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LIFESTYLE

エシカルコスメとは?選び方の5つのポイントと注目ブランドの見つけ方

Photo by Joan Li on Unsplash

「スキンケアやメイクを楽しみながら、地球や人にも良いことができたら」——そう感じている方が増えています。

消費者庁が2021年に実施した「エシカル消費に関する消費者意識調査」では、エシカル消費への関心があると答えた人の割合は約6割に上り、若年層を中心にコスメ選びの基準が「品質」だけではなくなってきています。

ただ、「エシカルコスメ」という言葉は耳にしても、何を根拠に選べばよいのか分からないという声も多く聞かれます。この記事では、エシカルコスメの定義から見分け方、具体的な選び方のポイントまで、数値と一次情報をもとに整理します。

エシカルコスメとは何か

「エシカル(ethical)」は英語で「倫理的な」を意味する形容詞です。一般社団法人エシカル協会によれば、エシカルは「法的な縛りはないけれど、多くの人たちが正しいと思うことで、人間が本来持つ良心から発生した社会的な規範」とされています。 エシカルコスメを直訳すると「倫理的なコスメ」であり、人や環境、社会に配慮してつくられた化粧品を指します。 製造・原料調達・包装・流通のすべての段階でこの考え方を実装しようとする製品が、エシカルコスメと呼ばれています。

エシカルコスメに明確な定義はないものの、一般的には製品の製造や使用において、人・環境・社会に配慮した化粧品のことを指します。 注意が必要なのは、日本にはエシカルコスメを認定する公的な統一基準が存在しない点です。そのため「エシカル」を名乗るだけで規制を受けない製品もあります。後述する認証マークや公開情報の確認が、消費者側にとって重要な判断軸になります。

なぜ今、エシカルコスメが注目されるのか

背景にあるのは、コスメ産業が抱える複数の課題です。国連環境計画(UNEP)の報告によると、化粧品・パーソナルケア産業はプラスチック包装廃棄物の主要な発生源の一つとされており、毎年数百億個単位の容器が廃棄されていると報告されています。また、化粧品の原料となるパーム油やシアバターなどは、途上国の農業従事者が低賃金・劣悪な労働環境のもとで生産している場合があり、フェアトレードの観点から問題が指摘されてきました。

動物実験の問題も根強くあります。欧州連合(EU)は2013年に化粧品への動物実験を全面禁止し、その後も多くの国がこの規制に追随しています。日本ではまだ法律による全面禁止には至っていませんが、企業が自主的に動物実験を廃止する動きが広がっており、こうした背景がクルエルティフリーコスメへの関心を高めています。

消費者庁の2021年調査では、エシカル消費の認知率は回答者の約8割が「言葉を聞いたことがある」と答えており、購入判断に「環境への配慮」を加味するという回答も年々増加傾向にあります。コスメ市場においても、この意識変化は確実に反映されはじめています。

エシカルコスメの種類と関連する認証

エシカルコスメは一枚岩の概念ではなく、重点を置く「配慮の対象」によっていくつかの種類に分類できます。それぞれの定義と信頼できる認証制度を把握しておくことが、グリーンウォッシング(実態を伴わない環境配慮の主張)を見抜く第一歩です。

オーガニックコスメ|原料の生産環境を問う

農薬や化学肥料を使用せずに、有機栽培されたものを主な原料としてつくられているのが、オーガニックコスメです。日本ではオーガニックコスメの基準や定義はないため、どの製品がオーガニックコスメに該当するかはコスメブランドによって異なります。 国際認証の有無を確認することが重要で、代表的なものとしてフランスのECOCERT(エコサート)、BDIHなどが知られています。認証を取得していない製品が「オーガニック配合」と表記することも可能なため、「認証マーク」の有無を確認する習慣をつけましょう。

クルエルティフリーコスメ|動物実験をしない

製品の開発・製造過程で動物実験を行わないと宣言したブランドの製品です。国際的な認証として「Leaping Bunny(リーピングバニー)」プログラム(Cruelty Free International主催)や、PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)の”PETA-Approved Vegan”などがあります。ブランドが認証取得のためには、原料サプライヤーを含めた全工程での動物実験不実施を第三者機関に証明する必要があります。

ヴィーガンコスメ|動物由来成分を使わない

蜜蝋(ビーズワックス)、ラノリン、カルミンなど動物由来の成分を一切使用しない製品です。クルエルティフリーとヴィーガンは別概念であり、動物実験をしていても動物由来成分を使っている製品や、その逆もあります。ヴィーガンコスメの認証としては、英国ヴィーガン協会(The Vegan Society)の「サンフラワーマーク」が国際的に認知されています。

フェアトレードコスメ|生産者の労働環境を守る

フェアトレードとは、生産地の労働者に対し適正な価格で継続的に取り引きすることによって、立場の弱い途上国の生産者や労働者を守るための仕組みです。フェアトレードには認証制度もあるため、製品につけられた認証マークを目印にできます。 カカオバターやシアバター、ローズヒップオイルなど途上国産の原料について、国際フェアトレード認証ラベルの有無で確認できます。

サステナブルパッケージ|容器・包材の環境負荷を下げる

リサイクル素材を使用した容器、詰め替え(リフィル)対応、生分解性包材の採用など、廃棄段階の環境負荷を減らす設計を採用したコスメです。欧州では「プラスチック包装削減指令」が段階的に強化されており、日本でも容器包装リサイクル法の改正議論が続いています。詰め替え対応製品を選ぶことは、消費者が直接プラスチック削減に関与できる行動の一つです。

