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気候変動に具体的な対策を

永久凍土が溶ける原因とは?解決のための対策もあわせて解説!

WMO(世界気象機関)は、2020年にロシア極東で記録された気温38度を、北極圏における観測史上最高気温と正式に認定しています。
これは、近年警鐘が鳴らされ続けている地球温暖化がもたらしている事態といえるでしょう。

こうした気温上昇は、シベリアなどにある永久凍土にも深刻な影響を与えます。
永久凍土が溶けることによる地球の危機的状況は計り知れません。

こちらの記事では、永久凍土が溶ける原因や対策について解説していきます。

参照元:WMO recognizes new Arctic temperature record of 38⁰C|WMO

永久凍土とは

永久凍土とは

2シーズン以上凍結した状態のまま維持している地盤や土壌を永久凍土といいます。
永久凍土があるエリアは、基本的に4パターンに分類され、どこにでも永久凍土があるエリアが連続的永久凍土帯です。

一方、一部のエリアを除いて永久凍土がある地域を不連続的永久凍土帯、条件が限定されるエリアに永久凍土がある地域を点在的永久凍土帯といいます。
そのほか、孤立的永久凍土帯と呼ばれるエリアもあり、北極圏を中心とした地域や南極大陸に広く分布しているのが特徴です。

日本では、富士山の山頂や北海道の大雪山でも永久凍土が見られます

永久凍土が溶ける理由

永久凍土が溶ける理由

従来、溶けにくいとされてきた永久凍土が、近年は続々と溶け始めています。

永久凍土が溶けるのには、地球温暖化が大きく影響しており、いわゆる凍土融解という現象です。
通常、年間の平均気温がマイナス5℃を保っているエリアであれば、永久凍土が溶ける事はありません。

しかし、近年はアラスカなどの永久凍土があるエリアにて、平均気温の上昇が続いています。
アメリカ海洋大気局によると、2019年から過去10年の間に、平均2520億トンの氷が解けているといった報告がありました。
この数字は、1990年代の7倍に当たる量です。

参照元:アメリカ海洋大気局

永久凍土が溶けた後に起こること

永久凍土が溶けた後に起こること

凍土融解は、単に氷が溶け出すだけの問題ではありません。
永久凍土が溶けると、様々な影響をもたらします。

続いては、永久凍土が融けた後に起こる現象について紐解いていきましょう。

温暖化が進む

永久凍土は、約2万年前に発生した氷期の時代から凍っていると考えられています。
そのため、長期間にわたって蓄積された大量のメタンや二酸化炭素などが閉じ込められている状態です。
凍土融解が起こると、これらの物質が分解され待機中に放出されます。

温暖化は、永久凍土を溶かす一つの要因です。
放出されたメタンや二酸化炭素は、ますます温暖化を進めることになります。

未知のウイルスが拡散される

温暖化の加速と合わせて懸念されているのが、未知のウイルスです。
永久凍土の中には、現代には見られないウイルスが眠っていると考えられています。

実際、2014年にはフランスにあるエクス・マルセイユ大学のウイルス研究チームが、北極の永久凍土のサンプルから「モリウイルス」というウイルスを発見し、PNAS(米国化学アカデミー紀要)に発表しました。

幸いにも、モリウイルスは人体に影響を与えるものではありませんでしたが、この先、永久凍土のなかから未知のウイルスが拡散される可能性は大いにあるでしょう。

参照元:PNAS

地盤沈下が起こる

凍土融解が原因と思われる地盤沈下や構造物の変形、破損は、近年顕在化しつつあります。

2020年5月29日、北極海に近い西シベリアのノリリスクという都市で、発電所用のディーゼル燃料タンクが突如崩壊する事故が起こりました。
この事故で2万トンあまりのディーゼル油が周辺河川に流れ揉み、自然環境にも大きな影響を与えたといいます。

