日本の職場では、まだ多くの女性が働きたくても思うように働けず、管理職も男性が大多数を占めています。この現状を変えるために2015年に制定されたのが「女性活躍推進法」です。この法律は、企業や公共機関に対して女性が活躍できる環境を整えることを義務付けています。一体どのような法律で、私たちにどのような影響があるのか、分かりやすく解説します。
女性活躍推進法とは
女性活躍推進法とは、正式には「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」といい、女性の働き方を改革して、関連情報の見える化・活用の推進を目的とした法律です。
2015年8月28日に成立し、一般事業主による行動計画の策定は2016年4月1日から施行されました。また、同法は2025年度末までの10年間の時限立法になっています。
この法律が生まれた背景には、いくつかの課題がありました。
女性が活躍できる社会にするため、就労状況・条件の男女差を解消し、男性の暮らし方や意識改革も進める必要があったからです。例えば、出産や育児で仕事を辞める女性が多く、管理職に占める女性の割合も国際的に見ても低いという問題があったのです。
企業に課せられる4つの義務
女性活躍推進法では、2022年4月に改正され、労働者数101~300人以下の事業主にも行動計画の策定・公表が義務化されています。具体的には以下の4つが求められます。
まず、企業は自社の女性の活躍に関する状況を把握し、課題を分析することが必須です。
事業主は、採用者に占める女性比率、勤続年数の男女差、労働時間の状況、管理職に占める女性比率などを必ず把握し、課題分析を行う必要があります。
次に、これらの課題を改善するために一定の目標数値を定めた行動計画を策定し、労働局に届け出ます。さらに、自社の女性活躍に関する情報公表は、更新時点を明記した上で概ね年1回以上の更新が求められています。最後に、企画や営業職など職業生活と家庭生活の両立支援など、具体的な取り組みを実施することが必要です。
優良企業の認定制度「えるぼし」と「プラチナえるぼし」
女性活躍推進に取り組む企業には、成果に応じた認定制度があります。
一般事業主行動計画の策定・届出を行った事業主のうち、女性の活躍推進に関する状況が優良である事業主は、都道府県労働局への申請により、厚生労働大臣の認定(えるぼし認定)を受けることができます。
さらに、女性活躍推進法の改正により、令和2年6月1日から、「えるぼし認定」を受けた企業のうち、女性の活躍推進に関する取組の実施の状況が特に優良な企業は、特例認定(プラチナえるぼし認定)を受けることができるようになりました。
認定を受けると、厚生労働大臣が定める認定マークを自社の商品や備品、広報活動などに利用でき、認定企業であるとPRできます。認定企業には、公共調達では加点評価されたり、日本政策金融公庫の融資は通常より低い金利が適用されるメリットもあります。
私たちにできることと期待される効果
この法律は企業だけでなく、働く女性自身にも関係があります。女性が職場で公平に評価され、育児や介護をしながらでもキャリアを続けられる環境が整備されることは、社会全体の活力につながります。
求職者の立場からは、厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」で、各企業の女性活躍に関する情報を確認できます。この制度により、企業選びの際に女性が働きやすい環境かどうかを客観的に判断することが可能になりました。
また、既に働いている人にとっては、仕事と家庭の両立は、女性自身の気持ちが大事です。上司に訴えても無駄だと諦めることなく、本人が働きたいという意思を発信できる環境を作ることが大切です。法律があることで、企業に対して改善を促すことができるようになったのです。
まとめ|誰もが輝ける職場を目指して
女性活躍推進法は、単なる企業の義務ではなく、日本全体で女性の力を活かすための仕組みです。出産・育児による離職、管理職の男女差、長時間労働といった課題を、法律という枠組みで解決しようとする取り組みです。企業が真摯に取り組むことで、働く女性の選択肢が増え、日本経済全体にも好影響をもたらすと期待されています。

