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SOCIETY

フードバンクとは?誰でもわかりやすくかんたん解説

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日本の食卓が豊かな一方で、多くの食品が廃棄されていることをご存知ですか。一方で、3食を十分に食べられない家庭も存在します。このギャップを埋める重要な役割を担うのが「フードバンク」です。食品ロス削減と貧困支援という、二つの社会課題に同時に取り組む仕組みについて、わかりやすく解説します。

フードバンクとは

フードバンクは、安全に食べられるのに包装の破損や過剰在庫、印字ミスなどの理由で流通に出すことができない食品を、企業などから寄贈していただき、必要としている施設や団体、困窮世帯に無償で提供する活動のことです。
その仕組みが銀行のようであることからフードバンク(食物銀行)と呼ばれています。
企業や農家、個人から寄贈された食品を「集める」過程と「配る」過程の两段階で成り立っており、食品ロスと貧困問題という、一見すると異なる二つの課題を同時に解決する社会的な活動です。

日本のフードバンク活動の広がり

日本では2000年以降フードバンクが設立され始めました。
元アメリカ海軍の軍人で上智大学留学生のチャールズ・E・マクジルトンが2002年3月に日本初のフードバンク団体を設立し、同年7月に東京都からNPO法人の認証を受けました。
2019年時点で、北海道から沖縄県まで全国110カ所以上でフードバンク活動が行われています。
当初は外資系企業からの寄附が中心でしたが、今では日本国内の多くの企業が参画しており、「もったいない」という文化的な視点からも注目が高まっています。

食品ロスという深刻な課題

フードバンクが存在する背景には、深刻な食品ロスの問題があります。
日本では年間1,700万トンの食品廃棄物が排出されており、このうち安全に食べられるのに廃棄されてしまう「食品ロス」は年間約500~800万トン発生しています。
これは、日本のコメの収穫量(年間約850万トン)に匹敵する量です。

品質や安全性に問題がないのに、包装不備や規格外という理由だけで廃棄される食品が大量にあります。これらの食品をフードバンクを通じて活用することで、環境負荷の軽減につながるのです。

貧困問題への対応

フードバンクのもう一つの重要な役割は、貧困層への食糧支援です。
日本の相対的貧困率は、先進諸国と比べると高い水準にあり、現在7人に1人の子どもが相対的貧困状態といわれています。

一見して豊かな日本でも、3食食べられない家庭が実在します。フードバンクから提供される食品は、子ども食堂が最も多い提供先となっており、これは子どもにまつわる貧困が広く認知されるようになったことに伴い、提供数も年々増えてきたことによるものです。

私たちにできること

フードバンクの活動に参加する方法は複数あります。企業勤務の場合は、勤務先で不要な食品の寄贈プログラムの実施を提案することができます。個人でも、買い込んだものの食べきれない家庭用食品を「フードドライブ」として寄付することができます。
フードドライブは、企業に限らず一般家庭などの個人が食品を提供する活動です。
農林水産省では、食品ロス削減を図る一つの手段として企業による食品寄附の促進を支援しており、全国のフードバンク団体が活動を展開しています。お住まいの地域のフードバンク団体を検索して、支援方法を確認することから始めることができます。

まとめ|「もったいない」を「ありがとう」に

フードバンクは、企業だけでなく個人、環境にも優しい取り組みと言えます。
食べられるのに廃棄される食品と、食べ物に困っている人をつなぐことで、食品ロス削減と貧困支援という二つの課題に同時に取り組む仕組みです。

日本のメディアでも少しずつ紹介されるようになってきたフードバンク活動ですが、まだ十分に認知されているとは言い難い状況にあります。一人一人がフードバンクの役割を理解し、身近な行動として参加することが、より多くの人に食をとどけるための第一歩となるのです。

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