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LIFESTYLE

サステナブルな財布の選び方|素材・ブランド・長く使う視点で徹底解説

お財布選びをエシカルに | サステナブルなお財布で環境や動物に優しく

毎日手に触れる財布だからこそ、素材や作られ方を少し意識してみると、日常がエシカルな選択の積み重ねに変わります。植物由来レザー・アップサイクル素材・職人による修理対応など、サステナブルな財布の選択肢は2020年代に入って大きく広がりました。この記事では、素材の種類から具体的なブランド、長く使うためのケアまでを整理します。

目次

財布を選ぶことがエシカル消費につながる理由

財布は衣服や家電に比べて買い替え頻度が低く、1つを数年〜10年単位で使い続けるものです。それだけに、最初の「選択」が素材の採取から廃棄までのライフサイクル全体に大きく影響します。

国連環境計画(UNEP)は、ファッション産業全体が世界の二酸化炭素排出量の約8〜10%を占めると報告しています。財布・小物類もこの産業の一部であり、大量生産・大量廃棄の構造から無縁ではありません。安価な合成皮革製品の多くは石油由来のポリウレタン(PU)でコーティングされており、数年で劣化・剥離した後にプラスチック廃棄物として処分されます。

一方、植物由来のバイオレザーやアップサイクル素材を使った財布は、廃棄物を資源化しながら作られているものが多く、SDGs目標12「つくる責任・つかう責任」の実践に直結します。また、フェアトレード認証や国内工房での製造にこだわるブランドは、目標8「働きがいも経済成長も」にも貢献しています。

つまり、財布の素材・製造背景・使用期間という3つの軸で選択肢を比較することが、エシカルな消費の第一歩といえます。

サステナブルな財布を構成する4つの素材カテゴリー

「サステナブルな財布」と一口に言っても、素材のアプローチはさまざまです。大きく4つのカテゴリーに整理できます。

植物由来バイオレザー

パイナップルの葉(ピニャテックス)、サボテン、りんごの搾りかす、きのこの菌糸体(マッシュルームレザー)など、農業・食品加工の副産物から作られる素材です。従来、廃棄または焼却されていた部分を原料に転換することで、廃棄物削減と農家の収入多様化を同時に実現します。石油由来のPUを完全に排除したものはまだ少ないものの、植物由来成分の割合を高める研究が進んでいます。

リサイクル・アップサイクル素材

廃棄された素材をそのままの形で再利用するのがアップサイクル、一度分解・再生するのがリサイクルです。ビニール傘、トラックの幌(タープ)、革の端材、包装資材の紙など、廃棄物の種類によってまったく異なる風合いが生まれるため、一点ものの個性が生まれる点も魅力です。

天然皮革(責任ある調達)

食肉処理の副産物として得られる牛革などは、皮を廃棄せず活用するという点でサステナブルな側面があります。ただし、なめし(タンニング)工程での化学薬品の使用や労働環境の問題もあるため、「植物タンニンなめし」「LWG(レザーワーキンググループ)認証」など、調達の透明性を確認することが重要です。

長寿命設計+修理対応

素材にかかわらず、「長く使える設計」「修理サービスの提供」もサステナビリティの重要な軸です。廃棄物を生み出さないことは、新素材の開発と同じかそれ以上にインパクトが大きいと言えます。

植物由来レザーを使ったブランドと特徴

植物性レザーを採用した財布ブランドは、2020年代に入って国内外で急速に増えました。代表的なブランドの素材と特徴をそれぞれ見ていきます。

PINAMORE|パイナップル葉繊維を活用した財布

PINAMORE(ピニャーレ)は、フィリピンのパイナップル農業で大量に廃棄されてきた葉の繊維「ピニャテックス」を素材に使った財布を展開しています。素材の72%がパイナップル葉繊維、18%がトウモロコシやじゃがいも由来のポリ乳酸(PLA)で構成されており、全体の約90%が自然由来です。葉の焼却処分がなくなることで大気へのCO2排出が減るほか、農家の収入源追加にもつながっています。和紙に似た独特の風合いが特徴で、使うほどに馴染みが出てきます。

CACTUS TOKYO|サボテンレザーの高品質な財布

CACTUS TOKYO(カクタストーキョー)は、メキシコ産のウチワサボテンを原料とした植物由来レザーを採用しています。サボテンは乾燥地帯でも栽培でき、農薬・大量の水を必要としない点が環境負荷の低さにつながっています。素材の少なくとも61%が植物由来で、本革に近いなめらかな手触りが特徴。日本国内の職人工房で製造されており、小ぶりでカード9枚収納可能なミニウォレットが代表作です。

