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食品ロスは464万トン、目標は「60%削減」へ|プラスチック規制も新局面、日本と世界の最新動向

食品ロスは464万トン、目標は「60%削減」へ|プラスチック規制も新局面、日本と世界の最新動向

毎日の食事で気づかないうちに捨ててしまっている食べ物、そして飲み物を買うたびに手にするペットボトル。「食品ロス」と「プラスチック問題」は、私たちの日常と地球環境をつなぐ二つの大きな課題です。日本政府は2025年3月に食品ロス削減の新しい目標を閣議決定し、国際社会ではプラスチック規制の法整備が加速しています。この記事では、両テーマに関する最新の動向をまとめてお伝えします。

日本の食品ロスは年間464万トン|令和5年度の最新推計

環境省が公表した令和5年度の食品ロス量の推計値は、約464万トンとなっています。内訳は家庭から発生する家庭系が約233万トン、食品関連事業者から発生する事業系が約231万トンです。
この数字を国民一人あたりに換算すると、毎日おにぎり1個分(約102グラム)の食品を捨てている計算になります。

食品ロスは単なる「もったいない」問題にとどまりません。廃棄される食品を製造・輸送・廃棄するまでの過程で温室効果ガスが排出されるため、気候変動対策の観点からも削減が急務です。
食品ロスの削減は、循環経済への移行やネットゼロの実現に向けても重要な課題とされています。

2025年3月に閣議決定|事業系の目標を「60%削減」に引き上げ

令和7年(2025年)3月25日に閣議決定された「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」では、家庭系食品ロスについては2000年度比で2030年度までに半減(2030年を待たずに早期達成)、事業系食品ロスについては2000年度比で2030年度までに60%削減することが新たな目標として定められました。

事業系の目標はこれまでの「半減(50%削減)」から「60%削減」へと引き上げられており、食品製造業や外食産業など事業者に対する要求水準がより高まっています。
令和4年度時点で、食品関連事業者の食品ロス量は236万トンとなり、旧来の2030年度までの事業系削減目標(2000年度比半減)を8年前倒しですでに達成していました。
こうした達成実績を踏まえ、政府はさらに踏み込んだ目標を設定した形です。

政府は事業者を対象に、納品期限の緩和や未利用食品のフードバンクへの提供、賞味期限の表示を「年月日」から「年月」にする工夫なども推進しています。未利用食品の提供量の情報開示についても、要請が強まっているとされています。

食べ残し持ち帰り「mottECO」など、現場での取り組みも広がる

政策面での動きと並行して、消費者が直接参加できる取り組みも各地で広がっています。
環境省は、外食時の食べ残しを消費者の自己責任の範囲で持ち帰る行動「mottECO(モッテコ)」や飲食店・小売店等におけるフードシェアリングをはじめとした取り組みを支援するモデル事業を展開しています。

また、自治体レベルでも動きは活発です。
SDGsや食品ロス削減推進法施行の流れを受けて、全国の市区町村では地域の飲食店に「少なめ」「食べ切り」メニューの提供を推奨しており、市区町村の公式サイト内に「食べ切り協力店」などの名称で一覧表示されているケースもあります。

プラスチック規制も新局面|EUで包装規制が段階的に始まる

食品ロスと深く関わるもう一つのテーマが、プラスチックの削減です。特にヨーロッパでは規制が急速に進んでいます。

EUで合意された「PPWR(包装・包装廃棄物規則)」は、すべての包装材に対してリサイクル可能性の義務付けを導入し、2025年に正式発効、2026年から段階的適用が始まるとされています。具体的には、リユース可能な包装材の比率目標、不必要な包装の制限、再生プラスチックの使用率目標などが定められているとされています。

国際条約の動きも注目されています。
国連では2022年から政府間交渉委員会(INC)を設置し、「国際プラスチック条約」の策定に向けた世界各国との協議が進められているとされています。プラスチックの製造・使用・廃棄のライフサイクル全体にわたって規制や対策を講じることが目的とされており、リサイクルだけでなく、プラスチック生産の根本的な削減や再資源化の仕組み強化まで視野に入れています。
これまでにINC-1〜INC-5.1までの政府間交渉会議が開催されましたが、2024年11月に韓国・釜山で行われたINC-5.1では条約の最終草案への合意には至らず、議論は次回に持ち越される形となったとされています。
国際的な合意形成には引き続き難航が予想されますが、各国・地域での法整備は着実に進んでいます。

日本のプラスチック政策|2022年施行の法律を軸に企業・自治体が対応

日本国内においても、2022年4月から「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環促進法)」が施行されています。この法律では「3R+Renewable」を掲げており、廃棄物を減らす(Reduce)、繰り返し利用する(Reuse)、有効利用する(Recycle)という3Rに加え、石油などの枯渇エネルギーから再生可能な(Renewable)エネルギーへの移行を促しています。

企業でも対応が進んでいます。
すかいらーくグループは、プラスチック製ストローを廃止して紙製ストローに変更し、竹割り箸の包装をプラスチックから紙に変更するなどの取り組みを行っており、2050年までに使い捨て石油由来プラスチック使用量をゼロにする目標を掲げているとされています。

また、廃棄物処理に関する情報開示・報告義務の強化についても、プラスチック分野で検討・整備が進んでいるとされています。
企業への情報開示要請は食品ロスと同様に、プラスチック分野でも強まっています。

私たちにできることから始めよう

食品ロスもプラスチックも、大企業や政府だけが解決できる問題ではありません。日々の買い物や食事の場での小さな選択の積み重ねが、大きな変化につながります。

食品ロス対策として取り組みやすいのは、「買いすぎない」「使い切る献立を考える」「賞味期限の近いものから手に取る」といった習慣です。外食の際には、食べ切れる量を注文し、mottECOのような食べ残し持ち帰りサービスを利用することも選択肢のひとつです。

プラスチック削減であれば、マイボトルやエコバッグの持参、詰め替え製品の活用、再生素材を使った商品を選ぶことが身近なアクションとして挙げられます。
再生プラスチックや紙パッケージを使っている商品を選ぶ、水筒を持ち歩いてペットボトルを購入しないなど、私たちがプラスチックの削減を心がけることが大切だとされています。

2030年に向けた目標達成まで、残り4年あまり。政策・企業・個人が三位一体で動くことで、食品ロスもプラスチック廃棄も確実に減らしていけるはずです。

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MIRASUS

MIRASUS編集部。地球と人に優しい未来をつくるサステナビリティな事例をご紹介。誰にでもわかりやすくSDGsに関する情報は発信していきます。

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