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LIFESTYLE

サステナホテルの選び方|認証マークの見分け方と後悔しない判断基準

Photo by Oles Borys on Unsplash

旅行の予約サイトを開くと「サステナブル」「エコステイ」といったバッジが目に入る機会が増えました。ただ、環境NGOでキャンペーン設計に携わっていた立場から言うと、こうした表示のすべてが同じ基準で付けられているわけではありません。今回は、宿泊先を選ぶときに何を確認すればよいのか、実際に予約サイトを比較しながら気づいたポイントを整理していきます。

「サステナブルホテル」とは、一般的に水やエネルギーの使用量削減、廃棄物の管理、地域社会や生態系への配慮などを運営に取り入れている宿泊施設を指す言葉として使われています。ただし国際的に統一された唯一の定義があるわけではなく、第三者認証を取得している施設もあれば、自己申告のみで「エコ」を掲げている施設も混在しているのが実情です。だからこそ、言葉の響きだけで判断せず、どのような根拠があるのかを見る視点が必要になります。

予約サイトごとに「サステナ」表示の基準はバラバラ

実際に大手旅行予約サイトを何社か横断して比較してみたところ、同じ「サステナブル」という言葉でも、表示の裏付けに差があることに気づきました。第三者認証の取得状況を条件にしているサイトもあれば、施設側が自己申告したチェックリストの回答結果だけでバッジを付与している仕組みのサイトもあります。どちらが優れているという単純な話ではありませんが、バッジの根拠が「外部機関の審査」なのか「施設の自己申告」なのかによって、信頼度の重みは変わってきます。予約前にバッジの説明ページまで一度目を通しておくと、思っていたよりも基準が緩やかだったと気づくこともあります。

見落としがちなポイントとして、バッジの表示が「施設単位」ではなく「客室タイプ単位」だったり、キャンペーン期間限定で表示が変わったりするケースもあります。表示そのものよりも、その裏にある取り組みの中身を確認する癖をつけておくと安心です。

見るべき3つの判断基準

宿泊施設のウェブサイトや予約ページを見るときに、次の3つを確認すると、表示だけでは分からない実態がある程度見えてきます。

第三者認証の有無

自己申告と第三者認証では信頼性の重みが異なります。国際的な物差しとしては、持続可能な観光の基準を策定している国際的な非営利団体Global Sustainable Tourism Council(GSTC)の認証基準や、欧州発祥で世界に広がっている環境認証Green Keyなどがあり、これらは第三者機関による審査を経て付与される仕組みとされています。ホテルの公式サイトに認証ロゴがある場合は、発行団体名と有効期限が明記されているかまで確認すると、形だけの掲載ではないか判断しやすくなります。

数値での開示があるか

「環境に配慮しています」という言葉だけでなく、節水量やアメニティのプラスチック削減率、食品ロスの削減量など、具体的な数値を公開している施設は、取り組みを継続的に測定・管理している可能性が高いといえます。数値の裏付けがない宣言だけの表現は、根拠のない「環境に優しい」という印象だけを与えるグリーンウォッシュに近づくリスクがあるため、数値の有無は重要な判断材料になります。

地域雇用や地域経済への配慮

環境面だけでなく、地元食材の調達や地域住民の雇用、地域の伝統文化の尊重といった社会面の取り組みも、持続可能性の重要な要素です。GSTCの基準においても、環境保全だけでなく地域社会・文化・経済への配慮が評価項目に含まれているとされています。ホテル単体の省エネ設備だけに注目するのではなく、地域とどう関わっているかという視点を持つと、より立体的に施設を評価できます。

グリーンウォッシュを見抜くチェックポイント

キャンペーン設計の仕事をしていた頃、企業の環境訴求を精査する機会が多くありました。そのときの経験から、次のような表現が単独で使われている場合は、少し立ち止まって確認することをおすすめします。

  • 「エコ」「グリーン」といった言葉だけで具体的な施策名が書かれていない
  • タオル・シーツの交換頻度削減など、コスト削減にもなる施策しか挙げられていない
  • 認証ロゴがあるのに発行団体名や取得年が確認できない
  • 環境面の訴求だけで、従業員の労働環境や地域貢献について一切触れられていない

これらに当てはまるからといって、その施設の取り組みがすべて偽りだと決めつけるのは早計です。ただ、複数当てはまる場合は、宿泊予約サイトのレビューや施設の環境報告書など、別の情報源も合わせて確認したほうが実態に近づけます。

日本国内で確認しておきたい動き

日本では観光庁が持続可能な観光地づくりに関する施策を進めており、地域単位でのサステナブルツーリズムの推進が図られていると報告されています。個々のホテルの認証取得はまだ発展途上の段階にある施設も多く、海外に比べると第三者認証を取得した宿泊施設の数はそれほど多くないのが現状です。だからこそ、認証の有無だけで一律に判断するのではなく、施設の公式サイトや宿泊予約時の説明文をこまめに確認する姿勢が、日本国内で宿を選ぶ際にはより重要になってきます。

複数のホテルチェーンが、客室のリネン交換頻度を選べる制度やアメニティの簡易包装化、食品ロス削減の取り組みなどを公表するようになってきている点は、一つの前向きな変化だと感じています。ただしこれも施設によって取り組みの深さに差があるため、個別に確認する手間は依然として必要です。

エシカルな選択という観点では、宿泊先選びも日々の消費行動の延長線上にあります。あわせて日常のエシカル消費についても知っておくと、旅先だけでなく普段の買い物での判断基準にもつながります。

予約前に今日からできる1つの行動

まずは、次に旅行を予約するときに一つだけ試してみてほしいことがあります。予約サイトで「サステナブル」バッジが付いた施設を見つけたら、そのバッジの説明ページをタップして、発行元が第三者機関なのか施設の自己申告なのかを確認してみてください。それだけでも、表示の裏側にある基準の違いが体感できるはずです。

まとめ

サステナブルホテルの選び方は、バッジや言葉の響きだけで判断せず、認証の裏付け・数値開示・地域への配慮という3つの視点を組み合わせて確認することが大切です。完璧な施設を探すことよりも、根拠を確認する習慣を持つことのほうが、結果的に納得感のある宿選びにつながります。

  • バッジの発行元が第三者認証か自己申告かを確認する
  • 節水量やCO2削減など具体的な数値開示があるかを見る
  • 環境面だけでなく地域雇用・地域文化への配慮も判断材料にする

本記事はMIRASUS編集チームが公的資料・国際機関の公開情報をもとに作成しています。

参考文献

  • Global Sustainable Tourism Council「GSTC Criteria」(https://www.gstcouncil.org/gstc-criteria/)
  • Green Key「About Green Key」(https://www.greenkey.global/)
  • 観光庁「観光による地方創生・サステナブルツーリズム関連情報」(https://www.mlit.go.jp/kankocho/)

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