étul|りんご廃材からアップサイクルしたレザー財布

étul(エツル)は、ジュース・食品加工後に廃棄される有機りんごの皮・芯をアップサイクルして作るアップルレザーを採用したブランドです。軽量でやわらかな質感を持ちながらも耐久性があり、鮮やかなカラー展開が特徴。リサイクルキャンバス素材と組み合わせた製品も展開しており、贈り物としても選ばれています。

STELLA McCARTNEY|ラグジュアリーとサステナビリティの両立

ステラ マッカートニーは、2001年のブランド設立以来、一貫して動物由来素材(レザー・ファー・フェザー・動物性接着剤)を使用しない方針を守り続けています。サステナブルコットンやリサイクルポリエステルを組み合わせた「ファラベラ スモール フラップ ウォレット」などは、環境・人権に配慮した調達で製造されています。高価格帯ながら、ラグジュアリーファッションにサステナブルな視点を持ち込んだ先駆的ブランドとして国際的な評価を受けています。

廃棄物を原料にしたアップサイクル財布ブランド

植物由来素材とは別のアプローチとして、世の中に溢れる廃棄物をそのまま素材に転換するアップサイクルブランドも存在感を増しています。

PLASTICITY|ビニール傘をアップサイクルした財布

PLASTICITY(プラスティシティ)は、日本で年間多数廃棄または置き忘れられるビニール傘を回収・再生してバッグや財布を作るブランドです。「10年後になくなるべきブランド」という宣言のもと、廃棄傘問題が解決した社会になることを目指しています。三つ折りウォレットは、傘素材の特性から水や汚れに強く、洗えるのも実用的。傘ごとに素材の透明度・厚みが異なるため、一点一点が異なる表情を持っています。

FREITAG|トラックの幌から生まれる財布

スイス発のFREITAG(フライターグ)は、1993年の創業以来、5〜8年間ヨーロッパの高速道路を走り続けたトラックの幌(タープ)やシートベルトをリサイクルしてバッグ・財布を作り続けているブランドです。「WIDE SCREEN TARP WALLET」はカードを最大24枚収納できる大容量長財布で、使用された幌の柄や配置によって世界に一つだけのデザインになります。素材の調達から縫製まで自社・地域で完結させるサーキュラーモデルを実践しており、アップサイクルブランドの先駆けとして業界でも広く参照されています。

BAGGY PORT|ドイツ製リサイクルレザーを使った財布

BAGGY PORT(バギーポート)のリサイクルレザーシリーズは、ドイツの老舗素材メーカー「サラマンダー社」製のリサイクルレザーを採用しています。廃棄されるはずだった革の端材を粉砕・再成形して作られる素材で、本革に近い風合いを持ちながら廃棄ロスを削減しています。ボックス型コインポケット+内側11室のカードポケットという機能的な設計で、交通系ICカードにも対応しています。

THE BARIS|リサイクルペーパーで作る南アフリカ発の財布

THE BARIS(ばりん家)は、南アフリカのローカルブランドを取り扱うセレクトショップです。スクエア財布の素材は、包装資材工場から出るリサイクルペーパーに特殊コーティングを施して強度と防水性を持たせたもの。折り紙のようなシンプルな構造で、紙ならではの自然な風合いを楽しめます。南アフリカの雇用創出・女性エンパワーメント・アップサイクルに取り組む100% Made in South Africaの製品で、社会的側面でもエシカルです。

長く使うことがエシカルな消費になる|修理対応ブランド

どれほどサステナブルな素材を使った財布でも、すぐに買い替えてしまえば廃棄物は増え続けます。「長持ちさせる設計」と「修理サービス」を提供するブランドを選ぶことも、大切なエシカル消費の形です。

土屋鞄製作所|職人修理と一生使える品質

1965年創業の土屋鞄製作所は、「革のダイアモンド」とも称されるコードバンをはじめとした高品質な素材を職人が丁寧に仕立てる国内ブランドです。長く使えることを設計の軸に置いており、公式サイトでは素材別のケア方法を詳しく公開しています。専門職人による修理も受け付けており、何年・何十年と使い続けられる財布づくりを実践しています。高価格帯ではありますが、「1つを長く使う」という視点でコストパフォーマンスを考えると、廃棄頻度の高い安価な財布より総合的な環境負荷が低くなるケースも多くあります。

genten|経年変化を楽しむエシカルな革財布

genten(ゲンテン)の「Minerva」シリーズは、植物タンニンでなめした革本来の風合いを生かした財布です。使うほどに艶が増し、独自の経年変化(エイジング)を楽しめる設計になっています。gentenは「丁寧に作られたものを大切に使い、壊れたら修理してまた使う」という姿勢をブランド哲学に掲げており、専門性の高い修理サービスも提供しています。長年の相棒となる財布を探している方に向いているブランドです。

