水まわりなどの住宅設備機器メーカーとして、トイレやバスルーム、システムキッチン、洗面化粧台など幅広く扱っているTOTO株式会社(以下、TOTO)。
「きれいで快適・健康な暮らし」の実現を目指し、カーボンニュートラルで持続可能な社会の実現を見据え、サステナビリティ経営に取り組むことでSDGsにも貢献しています。
今回は、持続可能な社会の実現に貢献するTOTOの取り組みについてご紹介します。
TOTOの環境保全に対する4つの取り組み
新共通価値創造戦略「TOTO WILL2030」を通じて持続可能な社会の実現を目指し、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」にも貢献するTOTO。
2004年には「CSR委員会」およびCSR専任部署を設置してCSR活動を開始し、2023年度には「CSR委員会」から「サステナビリティ委員会」に変更し、サステナビリティ経営を推進しています。
TOTOグループ企業理念の実現に向けたマテリアリティ(企業の重要課題)の3つのテーマのうち「環境」では、目指す姿として「限りある水資源を守り、未来へつなぐ」「地球との共生へ、温暖化対策に取り組む」「地域社会とともに、持続的発展を目指す」を設定し、事業活動を通じ「環境」を守ることでSDGsに貢献しています。
TOTOグループ全体で、水資源の保護、地球温暖化対策、地域社会への貢献など、環境保全に積極的に取り組んでおり、具体的には以下4つの取り組みを行っています。
- 節水商品の開発・普及
- 再生可能エネルギーの導入
- 事業所の省エネ化
- 地域の環境保全に向けた取り組み
それでは、順番にご紹介していきましょう。
節水商品の開発・普及
水まわりメーカーとしてさまざまな商品を続々と展開するTOTO。水資源の保護のために、節水商品の開発・普及に努めています。
2005年当時に発売された商品を普及し続けた場合と比べ、節水商品の普及による2022年度の水消費削減量はなんと9.5億㎥にも及びます。
例えば、トイレの節水性能を向上させ、1976年には大洗浄の水量が1回13Lであったところを2012年には3.8Lにまで削減。海外でも同様の便器を発売しており、日本のみならず世界各地で水資源の保護に貢献しています。
また、お湯を使うため多くのエネルギーを消費する浴室の節水性能も進化させ、「コンフォートウエーブシャワー」などの節水シャワーの開発を進めています。海外ではシャワー浴の文化や地域ごとの特性に応じて、さまざまなバリエーションを展開。マテリアリティの「きれいと快適」と「環境」を両立する商品を「サステナブルプロダクツ」と定義し、グローバルで普及させることで地球環境に配慮した、豊かで快適な生活文化を創造しています。
再生可能エネルギーの導入
TOTOは2040年までに全世界のTOTOグループにおける使用電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指し、国際的イニシアチブ「RE100」に加盟しています。
工場へは太陽光発電設備の設置などを進め、2022年度の施策によるCO2削減量は8.9万t。
グローバルの各拠点においても地域特性に応じたさらなる再生可能エネルギー電力の導入を拡大。TOTO USA モロー工場などでは再生エネルギー電力100%を達成しているほか、東陶機器(北京)有限公司やTOTOマレーシアには太陽光発電設備を設置しています。
国内・海外の工場で、エネルギー管理システムの導入も進められています。
事業所の省エネ化
2022年度におけるTOTO事業所からのCO2総排出量は26.7万t。2018年度と比べると9.0万tの削減に成功しています。様々な省エネ施策により、さらにCO2削減を進め、2023年度にはCO2総排出量が25.9万t以下になるよう目指しています。
事業活動で消費する燃料は、CO2排出の少ないものや電気への転換を推進。南京東陶有限公司では、鋳造工程の溶解設備を従来のキュポラから電気炉に変更。エネルギー効率の改善や生産時のCO2排出量削減に大きく寄与しました。その他にも空調設備の電化や新設工場における食堂厨房の電化なども進められています。
最近では2022年に北九州の本社・小倉第一工場にて、CO2排出量を従来の40%削減するファイバー窯への入れ替えを行いました。実に50年ぶりの窯の更新で、事業所からのCO2排出量削減に貢献しています。
事業所では、建屋断熱(屋根断熱、壁断熱、複層ガラスの採用)の強化や導入、高効率な空調機や全熱交換機の採用、照明のLED化などを行い、CO2排出削減に尽力。エネルギー消費量の削減に貢献しています。
地域の環境保全に向けた取り組み
地域社会の課題解決や持続的な発展に貢献しているTOTO。地域の環境保全活動への支援や協力など様々な活動に取り組んでいます。
2005年には「TOTO水環境基金」を設立し、水にかかわる環境活動に取り組む団体への支援を続けており、設立から現在に至るまで、国内42都道府県及び海外17カ国で活動する、のべ305団体に4億4,000万円を超える助成を実施してきています。
また、助成によって活動を後押しするだけでなく、最寄りの事業所のグループ社員が中心となって積極的にボランティア活動に参加する「協働」にも力を入れています。
福岡県博多湾では、CO2吸収に注目されているアマモ場の再生・造成活動に、一般市民とともに社員も参加しました。藻場の再生活動のほか、海岸清掃や参加した子どもたち向けに藻場海域に生息するタツノオトシゴやカワハギなどの観測会も開催されました。
フィリピンでは地域の自立を目指したごみ分別や有機ごみの堆肥化など、現地住民主体のごみ管理の活動を支援。活動地の近隣の村でもセミナーを開催するなど活動の輪が広がっています。
そのほかにも各事業所で地域清掃のボランティア活動を行い、快適な街づくりにも貢献しています。清掃活動は取組みやすいというだけでなく、海洋ごみの約8割の原因となっている陸地のごみを取り除くことで、河川を通じてごみが海へ流入することを未然に防ぐことにつながっており、広く地球環境の保全につながる活動です。
この活動は海外の事業所でも実施され、世界中のTOTOグループ社員が清掃ボランティアに取組んでいます。
まとめ
創立者である大倉和親氏の「健康で文化的な生活を提供したい」という強い信念のもと、衛生陶器の製造を始めたTOTO。現在もその志は受け継がれており、事業活動がSDGsにつながっています。
「環境」と「きれいと快適」を両立したサステナブルプロダクツを中心に、さまざまな事業活動を通じてSDGsへ貢献していくTOTOの今後の発展に注目です。
また、SDGsへの取り組みを動画でも紹介していますので、ぜひこちらをご覧ください。
動画リンク:https://jp.toto.com/company/csr/csractivity/sdgs_movie/
▼ TOTO株式会社 ホームページ
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▼ TOTO株式会社 サステナビリティに関するページ
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