「まだ使えるモノを、次の人へつなぐ」。そんなリユースの楽しさを、小学生が遊びながら体験できるイベント「8月8日リユースの日 〜笑顔をつないで、未来のチカラに。〜」が、2026年8月7日(金)・8日(土)の2日間、アキバ・スクエア(東京都千代田区・秋葉原UDX 2F)で開催されました。
会場には、リユース業界を代表する企業の体験ブースがずらり。パソコンの分解からレコードのクリーニング、ブランドバッグの鑑定まで、子どもたちが「本物」に触れる仕掛けが詰まっていました。MIRASUS編集部も現地を取材し、10社のうち8社のブースで担当者に話を聞いてきました。

会場のアキバ・スクエア入口。後援は環境省・経済産業省
「リユースの日」ってどんな日?
8月8日は「リユースの日」。モノが人から人へと循環し続ける無限(∞)のサイクルを、数字の「8」になぞらえて2023年に記念日として認定されました。
今回のイベントは、2026年「8月8日リユースの日」実行委員会(実行委員長:ブックオフグループホールディングス株式会社 代表取締役社長 堀内康隆氏)が主催し、環境省と経済産業省が後援。趣旨に賛同する企業・団体は54社にのぼります。対象は小学生とその保護者で、参加は無料(事前予約制)。学校の授業で循環型社会を学んでいる子どもたちが、リユースを「自分ごと」として体験できる場になっていました。

ステージではオープニングイベントも開催された
10社の体験ブースをめぐってみた
タイヤホイールの買取査定に挑戦 ― アップガレージ
カー・バイク用品リユースの株式会社アップガレージグループのブースでは、タイヤホイールの買取査定と取り付けを体験できます。目の前の実物のタイヤホイールを見て、サイズ・色・形・傷をチェックし、「いくらで売るか」を自分で考える本格派です。
「タイヤホイールを単体で触る機会は、なかなかないですよね。普段できない体験を楽しみながら、リユースのこともしっかり学んでもらいたいなと思って」(ご担当者)
「リユースは、みんなの身近にあるもの。サーキュラーエコノミーに自分も貢献しているんだ、ということを理解してもらえたら」と話してくれました。

十字レンチを使ったタイヤ取付体験。査定ワークシートも本格的
約50年前のフィルムカメラで「カシャッ!」 ― カメラのキタムラ
株式会社カメラのキタムラのブースでは、約50年前のフィルムカメラの撮影体験ができます。フィルムを装填し、ピントを合わせて、シャッターを切る。スマホ世代の子どもたちにとっては、すべてが新鮮です。
「すぐにコツをつかんで楽しんでいる子もいれば、『ちょっと重たい』『操作が難しい』という子もいますね」(ご担当者)
印象的だったのは、「約50年前のカメラでも、メンテナンスし続けることで使い続けることができる」という言葉。モノを大切にするとはどういうことか、カメラが体現していました。

本物のフィルムカメラを手に撮影に挑戦する子どもたち
ブランドバッグの年代を当てられるか? ― BRAND OFF
コメ兵ホールディングスグループからは、コメ兵、K-ブランドオフの2社が出展。株式会社K-ブランドオフが手がける「BRAND OFF」のブースでは、ブランドバッグの年代鑑定にチャレンジ。目の前に並んだバッグを、ルーペを使って観察し、古い順に並べます。
「正直、かなり難しいと思います(笑)。でも、あえて難しめの問題にしているんです。古いものでも、扱い方がきれいなら、きれいなまま保てる。それを伝えたくて」(ご担当者)
正解者には本物のルーペをプレゼント。「価値のあるものを丁寧に使うことで、モノの価値や思いも一緒に次へ伝えていく。お子さんたちにも、モノを丁寧に扱って、価値がある状態を保ってほしいですね」。

白手袋とルーペで挑む、ブランドバッグの年代鑑定
見習い鑑定士になって、本物の真珠でネックレスづくり ― コメ兵
同じくコメ兵ホールディングスグループの株式会社コメ兵のブースでは、「見習い鑑定士になって お仕事&ジュエリー作成体験」として、ルーペを使ったモノの見方を学んだ後、本物の真珠を使って自分だけのネックレスを作れます。特製のキット(見習い鑑定士のお仕事バッグ)は、なんとまるごとお持ち帰りOK。
「私たちのグループは『リレーユース』というビジョンを掲げています。買い取ったものをしっかりメンテナンスし、価値を高めたうえで、作り手や使い手の思いも込めて次の人につないでいく、という考え方です」(ご担当者)
「1日に1つでも、リユースや中古品が選択肢に入るきっかけになれば。楽しみながら、リレーユースの共感者になっていただけたら嬉しいです」

