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SDGs×地方創生|持続可能な地域づくりとは何か、最新動向からわかりやすく解説

地方創生はSDGsと深いところでつながっている

「このままでは地方が消える」。そう言われ続けて10年以上が経ちました。人口減少・少子高齢化・東京一極集中——この三重苦に直面する日本の地方が、SDGs(持続可能な開発目標)を軸に変わろうとしています。2025年6月には政府が「地方創生2.0基本構想」を閣議決定し、地方政策は新フェーズへと移行しました。SDGsと地方創生の関係を、最新の動向とともにわかりやすく解説します。

深刻化する人口減少|地方創生が必要とされる背景

総務省が2025年4月14日に公表した人口推計によると、2024年10月1日時点の日本の総人口は1億2380万2千人で、前年に比べ55万人(-0.44%)の減少となり、14年連続で減少しています。
厚生労働省の推計では、2070年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は39%の水準になるとされています。

こうした状況の中で、地方から都市部、とくに東京への人口流出が長年にわたって続いており、地方経済の縮小と担い手不足が深刻化しています。

この問題に対応するため、国は2014年11月に「まち・ひと・しごと創生法」を制定しました。
急速な人口減少・少子高齢社会の進展に的確に対応し、東京圏への人口の過度な集中を是正することで、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくことを目的としています。

地方創生2.0へ|2025年に新フェーズへ移行

2014年の「まち・ひと・しごと創生法」施行から始まった地方創生は、各自治体の取り組みを通じて一定の成果を上げてきました。しかし、人口減少や地域経済の課題は依然として深刻なままです。2025年6月には、これまでの成果と課題を踏まえた「地方創生2.0」が閣議決定され、より実効性の高い政策への転換が進んでいます。
地方創生1.0(第1期)の反省点として、好事例が生まれたものの「普遍化」には至らず、人口減少や東京圏への一極集中の流れを変えるには不十分だったことが挙げられています。
地方創生2.0では、「人口規模が縮小しても経済成長し、社会を機能させる適応策を講じていく」方針が示されており、「若者・女性にも選ばれる地方(楽しい地方)」づくりを主眼に置いています。

SDGsが地方創生の羅針盤になる理由

SDGsは2015年9月に国連総会で採択された、2030年を期限とする17の目標と169のターゲットからなる国際的な行動指針です。

地方創生とSDGsが深く結びつく理由の一つが、SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」 の存在です。この目標には、安全で持続可能な交通手段の整備、参加型の都市計画、文化遺産・自然遺産の保護、災害リスクの低減、環境負荷の軽減、緑地・公共スペースの確保など、地域社会が抱える課題が網羅的に盛り込まれています。

高齢化が進む日本の地方が直面する「移動手段の確保」「防災まちづくり」「コミュニティの維持」といった課題は、まさにこの目標11が対象とする内容です。SDGsの目標を指針として活用することで、地域の取り組みが国際的な文脈とつながり、外部との連携や資金調達にも弾みがつくとされています。

SDGs未来都市とは何か|2018年から始まった国の選定制度

政府は2015年のSDGs採択後、地方自治体に対してSDGsの手法を地方創生に取り入れることを促してきました。その核となる取り組みが「SDGs未来都市」の選定制度です。

SDGs未来都市とは、
SDGsの理念に沿って持続可能な開発を実現しつつ、経済・社会・環境の3つの側面から新たな価値を創出する取り組みを推進しようとする都市・地域の中から、特に優れた取り組みを提案する自治体として政府から選定される都市・地域を指します。
2018年度に29都市、2019年度に31都市、2020年度に33都市、2021年度に31都市、2022年度に30都市、2023年度に28都市、2024年度に24都市、2025年度に9都市と、合計215都市がこれまでにSDGs未来都市に選ばれています。
2025年度は、令和7年6月23日に発表された9都市(岩手県遠野市、東京都西東京市、新潟県小千谷市、長野県箕輪町、静岡県三島市・小山町、大分県日出町、宮崎県高鍋町、鹿児島県志布志市)が選定されています。

選定にあたっては、経済・社会・環境の三側面でこれまでとは異なる新しい価値を創り出しているかどうか、そしてその取り組みが持続可能な開発へとつながっているかどうかが審査の重点となります。

自治体SDGsモデル事業|先進事例を全国・世界へ

SDGs未来都市のなかでも、とくに先導的な取り組みに対して与えられるのが「自治体SDGsモデル事業」の認定です。

自治体SDGsモデル事業には、多様なステークホルダーとの連携を通じて地域における「自律的好循環」の形成が見込める事例が選ばれます。毎年10自治体程度が選定され、国から計画の早期実装のための補助金(総額2億円)が支給されます。
2025年度時点での累計は、SDGs未来都市が215都市(216自治体)、自治体SDGsモデル事業が70都市に達しています。

選定された自治体の成功事例は、国内だけでなく国際的にも発信されます。企業やNGOなど多様な主体との連携が不可欠とされており、自治体単独では実現しにくい取り組みをパートナーシップで実現する点も重視されています。

具体的な取り組み事例

SDGs未来都市の取り組みは、各地域の特色や課題を反映して多彩です。

北海道ニセコ町(2018年度選定)は、観光業を中心とした地域経済の循環や、安心して住み続けられる地域コミュニティの形成に取り組んでいるとされています。岡山県真庭市(2018年度選定)は、木質バイオマス発電を活用しながら環境に配慮した経済活動と人材育成を両立させているとされています。いずれも、環境・経済・社会の三側面を統合的に前進させようとする姿勢が評価されています。

自治体の規模を問わず全国各地で選定が行われており、都道府県・政令市から小規模の町・村まで、それぞれの地域に合ったアプローチでSDGsと地方創生を結びつけています。

SDGs×地方創生の可能性と課題

地方創生2.0が掲げる「人口が縮小しても機能する社会」というビジョンは、SDGsの「誰一人取り残さない」という理念と方向性を共にしています。一方で、
好事例が「普遍化」しないという課題も明確に指摘されており、自治体間の横のつながりや、若者・女性を含む多様なステークホルダーの参加が今後の鍵とされています。

SDGsは2030年を達成期限としており、残り5年を切った今、地方創生との連携はいっそう重要な局面を迎えています。

あなたにできること|地域のSDGsに関わる第一歩

SDGs未来都市の取り組みは、自治体と行政だけで進めるものではありません。住民・企業・NPO・学生など、地域に関わるすべての人が当事者です。

まず自分の住む自治体がSDGs未来都市に選定されているかを確認してみましょう。内閣府地方創生推進事務局の公式サイトでは、2018年度から2025年度の全選定都市の一覧と各自治体の計画書が公開されています。地域のイベントや審議会への参加、地元企業のSDGs活動への参加など、小さな行動の積み重ねが持続可能な地域づくりの土台となります。

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