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サステナ投資信託の選び方|グリーンウォッシュを見抜く3つのチェックポイント

Photo by Avel Chuklanov on Unsplash

NGOでキャンペーン設計の仕事をしていると、「投資も社会課題の解決に使えるはずだ」という相談を受けることがよくあります。実際、自分自身の少額投資でも「サステナ」「ESG」と名のつく投資信託を何本か目論見書ごと読み比べてみたことがあります。結論から言うと、同じ「サステナ投資信託」という括りでも中身はかなり幅があり、名称だけで判断すると期待していた運用方針と違っていた、という経験もしました。この記事では、その実感をもとに選ぶときに見るべきポイントを整理します。

サステナ投資信託という言葉が指すものは一つではない

サステナ投資信託とは、環境(E)・社会(S)・企業統治(G)への配慮を投資判断に組み込んだ投資信託の総称として使われることが多い言葉です。ただし法律上の統一定義があるわけではなく、運用会社ごとに「サステナブル」「ESG」「グリーン」といった呼び方も基準もばらばらなのが実情です。除外する業種を決めるだけの商品もあれば、企業への対話(エンゲージメント)まで踏み込む商品もあり、名称の響きだけでは中身を判断できません。

実際に目論見書を読み比べて分かった3つのチェックポイント

複数の運用会社が公表している目論見書やESGレポートを手元で読み比べてみると、良し悪しの前に「どこを見れば商品ごとの違いが分かるか」が見えてきます。以下の3つは、実際に自分で確認して役に立った視点です。

投資方針が「除外」なのか「選定」なのか

目論見書の「運用方針」の欄には、たばこや武器製造など特定業種を投資対象から外す「ネガティブスクリーニング」なのか、ESG評価が高い企業を積極的に組み入れる「ポジティブスクリーニング」なのかが書かれています。前者は既存の指数構成銘柄からごく一部を除いただけの場合もあり、期待していたほど中身が変わらないと感じたこともありました。どちらの手法かによって、実質的に何が変わるのかは大きく異なります。

信託報酬とベンチマークとの近さ

サステナ系の投資信託は、通常のインデックスファンドより信託報酬(運用管理費用)が高めに設定されていることが少なくありません。ところが実際の組入銘柄を確認すると、一般的な株価指数とかなり似た構成になっている商品もあります。コストに見合うだけの独自の運用がなされているかは、目論見書の「投資対象」や月次レポートの上位組入銘柄を見ることで、ある程度確認できます。

第三者の評価指数や外部認証を使っているか

運用会社が独自基準だけでESG評価をしている商品と、MSCIやFTSEなど外部機関のESG指数に連動している商品とでは、評価プロセスの透明性が違います。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2017年度から国内株式運用の一部にESG指数を採用しており、選定した指数の考え方を公式サイトで公開しています。個人向けの投資信託を選ぶ際も、どの指数や評価機関を参照しているかは目論見書や運用報告書に明記されているため、確認しておく価値があります。

グリーンウォッシュと呼ばれる問題をどう見分けるか

ESGやSDGsを冠した投資信託が増える中、名称と運用実態が伴っていない「グリーンウォッシュ」への懸念は金融当局からも指摘されてきました。金融庁のサステナブルファイナンス有識者会議では、ESGを掲げる投資信託の情報開示のあり方が繰り返し議題になってきたと報告されています。読者としてできる備えは、運用会社が「なぜこの銘柄を選んだか」を具体的に説明しているかどうかを確認することです。抽象的なスローガンだけで、選定基準や除外基準が数値や業種名で示されていない場合は、慎重に見た方がよいというのが実際に複数の目論見書を見比べてきた印象です。

運用会社によってアプローチの重心が違う

国内の運用会社を見渡すと、ESGへの向き合い方にはいくつかの傾向があります。伝統的な資産運用会社は既存の指数から一部業種を除くネガティブスクリーニングを軸にする商品を多く抱えています。一方で、再生可能エネルギーや水資源など特定テーマに絞り込んだテーマ型ファンドを展開する会社もあれば、投資先企業に議決権行使や対話を通じて働きかけるエンゲージメント重視の姿勢を前面に出す会社もあります。どれが優れているというより、自分がどの段階の関与を重視したいかによって向き不向きが変わってくる、というのが実感です。

企業がSDGsや環境課題にどう向き合っているのか、具体的な事例を知っておくと、投資信託の目論見書に書かれた運用方針を評価するときの手がかりになります。

今日からできる1つの行動

いきなり複数の目論見書を読み比べるのは骨が折れます。まずは今すでに持っている、あるいは気になっている投資信託を1本選び、運用会社のサイトから目論見書または月次の運用報告書をダウンロードして「投資方針」のページだけ読んでみてください。ネガティブスクリーニングかポジティブスクリーニングか、外部の指数や評価機関の名前が出てくるかどうか、その2点を確認するだけでも、名称だけでは見えなかった運用の実態が少し具体的に見えてきます。

まとめ

サステナ投資信託は名称の響きだけで判断せず、目論見書に書かれた投資方針とコストのバランスを自分の目で確かめることが大切だと感じています。最後に、選ぶ前に確認しておきたいポイントを整理します。

  • ネガティブスクリーニングかポジティブスクリーニングか、除外・選定の基準が具体的に書かれているか確認する
  • 信託報酬に見合う独自の組入銘柄になっているか、月次レポートの上位銘柄を見て確かめる
  • 外部のESG指数や評価機関を参照しているか、目論見書の記載を確認する

本記事はMIRASUS編集チームが公的資料・企業公式情報をもとに作成しています。

参考文献

  • 金融庁「サステナブルファイナンス」関連ページ(https://www.fsa.go.jp/)
  • 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)公式サイト(https://www.gpif.go.jp/)
  • 一般社団法人投資信託協会 公式サイト(https://www.toushin.or.jp/)

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