コメ兵の「見習い鑑定士になって お仕事&ジュエリー作成体験」。パールネックレスづくりに真剣
パソコンの「裏側」をのぞく ― ソフマップ
株式会社ソフマップのブースは、パソコンの組み立て体験。SSD・メモリ・バッテリーが抜かれたノートパソコンを前に、子どもたちが自分の手でパーツを取り付けていきます。
「まず電源が入らないことを確認してもらってから、裏蓋を外して3つのパーツを取り付け、電源が入るところまでを体験してもらいます」(ご担当者)
ふだん使っているパソコンの「中身」を見る機会は、大人でもなかなかありません。「子どもたちはこれからパソコンを使っていく世代。その裏側を知ってもらえたら」と話してくれました。

SSD・メモリ・バッテリーの役割を学んでから組み立てに挑戦
紙コップと爪楊枝でレコードを聴く ― ハードオフ
株式会社ハードオフコーポレーションのブースは、レコードがテーマ。音が鳴る仕組みを学び、実際にレコードをクリーニングした後は、なんと紙コップと爪楊枝だけでレコードの音を聴く体験ができます。
「音楽を聴く方法は時代とともに変化していますが、昔のメディアに触れられるのはリユースならでは。100年近く前のレコードでも、今もちゃんと聴くことができるんです」(ご担当者)
「今の音楽って、スマホの中にあって触れないじゃないですか。音楽が実際に記録されている円盤を触って、針を自分で置いてみる。手で感じられるのがこのブースの魅力だと思います」
「リユースは、循環型社会について考えたとき、自分がすぐに始められること。お金も手間もそれほどかからず、自分にちょっと返ってくるものもある。この輪がどんどん広がっていくといい」というメッセージもいただきました。

レコードの仕組みを学べるハードオフのブース
スマホ検品センターをまるごと疑似体験 ― にこスマ(Belong)
中古スマホの販売・買取サービス「にこスマ」を運営する株式会社Belongのブースでは、同社のオペレーションセンター(スマートフォンの検品センター)を疑似体験。実際に行われている検品工程を5段階に簡略化し、画面の検査、傷のチェック、端末の種類の判別などを順番に体験していきます。
「仕事の本質的なところはきちんと踏まえたうえで、なるべくゲームのような形で、子どもたちが楽しめるアクションに落とし込みました。イメージキャラクターやテーマソングも活用しています」(ご担当者)
「リユースは世界的にも重要視されている、サーキュラーエコノミーに欠かせない要素です。物を大事に使っていくということを、ぜひ学んでいただけたら」

本物の中古スマホを使った検品体験。キャラクターも子どもたちに人気
「救出ミッション!ヒーローになろう」 ― ブックオフ
ブックオフグループホールディングス株式会社のブースは、ホビーの加工体験。子どもたちがフィギュアなどのホビーをきれいに拭き、袋に入れ、値段のラベルを貼っていきます。実はこれ、実際にBOOKOFF秋葉原駅前店で買い取られた商品。子どもたちが加工した商品は、イベント後にまた同店で販売されるそうです。
「どういうテーマにすれば楽しんでもらえるか、ミーティングで話し合いを重ねました。加工することを『救出ミッション!ヒーローになろう』という馴染みやすいテーマにしています」(ご担当者)
「リユースって、言葉で聞くと難しく感じるかもしれません。でも、自分が使っているものを次の方に渡すという、家に帰ってすぐできることでもあるんです」