2020年、ノリリスク周辺の気温は平年よりも高い時期が続き、東シベリアにあるベルホヤンスクでは、同年6月に38度という北極圏における観測史上最高気温となりました。
序盤でお伝えした通り、この気温は、WMO(世界気象機関)でも認定された記録です。

こうした気温上昇により溶け出した永久凍土が地下水として流出し、地盤の強度を下げています

参照元:WMO

永久凍土が溶けるメカニズム

永久凍土が溶けるメカニズム

人類の営みによって起こる地球温暖化は、深刻な融解凍土を発生させています。
実は、永久凍土が融けるメカニズムは、「ゆっくりとした融解」と「急激な融解」の2パターンです。

気温が上昇すると、地表付近の土壌温度が上がります。
通常、永久凍土は、夏季も凍ったままです。

しかし、土壌温度の上昇により少しずつ融解する現象を「ゆっくりとした融解」といいます。
夏季に地表付近の温度が0℃より高くなる層を活動層といいますが、ゆっくりとした融解により、活動層の幅は徐々に厚くなっているのが現状です。

一方、斜面が崩壊し、地表面の状態が著しく変化することを「急激な融解」といいます。

永久凍土の未来

永久凍土の未来

アメリカの国立大気研究センターが試算したところによると、2100年の段階で地表から3mの深度にある永久凍土のうち、約90%が融解すると予測されました。

そもそも、永久凍土は地中数100mに渡って存在するため、全てが溶け出すわけではありません。
しかし、こうした状況が実際に起これば、それだけメタンガスや二酸化炭素が発生します。
結果的に温暖化がさらに加速し、地盤沈下による建物や道路の崩壊も心配されるでしょう。

さらには、永久凍土があるエリアの生態系にも多大な影響があるとみられています。

凍土融解への対策として私たちができること

凍土融解への対策として私たちができること

永久凍土の融解を食い止めるには、地球温暖化の防止策を含む様々な対策が必要です。

特に、永久凍土は分布域が広く、直接的に対策を施すことが難しいといわれています。
そうした中で私たちができる行動は、包括的な気候変動への対策でしょう。

凍土融解を食い止めることにつながる気候変動への対策として私たちができることを解説します。

自宅でできる省エネの実施

地球温暖化を防止するために欠かせないのが省エネです。
限りある資源を大切に使うために、一人一人の小さな行動が、大きな結果を生み出すでしょう。

例えば、エアコンの温度設定を意識したり、使わない家電のコンセントを抜くなど、自宅でも省エネ活動はできます。

なるべく公共交通機関を利用する

温暖化の大きな要因として排ガスがあります。
自動車の普及は人々に便利な生活をもたらしましたが、その一方で地球温暖化を加速させ、結果的には永久凍土の融解へとつながりました。

そこで、活用したいのが公共交通機関です。
電車やバスを利用すれば、一度に大勢の人が移動できます。
そのため、一人当たりの温室効果ガスの排出量は少なくなるでしょう。

また、最近は、排ガスが発生しない電気自動車なども浸透し始めています。
できるだけクリーンな乗り物を利用するように心がけましょう

マイバックを利用する

レジ袋はプラスチックごみとして大量に排出され、焼却時には温室効果ガスに変わります。

近年、スーパーやコンビニなどで使われるレジ袋が有料化となり、マイバックを持参する人が増え、少しずつ社会が変わりつつあるでしょう。
この先も、できるだけ簡易な包装で、ゴミを減らしていく方向に意識を持っていくことをおすすめします。

まとめ

まとめ

日本では、永久凍土の存在が身近ではないため、リアリティを持って融解凍土の深刻さを感じられません。

しかし、我々日本人の生活も、大いに永久凍土が溶け出す原因となっています。
すぐにでも対策をしないと、現代人が知り得ない事態が巻き起こる可能性も否めません。

こうした事態が起こらないためには、一人ひとりが温暖化に対してしっかりとした意識を持ち、小さな行動からでも対策をしていくことが大切です。

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