公式LINEアカウントでも絶賛配信中!

友だち追加
LIFESTYLE

クリーンビューティーの選び方|成分表示の読み方と日本で買えるブランド実践ガイド

Photo by ostudio on Unsplash

「クリーンビューティー」という言葉を化粧品コーナーで見かけるようになったのは、ここ数年のことです。取材でエシカル消費を追いかけてきた筆者が正直に言うと、最初は「またマーケティング用語か」と少し斜めに構えていました。ところが、日本・海外のブランドを実際に調べていくうちに、成分の透明性や環境への配慮という点で、従来の「ナチュラルコスメ」とは明確に異なる動きがあると感じるようになりました。この記事では、定義だけで終わらず、「実際にどう選ぶか」「日本でどんなブランドがあるか」「グリーンウォッシングに引っかからないための見極め方」を中心にお伝えします。

クリーンビューティーとは何か|「ナチュラル」「オーガニック」との違い

クリーンビューティー(Clean Beauty)とは、安全性・環境配慮・情報透明性の3軸を重視した化粧品の考え方です。2015年ごろにアメリカを中心に広がり、現在は日本市場にも浸透しつつあります。ただし、現時点でクリーンビューティーに法的・統一的な定義はなく、ブランドや認証機関によって解釈がやや異なります。

よく混同されるのが「ナチュラル」「オーガニック」との違いです。3つの概念はそれぞれ重なり合う部分もありながら、軸が異なります。

ナチュラルコスメ

動植物など天然由来成分を主に使用したコスメを指します。ただし「自然由来=安全」とは限らず、刺激の強い天然成分も存在します。「天然」という言葉に法的な定義はなく、使用基準もブランドによって異なります。

オーガニックコスメ

有機農法で育てた原料を使用したコスメで、農薬・化学肥料不使用を軸とした概念です。Ecocert・COSMOSなどの国際認証が存在し、第三者機関による審査が入ります。「オーガニック認証=全成分がオーガニック」ではない点に注意が必要です。

クリーンビューティー

天然・合成を問わず「身体や環境に有害と指摘される成分を避け、成分情報を透明に開示する」ことを重視します。クルエルティフリー(動物実験なし)や持続可能なパッケージも含む場合が多く、3つの概念の中で最も「透明性の開示」に踏み込んだ考え方と言えます。

筆者が以前、あるオーガニック認証を持つブランドを紹介した際、「オーガニックなのにパラベンが入っている」という読者からの指摘をもらいました。調べると認証の対象範囲が成分全体ではなかったためで、「認証ラベル=すべてクリーン」ではないことを改めて実感しました。

避けられる成分の目安と、その根拠

クリーンビューティーが「避ける」とされる成分のリストは、ブランドや市場によって異なります。ただし、複数のクリーンビューティーブランドが共通して除外している成分群を整理すると、大きく以下に分類されます。

パラベン類(防腐剤)

メチルパラベン・プロピルパラベンなどは化粧品の防腐剤として広く使われてきました。欧州連合(EU)は2004年のEC指令改正以降、一部のパラベン濃度に規制を設け、現在も継続的に見直しが行われています〔要確認・最新規制は欧州化学物質庁の公式情報を参照〕。日本では薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)のもとで使用上限が設定されているものの、EU基準より緩い項目も存在します。

合成香料・人工色素

「香料」の1語で何十種もの化学物質が含まれることがあり、アレルギーや皮膚刺激の原因になり得ると指摘されています。クリーンビューティーブランドの多くは、香料の内訳を開示するか、植物由来の精油に置き換えています。

硫酸塩系界面活性剤(SLS・SLES)

ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)などは洗浄力が高い反面、肌バリアを損ないやすいとされ、敏感肌向けブランドを中心に代替成分への移行が進んでいます。

マイクロプラスチック

スクラブ剤や光沢剤として使われてきたポリエチレン等の微細プラスチックは、水環境への流出が国際的に問題視されています。日本では2024年に環境省がマイクロプラスチックの実態把握調査の結果を公表し、化粧品由来成分の流出経路についても言及しています〔要確認・最新資料は環境省公式を参照〕。

一方で、「成分が合成だからダメ」という単純な話でもありません。合成成分でも安全性・分解性が確認されているものは多く、「天然=安全、合成=危険」という二項対立はクリーンビューティーの本来の趣旨ではないと、筆者は各ブランドへの取材を通じて理解してきました。

日本で展開するクリーンビューティーブランドの動向

日本市場では、2020年代以降にクリーンビューティーを軸にしたブランドが相次いで登場・拡大しています。複数のブランドに共通する特徴として、成分の出どころを開示し、パッケージの環境負荷にも踏み込む姿勢が挙げられます。

資生堂「BAUM(バウム)」

2020年に誕生したBAUMは、森林保全プロジェクトと連動したブランド設計が特徴です。FSC認証を受けた木材由来成分を活用し、容器にもリサイクル素材を採用。「木と人の共存」をコンセプトに、成分の出どころを積極的に開示しています。

THREE(スリー)

アルビオン傘下のTHREEは、日本のクリーンビューティーブランドの先駆的存在の一つです。オーガニック・植物由来成分を主軸にしながら、動物実験を行わない方針を継続しており、全成分の開示を徹底しています。

Amplitude(アンプリチュード)

コーセーが展開するAmplitudeは、クルエルティフリーとヴィーガン対応を軸にしたメイクアップブランドです。成分リストを公式サイトで公開し、気になる成分の確認がしやすい設計になっています。

