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SOCIETY

ステークホルダー資本主義とは?誰でもわかりやすくかんたん解説

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ステークホルダー資本主義とは、企業が株主の利益を第一とする従来の「株主資本主義」とは異なり、従業員や取引先、顧客、地域社会といったあらゆるステークホルダーの利益に配慮すべきという考え方です。
簡潔に言えば、企業は利益追求だけでなく、関係するすべての人たちと社会の幸福に配慮しながら経営すべきだということです。

ステークホルダーとは誰のこと?

ステークホルダーという言葉をよく目にしますが、具体的には誰を指すのでしょうか。
ステークホルダーには、「株主」「顧客」「従業員」「取引企業」などの直接的ステークホルダーのみならず、「行政」「地域社会」「環境」といった間接的ステークホルダーも含まれます。
つまり、企業の活動に直接・間接的に関わるすべての立場の人や存在が対象となるのです。

世界が注目するようになったきっかけ

ステークホルダー資本主義が注目されたきっかけは、2019年8月にアメリカの経済団体「ビジネス・ラウンドテーブル」が発表した声明にあります。BRTに所属するトップ企業経営者181名がこの声明へ署名したため、世界的に急速な広がりを見せました。

この声明では、アメリカの大企業が、短期的な利益追求から転換し、すべてのステークホルダーへの貢献を重視する方針へ舵を切ることを宣言しました。
企業の短期的な利益追求が社会格差や環境破壊をもたらしたと指摘し、これからの企業活動は「利益の最大化」と「あらゆるステークホルダーへの価値提供」を両立すべきだと述べました。

その後、2020年1月のダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)において、ステークホルダー資本主義を主題とした「ダボス・マニフェスト2020」が発表されました。

日本にはもともとある考え方

ステークホルダー資本主義は、日本では昔からよく知られた概念です。日本企業は17世紀から19世紀にわたる江戸、明治時代より、複数のステークホルダーと関わることの大切さを理解し、社会のために活動してきました。

日本の伝統的な商人の経営理念である「買い手よし・売り手よし・世間よし」という「三方よし」の考え方が、ステークホルダー資本主義と共通する部分が多いとされています。このため、日本企業にとっては比較的理解しやすい概念かもしれません。

ステークホルダー資本主義が求めること

具体的には、環境破壊の防止や、企業がオフィスを構える地域社会への投資、従業員への公正な賃金の支払い、労働者間の格差の是正、適切な納税などが求められています。

つまり、企業は以下のような責任を果たすことが期待されます。環境への配慮を通じて、気候変動や生物多様性の問題に貢献すること。従業員を大切にし、公正な待遇と働きやすい環境を提供すること。地域社会に還元し、コミュニティーの発展に寄与すること。これらを通じて、長期的で持続可能な価値を創造することです。

日本の「新しい資本主義」との関係

2019年のダボス会議に参加した岸田文雄政権は、2022年1月に「新しい資本主義」という経済政策方針を掲げました。
「市場に任せればすべてうまくいく」という新自由主義の考え方から脱却し、成長と分配の好循環を作るというのが、新しい資本主義の考え方です。
この政策は、ステークホルダー資本主義の理念を日本に適応させたものと言えます。

ステークホルダー資本主義のメリット

ステークホルダー資本主義への取り組みは、格差拡大や自然環境への悪影響といった社会課題の解決につながります。
また、ステークホルダー資本主義に沿った経営によって、従業員が働きやすい環境の構築が可能です。
さらに、企業がステークホルダーと良好な関係を築くことで、長期的な信頼と安定を得られるという利点もあります。

注意すべき点

ステークホルダー資本主義は理想的に見えますが、実際の実行には課題があります。
SDGsやESG投資の考え方が広がっていることも、ステークホルダー資本主義が注目されるようになった背景のひとつと考えられています。
しかし、見た目だけ社会貢献をしているように見せる「グリーンウォッシング」や「社会貢献のポーズ」に陥る企業も存在するため、その取り組みが本当に実質的であるかを見極めることが大切です。

私たちにできることは?

ステークホルダー資本主義の浸透は、企業だけの努力では成り立ちません。私たちが、社会への責任を果たす企業を応援すること。環境や労働環境に配慮した商品やサービスを選ぶこと。企業の情報を注視し、本当の社会貢献なのか判断することなども、個人レベルで貢献できる行動です。

ステークホルダー資本主義は、企業と社会が共に繁栄する新しい経済の形を示しています。急速に変わる世界の課題に対応するため、企業と一個人の両面からの参画が求められています。

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