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マルシェで地産地消を実践する選び方|失敗しない5つの見極めポイント

Photo by Konstantin Dyadyun on Unsplash

週末のマルシェに並ぶ色とりどりの野菜を前に、どれを選べば「地産地消」らしい買い物になるのか迷った経験はないでしょうか。筆者はサステナビリティ報道の取材で企業の非財務開示やESG投資を追いかけていますが、休日は一消費者として近所のマルシェや道の駅をよく覗きます。取材者としての視点と生活者としての視点を行き来していると、意外と「なんとなく地元産っぽいから」で選んでしまい、あとから収穫日も生産者もわからない野菜を持ち帰っていたことに気づく瞬間があります。この記事では、マルシェで地産地消を意識した買い物をするときに、実際に見るべきポイントを整理していきます。

マルシェで「なんとなく地元産」を卒業する

地産地消とは、地域で生産された農林水産物を、その地域内で消費する取り組みを指す言葉です。農林水産省は、生産者と消費者の距離を縮め、地域の農業や漁業を支える施策の一つとして地産地消を推進してきたとされています。マルシェはフランス語で「市場」を意味し、日本では生産者が直接野菜や果物を並べて販売する定期市やイベント形式の販売の場を指すことが多くなっています。ただし、マルシェに並んでいるからといって、すべての商品が地元産とは限りません。仕入れた他県産の野菜を混ぜて販売しているケースもあり、筆者自身、表示を確認せずに買って帰ったあとで産地が思っていた場所と違ったという経験をしたことがあります。地産地消らしい買い物をするには、雰囲気だけで判断せず、いくつかの表示や特徴をチェックする必要があります。

地産地消の野菜を選ぶときにチェックしたい5つのポイント

マルシェの棚は情報量が多く、初めて訪れると何を基準に選べばいいのか戸惑いがちです。取材のかたわらいくつかのマルシェを回った経験から、見落とされやすいポイントを5つに整理しました。

収穫日や「朝どり」の表示を確認する

鮮度を判断する最もわかりやすい手がかりは、収穫日の表示です。「本日朝どり」「〇月〇日収穫」といった記載があれば、流通に時間がかかっていない証拠になります。表示がない場合は、遠慮せず生産者に直接尋ねてみるとよいでしょう。実際に聞いてみると、意外と快く教えてくれる生産者が多く、会話のきっかけにもなります。

生産者の名前や顔が見える表示を見る

生産者名や農園名、写真付きのポップが掲示されている場合、地産地消の趣旨に沿った直売である可能性が高くなります。逆に、産地名だけが大きく書かれていて生産者情報がまったくない場合は、仲卸を経由した商品が混ざっていることもあるため、価格や品揃えの傾向とあわせて見極める材料にするとよいでしょう。

「旬」からずれていないかを意識する

地産地消の利点のひとつは、旬の時期に採れたものを新鮮なうちに手に入れられる点にあります。真夏に冬野菜が並んでいるなど、季節感とずれた品目が多いマルシェは、他地域からの仕入れ品を扱っている可能性があります。旬の一覧を大まかに把握しておくと、店頭での判断がしやすくなります。

規格外品や訳あり品も選択肢に入れる

形が不揃いだったり傷があったりする規格外品は、味や栄養に大きな差がないことが多く、価格も抑えられている場合があります。地産地消の実践は「見た目のきれいさ」を優先することではなく、地域で育てられたものを無駄なく消費することにも意味があります。訳あり品のコーナーを避けずに見てみると、思わぬ掘り出し物に出会えることもあります。

価格だけで判断せず、直売の仕組みを理解する

マルシェの野菜がスーパーより高く感じられることもあれば、逆に安く感じられることもあります。これは、中間流通を経ずに生産者が価格を決めていることが理由のひとつです。安いか高いかだけで判断せず、「その価格で誰にどれだけの利益が渡っているのか」という視点を持つと、単なる値段比較とは違う選び方ができるようになります。

道の駅・JA直売所・都市型マルシェ|同じ地産地消でも選び方は変わる

ひとくちにマルシェといっても、開催形態によって性格はかなり異なります。道の駅に併設された直売所は、国土交通省と地域の団体が連携して整備してきた施設で、地元の農家が日常的に出荷する仕組みが根付いている場所が多く見られます。JAが運営するファーマーズマーケットも同様に、地域の生産者組合を通じた出荷が中心です。一方で、都心部で週末だけ開かれる都市型マルシェは、複数の地域から出店者を集めるイベント形式が多く、必ずしも「近隣で採れたもの」だけが並ぶわけではありません。筆者が実際に足を運んで比べてみると、道の駅やJA直売所では生産者名や写真の掲示が徹底されている一方、都市型マルシェではイベントの装飾や雰囲気づくりに力が入っていても、産地表示がやや簡素なケースがあると感じることがありました。これはどちらが優れているという話ではなく、施設の成り立ちが違う以上、地産地消の度合いを確かめる手間も変わってくるという点に注意が必要です。

地産地消は、食の選び方を通じて地域や環境への影響を考える、エシカル消費と呼ばれる考え方の入り口のひとつでもあります。エシカル消費全体の考え方を整理した記事もあわせてご覧ください。

買った後も差がつく|地産地消の恵みを活かす保存と食べ方

せっかく朝どりの新鮮な野菜を選んでも、持ち帰ってからの扱い方次第で鮮度はすぐに落ちてしまいます。葉物野菜は濡らした新聞紙で包んで立てて保存する、根菜類は土を落としすぎずに冷暗所に置くなど、基本的な工夫だけでも日持ちは変わってきます。また、その日のうちに使い切れない分は下茹でして冷凍しておくといった対応も、せっかく地域で育てられた食材を無駄にしない選び方の延長線上にあると言えるでしょう。地産地消は「買うとき」だけでなく「食べ切るとき」まで含めて成立する行動だと捉えると、日々の献立の立て方も少し変わってきます。

まとめ|まずは1つの野菜から生産者に話しかけてみる

マルシェでの地産地消は、表示や陳列の細部に目を向けるだけで、選び方の精度がぐっと上がります。次にマルシェへ足を運ぶ際は、まず1品目だけでよいので、生産者に「いつ収穫したものですか」と聞いてみてください。答えが具体的に返ってくるかどうかは、そのマルシェや商品がどれだけ地産地消を実践しているかを知る手がかりになります。すべての商品で完璧に見極めようとする必要はありません。まず1つだけ試してみてください。

  • 収穫日や「朝どり」表示、生産者名の掲示を確認する
  • 旬からずれた品目が多いマルシェは仕入れ品が混ざっている可能性を疑う
  • 規格外品も選択肢に入れ、価格だけで良し悪しを判断しない
  • 道の駅・JA直売所・都市型マルシェで表示の充実度が異なることを踏まえて見比べる

本記事はMIRASUS編集チームが公的資料・公開情報をもとに作成しています。

参考文献

  • 農林水産省「地産地消の推進」(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gizyutu/tisan_tisyo/)
  • 農林水産省「食料自給率・食料自給力について」(https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/)
  • 道の駅公式ポータルサイト「道の駅とは」(https://www.michi-no-eki.jp/)

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