「リサイクル素材の服」と聞くと、それだけで環境に良い買い物をした気持ちになりがちです。しかし実際には、回収した古着の一部だけを混ぜて「リサイクル」を名乗る商品から、糸に戻して新しい生地をつくる本格的な仕組みまで、中身の幅は決して小さくありません。フェアトレード商品を日常的に選んできた立場から見ても、この分野は表示だけでは判断しづらい領域です。この記事では、リサイクル服ブランドを名乗る取り組みの実態と、購入する側が確認しておきたいポイントを整理します。
日本で手放される衣服の行方
環境省はサステナブルファッションに関する取組の中で、国内で家庭から手放される衣服の多くが再利用や資源化に回らず、焼却や埋立で処分されている実態を示しています。手放された衣服のうちリユースやリサイクルに回る割合は限られており、多くが可燃ごみ等として処分されているとされています〔要確認〕。具体的な内訳の数値は年によって公表資料が更新されるため、最新の環境省資料での確認をおすすめしますが、少なくとも「作られた服の多くが資源として循環していない」という構造そのものは、繰り返し指摘されてきた課題です。
この背景には、衣類が綿・ポリエステル・ナイロンなど複数素材を混紡していることが多く、単一素材に分離してから再生する工程がコストと技術の両面でハードルになっている事情があります。「リサイクル服ブランド」という言葉が広がった一方で、その中身への理解が追いついていないのが現状だと感じます。
リサイクル服ブランドとひとことで言っても中身は幅広い
リサイクル服ブランドとは、回収した衣類や製造工程で出る端材を原料の一部として使い、新しい製品をつくる事業者を指すことが一般的です。ただし「原料の何パーセントが実際に再生素材か」「回収した服がそのまま再生素材になるのか、それとも一部を混ぜているだけなのか」によって、環境負荷の削減効果は大きく変わります。ここから先は、この違いを踏まえたうえで、国内外の代表的な取り組みの傾向と、購入者側が確認できるチェックポイントを見ていきます。
国内外で広がる回収とリサイクルの仕組み
海外の大手アパレル各社は、店舗での古着回収と、回収した繊維を新素材に再生する取り組みを進めていると各社が公表しています。回収ボックスを店舗に設置し、持ち込まれた衣類を再資源化やリユースに回すプログラムは、H&Mグループなど複数のグローバルブランドが自社サイトで紹介している取り組みの一つです〔要確認〕。
国内でも、ユニクロが展開する「RE.UNIQLO」のように店頭で衣類を回収し、リユースやリサイクルにつなげる仕組みや、無印良品が古着や古布を回収する取り組みなど、店舗を接点にした回収の枠組みが広がっています〔要確認〕。またアウトドアブランドの一部では、修理サービスを前面に出すことで「捨てずに長く使う」ことをリサイクル以前の選択肢として提示している例もあります。
こうした動きを横断的に見ると、取り組みは大きく三つのパターンに整理できます。一つ目は店頭回収と素材再生を自社内で完結させる「クローズドループ型」、二つ目は回収した繊維を他社や専門業者に渡して再生糸・再生ボードなどに加工する「連携型」、三つ目は再生素材を一定割合だけ配合し新素材と組み合わせる「混合型」です。店頭表示だけではこの三パターンのどれに当たるか判断しにくいため、次の章で紹介する確認ポイントが実践的な手がかりになります。
見極めのために確認したい3つのポイント
認証マークの有無を確認する
再生繊維の含有率や追跡可能性を第三者が確認した証として、GRS(Global Recycled Standard)などの国際認証を取得している製品があります。認証マークがタグや商品ページに明記されているかどうかは、自己申告のみの「リサイクル」表示と区別する手がかりになります。
再生素材の配合率を確認する
「リサイクル素材使用」という表記だけでなく、その配合率が何パーセントなのかを商品ページやタグで確認する習慣をつけると、実態に近い判断がしやすくなります。配合率が非公開の商品は、再生素材の比率がごく少量にとどまっている可能性も考えられます。
回収から再生までの経路が説明されているか確認する
回収した衣類がどこでどのように再生素材に加工されるのか、企業サイトで工程が具体的に説明されているブランドは、それだけ情報開示に力を入れていると捉えられます。逆に「環境に配慮した取り組みです」といった抽象的な表現にとどまる場合は、根拠のある取り組みなのか慎重に見た方がよいでしょう。
編集チームに寄せられる声から見える傾向
読者からの相談や公開されている感想を編集チームで見比べると、リサイクル服を選ぶ際に「回収ボックスに入れた服がその後どうなるのか分からない」という戸惑いの声が一定数見られます。公開情報の傾向として、回収そのものへの参加は増えている一方で、再生後の行方まで追える情報を求める意識も高まっているようです。ブランド選びの際は、回収を呼びかけている表示だけでなく、その先の工程まで説明があるかどうかを基準に加えると、納得感のある選択につながりやすいと感じます。
今日からできる1つのアクション
まずはクローゼットにある服のタグを1枚だけ確認してみてください。素材表示に「リサイクル」「recycled」といった表記があるか、そしてそれがどの程度の割合なのかを見るだけでも、次に服を選ぶときの視点が変わります。すべての服を一度に見直す必要はありません。手元にある1枚から始めることが、表示に流されない選び方への近道です。
まとめ
リサイクル服ブランドは、店頭回収から素材再生まで幅広い取り組みを含む言葉であり、表示だけで環境負荷の大小を判断するのは難しい分野です。認証や配合率、回収経路の説明といった具体的な情報を確認する習慣を持つことで、グリーンウォッシングに惑わされにくい選択ができます。
- 手放された衣服の多くが再資源化されずに処分されている実態が環境省資料等で指摘されている
- リサイクル服ブランドは「クローズドループ型」「連携型」「混合型」など仕組みに幅がある
- 認証マーク・配合率・回収経路の説明を確認することが見極めの手がかりになる
本記事はMIRASUS編集チームが公的資料・企業公式情報をもとに作成しています。
参考文献
- 環境省「サステナブルファッション」関連情報(env.go.jp)
- 経済産業省 繊維産業関連情報(meti.go.jp)
- UNIQLO公式サイト「RE.UNIQLO」(uniqlo.com)