エシカルな消費行動をより広い視点で理解したい方には、エシカル消費の基礎を解説した記事もあわせてご覧ください。

財布を長持ちさせるための基本ケア

どのような素材であっても、日頃のメンテナンスが寿命を大きく左右します。素材ごとにケアの方法は異なりますが、共通して押さえておきたいポイントをまとめます。

本革・植物タンニンなめし革の場合

乾燥が最大の敵です。2〜3か月に1度を目安に革専用のクリームやオイルで保湿します。水濡れした場合はすぐに乾いた布で拭き取り、陰干しで自然乾燥させましょう。直射日光・高温多湿の場所での保管は変色・劣化の原因になります。

バイオレザー(植物由来素材)の場合

パイナップルレザー・サボテンレザー・アップルレザーなどは、一般的な革用クリームが使えないものもあります。ブランド公式が推奨するケア方法を必ず確認しましょう。基本的には乾いた布での拭き取りと、直射日光・極端な熱を避けた保管で十分です。

アップサイクル素材(タープ・ビニール等)の場合

FREITAGやPLASTICITYのような素材は水洗いができるものが多く、メンテナンスのハードルが低い点がメリットです。汚れが目立ったら中性洗剤をつけた布で拭き取り、陰干しするだけで清潔に保てます。

サステナブルなファッション選びをさらに深掘りしたい方には、エシカルファッション全体を解説した記事もご参考になります。

サステナブルな財布を選ぶ3つの視点

ここまで紹介したブランドや素材を踏まえ、自分に合ったサステナブルな財布を選ぶ際には、3つの軸で比較することをおすすめします。

視点1|素材の透明性と環境負荷

「植物由来」「リサイクル」といった表記だけでなく、植物由来成分の割合・石油系成分の使用量・なめし工程での薬品などを開示しているブランドを選ぶと、グリーンウォッシングのリスクを避けられます。ブランドのサステナビリティページや素材の認証情報(GOTS・GRS・LWGなど)を確認してみてください。

視点2|製造背景と社会的公正

環境負荷だけでなく、製造に関わる人々の労働環境も重要な視点です。国内工房での製造・フェアトレード認証・現地雇用の創出など、「誰が・どのような環境で作ったか」を開示しているブランドは信頼性が高くなります。THE BARISの南アフリカ製品が示すように、購買が遠く離れた地域の雇用や生活支援につながることもあります。

視点3|使用期間と修理の可能性

価格だけでなく、修理サービスの有無・パーツ補修の可否・ケア情報の充実度を購入前に確認しましょう。5年・10年と使い続けられる財布は、結果的に廃棄物を少なくし、購入コストの面でも長期的に合理的な選択になります。

フェアトレードや調達の透明性という観点をさらに深めたい方はこちらもどうぞ。

まとめ|財布1つから始まるサステナブルな暮らし

サステナブルな財布の選択肢は、パイナップルの葉・サボテン・りんごの搾りかすといった農業副産物、廃棄されたビニール傘・トラックの幌・革の端材などのアップサイクル素材、そして職人の手で修理しながら長く使う本革製品まで、多岐にわたります。どれが「正解」という話ではなく、自分のライフスタイルや価値観に合わせて選ぶことが大切です。

購入前に「この素材は何からできているか」「誰が作ったか」「修理して長く使えるか」という3つの問いを立てるだけで、財布との向き合い方が変わります。

  • 植物由来レザー(パイナップル・サボテン・りんご)は農業廃棄物を資源化した素材
  • アップサイクル財布(ビニール傘・トラックタープ・革端材)は廃棄物削減と個性を両立する
  • 素材の透明性・製造環境・修理対応の3軸でブランドを比較すると、グリーンウォッシングを見極めやすい
  • 長く使える設計+ケア・修理サービスも、新素材の開発と同等以上のサステナビリティ効果がある
  • 購入の際は「素材の由来」「製造背景」「使用期間」の3点を事前に確認する習慣を

まず1つ、今使っている財布の素材や製造元を調べてみることから始めてみてください。

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