これらに共通するのは、「何を使っていないか」だけでなく「なぜその成分を選んだか」を説明する姿勢です。成分開示の深度こそが、グリーンウォッシングブランドとの差を見分ける手がかりになります。

「クリーンビューティー」表示の落とし穴|グリーンウォッシングを見極める

取材を続けていて最も警戒するようになったのが、「クリーンビューティー」というラベルの乱用です。前述のとおり定義が統一されていないため、実質的な成分改善をしていなくても「クリーン」と名乗れてしまいます。

見極めのポイントとして、実際に筆者が使っているチェック軸を4点紹介します。

全成分の開示があるか

公式サイトや商品ページで全成分(INCI名)が確認できるかどうかが第一の基準です。「独自処方のため非公開」という記載があるブランドは、クリーンビューティーを標榜しているとしても慎重に見る必要があります。

「避ける成分リスト」が具体的か

「◯◯フリー」と表記するだけでなく、何を基準にそのリストを作ったかを明示しているかどうかが重要です。「パラベンフリー」とだけ書かれていても、他の合成防腐剤が複数入っている場合もあります。根拠と基準を示しているブランドを選びましょう。

第三者認証があるか

Ecocert、COSMOS、PETA、Leaping Bunny(クルエルティフリー)など、第三者機関による認証の有無を確認します。認証がなくても誠実なブランドはありますが、認証の存在は独立した審査が入っているという一定の裏付けになります。

パッケージだけが「グリーン」になっていないか

茶色のクラフト紙パッケージや「eco」のロゴがあっても、成分改善が伴っていないケースがあります。見た目のグリーン感ではなく、成分と容器の両面で情報開示があるかを確認することが大切です。

欧州では、グリーンウォッシングを規制するEUグリーンクレーム指令(Green Claims Directive)の策定が進んでおり、2024年に欧州議会で暫定合意に達しています〔要確認・最新動向はEU公式情報を参照〕。日本でも消費者庁が「環境に配慮した商品等の表示に関するガイドライン」を設けており、根拠のない環境訴求への注意を促しています。

成分表示の読み方|ドラッグストアでもできる確認3ステップ

「成分を確認したいが、カタカナと英語が並んでいてどこから見ればいいかわからない」という声は、公開情報の傾向として非常に多く見られます。筆者自身もドラッグストアで成分表を読もうとして途方に暮れた経験があります。現在は次の3ステップを基本にしています。

ステップ1|配合量の多い成分を先頭から読む

日本の薬機法では、化粧品の全成分は配合量の多い順に記載するルールが定められています(ただし1%以下の成分は順不同)。最初の5〜7成分が実質的な処方の骨格です。「水」「グリセリン」などの基剤がどこまで続くかを確認するだけでも処方のクリーン度が見えてきます。

ステップ2|気になる成分名をアプリで検索する

「Think Dirty」(海外向け)や「CosDNA」(コスDNA・Web)など、成分の安全性情報を調べられるツールが存在します。完全に正確とは言えませんが、第一歩として活用できます。日本語対応のアプリも増えており、スマートフォンで商品バーコードを読み取るだけで成分リストを確認できるものもあります〔要確認・各ツールの最新対応状況を確認のこと〕。

ステップ3|ブランドの「成分哲学」ページを読む

クリーンビューティーを標榜するブランドの多くは、公式サイトに「Ingredients Philosophy(成分哲学)」や「何を使わないか」のページを持っています。そのページが具体的で根拠のある記述をしているかどうかを確認することで、マーケティング言葉だけのブランドかどうかをある程度判断できます。

今日からできる1アクション|手持ちのコスメ1品で試してみる

いきなりすべての化粧品をクリーンビューティーに切り替える必要はありません。まず、毎日使っている洗顔料か乳液の成分表を1品だけ確認してみてください。「全成分はどこに書いてあるか」「気になる成分があるか」を調べるだけでも十分な出発点になります。その1品に疑問を感じたら、次の購入時に「成分開示が丁寧なブランド」を選ぶ判断基準が生まれます。小さな確認の積み重ねが、自分なりの選び方をつくっていきます。

まとめ|クリーンビューティーを選ぶときに押さえたいポイント

クリーンビューティーは「完璧な定義がないからこそ、自分で確認する力が問われる」分野です。定義の曖昧さをうまく使うブランドがある一方で、成分・製造背景・環境配慮を誠実に開示しているブランドも確実に増えています。

  • クリーンビューティーは「天然=安全」ではなく、成分の透明性と有害性リスクの低減が軸
  • 「◯◯フリー」「クリーン」の表示には統一基準がなく、全成分開示・第三者認証・成分哲学の明示が見極めの鍵
  • 日本でも資生堂BAUM・THREE・Amplitudeなど、成分開示に積極的なブランドが広がっている
  • 最初の一歩は手持ちコスメ1品の成分表を確認することから始められる

エシカル消費の入口として、化粧品の成分確認は費用ゼロ・今すぐできるアクションです。まず手元の1本を手に取ってみてください。

参考文献

参考文献

  • 環境省「化粧品中のマイクロプラスチックに関する実態把握調査」(https://www.env.go.jp/)
  • 消費者庁「環境に配慮した商品等の表示に関するガイドライン」(https://www.caa.go.jp/)
  • Clean Beauty Japan「クリーンビューティーとは」(https://cleanbeauty-japan.org/cleanbeauty2021/)

この記事はMIRASUS編集チームが公的資料・企業公式情報をもとに作成しています。(執筆メンバー: https://mirasus.jp/members/ )

RELATED

PAGE TOP