場所を起点にするほうが、無理なく続けやすくなります。若い世代がどのような形で社会課題に関わっているかは、学生・若者による社会課題プロジェクトの事例を紹介した記事も参考になります。

企業のサステナ・CSR担当の方

実務の悩みを共有できる同業・異業の人とつながりたいなら、前述のようなオープン型のオンラインコミュニティや、GCNJ・GXリーグのような企業横断の枠組みが選択肢になります。業種を越えた情報交換は、社内だけでは得にくい視点をもたらします。ただし参加要件や守秘義務の扱いは、事前に運営元へ確認しておくと安心です。企業がSDGsをどのように実務へ落とし込んでいるかは、企業のサステナ・CSR事例をまとめた記事も参考にしてみてください。

地域づくりに関わりたい方

地域型のサステナブル・コミュニティづくりを目指す場合は、各都道府県・市区町村が設置しているSDGs推進窓口や、環境省が推進する「地域循環共生圏」の取り組みを調べるところから始めると、地元の活動団体につながりやすくなります。自分が住む自治体のウェブサイトに「SDGs」や「まちづくり」のページがあるか、一度確認してみてください。

コミュニティを「消費」ではなく「育てる」場にするために

コミュニティに参加することは、サービスを利用することとは性質が異なります。ここを取り違えたまま入ってしまうと、「思ったより得られるものがなかった」と感じて早々に離れてしまいがちです。

認定NPO法人「環境市民」の報告書は、コミュニティには核となる人物(キー・パーソン)の存在が重要だと指摘しています。裏を返せば、コミュニティは誰かが手をかけて育てているものであり、参加する一人ひとりの関わり方の質が場全体の価値に影響します。「サスコミュ」の発起人が、自分のコミュニティという感覚はなく一人ひとりが主役だという趣旨を語っているのも、この点と重なります。

持ち込むものは大きくなくて構いません。「先月読んだ本のこと」「地元で気になっていること」を共有するだけでも、場は少しずつ動き始めます。受け取るだけでなく、何かひとつ持ち込む姿勢があるかどうかで、コミュニティとの関わり方の質は変わってきます。

まとめ

「サステナ コミュニティ」という言葉が指すのは、大きく分けて「持続可能な地域社会そのもの」と「サステナビリティに関わる人々のネットワーク」の2種類です。前者は環境省の地域循環共生圏やSDGs未来都市といった日本の地域政策とつながり、後者はサスコミュやGCNJ、GXリーグのように企業・個人が業種や立場を越えてつながる場として広がっています。

参加のハードルは思っているより低く、専門知識があるかどうかより、なぜ関心を持ったのかを自分の言葉で語れること、そして場を受け取るだけでなく何かを持ち込む姿勢のほうが長く関わるうえで重要です。学生・企業担当・地域づくりに関わりたい人、それぞれに合った入口があり、SNSでの小さな反応から始めても遅くはありません。

  • 「サステナ コミュニティ」には「地域型」と「ネットワーク型」の2種類の意味がある
  • 日本では地域循環共生圏やSDGs未来都市、GCNJ・GXリーグなど複数の枠組みが広がっている
  • 参加に専門知識は必須ではなく、関心の言語化と「場を育てる」姿勢のほうが重要
  • 学生・企業担当・地域住民それぞれに合った入口があり、小さな行動から始められる

参考文献

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