株式会社メルカリ
~メルカリの取引によってスマートフォンの平均使用年数が3.1年増加、情報通信機器全体で年間25%のCO2排出量を削減できると試算~
株式会社メルカリ(以下、メルカリ)は環境省「令和4年度デジタル技術を活用した脱炭素型2Rビジネス構築等促進に関する実証・検証委託業務」において実施した「デジタル技術を活用した脱炭素型資源循環ビジネスの効果実証事業」(以下、本実証事業)に基づきフリマアプリ「メルカリ」を通じてスマートフォン、タブレット、PC等の情報通信機器をリユースすることにより見込まれる環境削減貢献量(ポジティブインパクト)を公開いたしましたので、お知らせいたします。
メルカリでは限りある資源が大切に使われる循環型社会の実現を目指し、事業や企業活動を通じてさまざまな取り組み(※1)を実施しています。その一環として、このたび、環境省から委託を受けたみずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社と連携し、メルカリの二次流通データに基づき情報通信機器をリユースすることによって見込まれる環境削減貢献量の算出を行いました。
(※1)メルカリのサステナビリティに関する取り組みの詳細についてはこちらをご覧ください:
https://about.mercari.com/sustainability/
本実証事業の対象としている、スマートフォン、タブレット、PC等の電気製品や電子機器の廃棄物(E-waste)は国連によると2019年には世界全体で5,360万トン発生しており、2030年には7,400万トンに増加することが予想されています(※2)。日本はなかでも世界4位となる年間約257万トンを排出し、1人当たり約20kgもの電気電子機器廃棄物を捨てています。廃棄物を減らすには、製品をリサイクルするだけでなく、修理や中古品の活用を通じて長く使うことも手段の一つです。
(※2) 参照:国連 「The Global E-waste Moniter 2020」
https://collections.unu.edu/eserv/UNU:7737/GEM_2020_def_july1.pdf
■「デジタル技術を活用した脱炭素型2Rビジネスの効果実証事業」の結果
本実証事業において実施したアンケート結果によると、メルカリを活用して情報通信機器をリユースした場合(脱炭素型2Rビジネスシナリオ)(※3)製品の平均使用年数が伸びるとの結果が得られました。それぞれの製品カテゴリーごとの平均使用年数は、スマートフォンは4.5年、タブレットは5.3年、PCは6.6年という結果になりました(※4)。これは、新品のみ使用する場合と比較し、スマートフォンは平均3.1年、タブレットは3.4年、PCは3.8年伸びた年数となります。また、情報通信機器の原料調達・製造段階のCO2排出量の影響は大きく、余剰な製品の製造を抑制できる脱炭素型2Rビジネスシナリオでは約1.6万トンのCO2排出量を回避できることが見込まれます。(※5)これによりベースラインシナリオ(※6)と比べて25%のCO2排出量を削減することが可能です。また、これを通じた廃棄物排出量は31%、資源投入量抑制効果は27%と試算されています。
(※3 ) 使用された製品はメルカリを通じてリユースされた後に廃棄処理される場合
(※4 )メルカリのアンケート結果に基づく
【アンケート概要】
期間 :2023年1月19日~1月25日
対象者:メルカリアプリ上で情報通信機器を出品または購入した方
方法 :メルカリアプリ内調査
回答者数:出品者16,174人、購入者10,699人
(※5 )原単位の一部をLCIデータベース「IDEA v3.1」より引用しライセンス先(みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社)が算定
(※6 )一度使用された製品はリユースされず、廃棄処理される場合
今後もメルカリは、あらゆる人が可能性を発揮できる社会に向けて、事業を通じて環境課題の解決に貢献する「プラネット・ポジティブ」を追求してまいります。
■ご参考:スマートフォン・PC等を「メルカリ」で出品する際の注意点
スマートフォンやPC等を「メルカリ」で出品する際は、必ず初期化し、商品を購入したときの状態に戻してから出品する必要があります。出品する際のポイント・商品が早く売れるためのコツなどは以下をご覧ください。
PCなどの精密機器を出品する場合:https://help.jp.mercari.com/guide/articles/89/
スマートフォンを出品・発送時の注意点:https://help.jp.mercari.com/guide/articles/399/
【メルカリのサステナビリティ戦略】
メルカリは、事業を通じて環境や社会に貢献する「プラネット・ポジティブ」な企業を追求することで、限りある資源が大切に使われる循環型社会の実現を目指しています。
2022年度版のサステナビリティレポートでは、初めてメルカリの事業を通じて生まれた環境に対する削減貢献量(ポジティブインパクト)の算出・開示を行いました。「メルカリ」の中で最も取引量が多い衣類カテゴリーを対象に算出した結果、日米のお客さまが「メルカリ」で衣類(※1)を取引したことによって、2021年は推計約48万トンのCO2の排出を回避できたことがわかりました。また、「メルカリ」に出品されたことで回避できた衣類廃棄量約4.2万トン(※2)は日本で1年間に捨てられる衣類の約8.8%(※3)に相当します。
(※1):2019年4月-2022年3月の3年間におけるメルカリJPとメルカリUSの「レディース」「メンズ」「キッズ」のカテゴリーで取引完了となった中古品を対象商品に設定。メルカリにおいて取引量が最も多く、算出データも揃っていることから、第一弾として「衣類」カテゴリーを対象に算出を実施(監修:東京大学 価値交換工学社会連携研究部門 特任研究員 文多美)。今後、製品カテゴリ別中古品再利用による環境影響の研究を中長期プロジェクトとして継続していく予定。
(※2):2021年4月-2022年3月におけるメルカリJPとメルカリUSの「レディース」「メンズ」「キッズ」カテゴリーで出品完了した商品数より算出。衣類の重量は、経済産業省のデータを参照(出典:経済産業省「繊維産業活性化対策調査」)
(※3):出典:環境省サステナブルファッション( https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/ )