秋葉原駅前店で買い取られた本物のホビーを「救出」する加工体験
「モノのねだん」を大調査 ― マーケットエンタープライズ
株式会社マーケットエンタープライズのブースは、リユース品の「ねだん」がテーマ。ブースにあるリユース品の状態や年式を調べて、「いくらで売れるのか」の査定価格を予想する、夏の自由研究にぴったりの内容です。
不要品はごみではなく、次の誰かの役に立つ「資源」。モノの値段という切り口から、リユースの仕組みを楽しく学べるブースになっていました。
フリマアプリで「リユース探検」 ― メルカリ
株式会社メルカリのブースは、親子で参加するミニワークショップ「捨てるをへらそう!フリマアプリでリユース探検!」。専用のワークブック「地球を救え!リユース探検隊」を使ってリユースを学びながら、フリマアプリの画像検索機能を実際に体験し、家に眠っているモノのリユースを親子で考えます。
学んだことをそのまま夏休みの自由研究として持ち帰れる構成で、体験を「おうちでのリユース」につなげる仕掛けになっていました。
ブースだけじゃない。パネル展示でも各社の取り組みを紹介
会場にはブースのほかに「展示コーナー」も設けられ、ブース出展をしていない企業・団体の取り組みも紹介されていました。パネルを出していたのは、環境省、株式会社トレジャー・ファクトリー、一般社団法人日本リユース業協会です。
環境省のパネルは「まだつかえるよ!リユースってなあに?」。リユースを「“まだつかえるもの”を、つぎの人につなぐこと」と定義したうえで、「ごみがへる」「木や水などの大切なしげんをまもれる」「CO2がへって地球にやさしい」といったメリットを、子どもにも分かる言葉で整理していました。フリマアプリ、リユースショップ、市区町村の取り組み、イベントへの参加と、参加のしかたが4つ並んでいたのも印象的です。
株式会社トレジャー・ファクトリーは「クイズ!リユースの魔法」。「リユースって、ただ古いモノを使い回すだけだと思っていませんか?」という問いかけから始まり、3問のクイズを通して“時も、国も、思い出も、ぜんぶ超えてつなげよう”というメッセージを伝える内容でした。
一般社団法人日本リユース業協会のパネル「まだ使えるモノの“次の行き先”を選ぼう!」では、①リユースショップ ②フリマアプリ・ネットサービス ③R-LOOP という3つの選択肢が提示されていました。①にはBOOKOFF、KOMEHYO、ソフマップ、HARD OFF、UP GARAGE、BRAND OFF、にこスマ、カメラのキタムラなど30近いブランドがずらりと並び、②にはメルカリ、Yahoo!フリマ、楽天ラクマ、おいくらが掲載されています。
さらに「おうちでできる!リユースミッション」のパネルでは、子供部屋・リビング・クローゼットのイラストを使って「まだ使えるかな?」を家族で探すチェックリストを用意。“ブースで体験して終わり”ではなく、家に持ち帰って続けられる形になっているのが、このイベントの丁寧なところだと感じました。

展示コーナー。環境省・トレジャー・ファクトリー・日本リユース業協会のパネルが並んだ
体験の出口は「実践」。回収ボックス「R-LOOP」
会場の一角には、不要品回収ボックス「R-LOOP」も設置されていました。家庭で使わなくなった衣料品やファッション雑貨・おもちゃなどをここに入れると、全国6拠点のセンターで128品目に分別され、リユース・リサイクルの循環に乗っていきます。実行委員会の発表によると、今回の2日間で衣類・雑貨あわせて29kgの品物が集まったそうです。ブースで「学んだ」子どもたちが、その場で「実践」までできる導線になっているのが、このイベントのすごいところです。

衣料品・雑貨・おもちゃを回収する「R-LOOP」ボックス
取材を終えて ― リユースは「家に帰ってすぐできる」
10社のブースを回って共通していたのは、どの企業も「本物」を惜しみなく子どもたちに触らせていたこと。本物のパソコン、本物のレコード、本物の真珠、本物の中古スマホ。だからこそ、子どもたちの目の色が変わる瞬間が、会場のあちこちで生まれていました。
そして、どの担当者からも聞こえてきたのは「リユースは特別なことではなく、いちばん身近なアクション」というメッセージ。使わなくなったものを、次の誰かに渡す。それは今日、家に帰ってすぐできることです。
8月8日の「リユースの日」。来年はぜひ、お子さんと一緒に会場をのぞいてみてはいかがでしょうか。まずは今日、おうちの中の「まだ使えるモノ」を1つ、探すところから始めてみるのもおすすめです。

会場に設置されたフォトコーナー。「8」の字はモノが循環する無限(∞)のシンボル
イベント概要
- 名称:8月8日リユースの日 〜笑顔をつないで、未来のチカラに。〜
- 日時:2026年8月7日(金)・8日(土)
- 会場:アキバ・スクエア(東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX 2F)
- 主催:2026年「8月8日リユースの日」実行委員会/後援:環境省・経済産業省
- 来場者数:2日間で514名(うち小学生262名)
- 出展ブース(10社):株式会社アップガレージグループ/株式会社カメラのキタムラ/株式会社K-ブランドオフ(BRAND OFF)/株式会社コメ兵/株式会社ソフマップ/株式会社ハードオフコーポレーション/株式会社Belong(にこスマ)/ブックオフグループホールディングス株式会社/株式会社マーケットエンタープライズ/株式会社メルカリ