エシカルコスメの選び方|5つのチェックポイント

「エシカル」を名乗る製品が増える一方、その中身にはかなりの差があります。購入前に以下の5点を順番に確認することで、より信頼性の高い選択ができます。

1|第三者認証マークの有無を見る

ブランド自身の「宣言」だけでなく、外部機関による認証があるかどうかを確認します。ECOCERT、Leaping Bunny、The Vegan Societyなどの認証は、一定の審査基準を通過していることを意味します。日本語サイトに認証マーク画像が掲載されていても、現在有効な認証かどうかは各認証機関の公式ウェブサイトの登録リストで照合できます。

2|成分表示(全成分表記)を読む

日本では薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の規定により、化粧品には全成分の表示が義務付けられています。 成分表示を見ると、どれほどエシカルに取り組んでいるか分かりやすいので、一度のぞいてみることもおすすめです。 成分リストは配合量が多い順に記載されるため、「オーガニックエキス配合」と謳っていても成分リストの末尾に記載されている場合は含有量が微量である可能性があります。主要成分の由来と含有量の位置を確認する習慣をつけましょう。

3|ブランドの調達・製造方針を公式サイトで確認する

気になるコスメブランドがある場合、そのブランドのホームページを確認することもおすすめです。コスメブランドによっては製造工程やこだわりについて公開していることも多くあります。 信頼できるエシカルブランドは、原料の産地・農法・サプライヤーとの取引条件、製造工場の労働環境などをサステナビリティレポートで公開しているケースも増えています。情報開示の量と具体性が、ブランドの本気度を判断する指標になります。

4|容器・包材のリサイクル・リフィル対応を調べる

製品購入後、容器をどう処理できるかも選択基準に加えましょう。詰め替えパウチが展開されているか、空き容器を回収するプログラムがブランドにあるかどうかは、公式サイトやECサイトの商品詳細ページで確認できます。ロレアル、花王など大手メーカーも詰め替え・リフィル対応を拡充しており、選択肢は着実に広がっています。

5|自分の肌との相性を最優先にする

スキンケアは継続して使用することが重要だからです。試供品やテスターなどがあれば、肌との相性を確認し、肌トラブルが起こらないかチェックしてみましょう。そのうえで、ブランドのエシカルな取り組みやコンセプトに共感できる化粧品を選ぶとよいでしょう。 エシカルだからと合わない製品を使い続けることは、長期的なスキンケアの観点からも本意ではありません。

グリーンウォッシングを見抜くために知っておくこと

環境省が2023年に公表した「グリーンウォッシング対策に関する論点整理」では、根拠が薄い環境主張や誇大広告が消費者の適切な判断を妨げる問題として取り上げられています。コスメ分野でも「100%ナチュラル」「地球に優しい」といった文言が具体的なエビデンスなしに使われるケースが見られます。

EUでは2024年に「グリーンクレーム指令(Green Claims Directive)」の草案がまとまり、環境主張には科学的根拠の提示と第三者検証が義務付けられる方向で議論が進んでいます。日本の消費者としても、「何がどう環境に良いのか」を具体的に説明できないブランドの主張には、慎重に向き合う姿勢が求められます。

判断の基準として実用的なのは、「数値・データの開示があるか」「独立した第三者が検証しているか」「改善目標と進捗が示されているか」の3点です。これらが揃っているブランドは、少なくともアカウンタビリティ(説明責任)の観点で一定の基準を満たしていると判断できます。

よく見られるエシカルコスメへの疑問と実態

エシカルコスメを試したいと思っても、実際に購入・使用を重ねる中で迷うポイントが出てくることがあります。製品レビューやコスメ関連の公開情報の傾向を整理すると、いくつかのパターンが繰り返し見えてきます。

「価格が高い」という声をどう考えるか

エシカルコスメは一般的なコスメより価格が高いケースが多いのは事実です。その理由の一つは、フェアトレード原料や有機栽培成分、認証取得・維持のコストが製品価格に反映されるためです。ただし、「高価格=高エシカル」でも「低価格=非エシカル」でもありません。価格よりも、前述の認証・情報開示・成分表示の確認を判断軸にすることが有効です。また、詰め替えタイプを選ぶことで容器代が省かれ、長期的なコスト削減と廃棄物削減を同時に実現できる場合があります。

「エシカルとオーガニック、どう違うのか」という疑問

オーガニックコスメは「原料の生産方法(有機農法)」に着目した概念であり、エシカルコスメはより広く「製品のライフサイクル全体(原料調達・製造・流通・廃棄)を通じた人・環境・社会への配慮」を指します。つまりオーガニックコスメはエシカルコスメの一部といえますが、オーガニック認証を持つからといって必ずしも動物実験フリーであったり、フェアトレード原料を使っていたりするわけではありません。「どの軸で配慮しているか」を複数の観点から確認することが重要です。

「日本のドラッグストアで手に入るか」という問い

以前はエシカルコスメの入手経路が限られていましたが、2020年代以降、国内でも流通環境が変わってきています。大手ECサイトや自然派コスメ専門のセレクトショップ、一部のドラッグストアでも取り扱いが増えています。各ブランドの公式オンラインショップで成分・認証情報を確認しながら購入できることも、消費者にとって選びやすくなった要因の一つです。

今日から試せる1アクション

いきなりすべてのコスメをエシカルなものに切り替えようとすると、コストや情報収集の負荷が大きく感じられます。まず1製品だけ——日常的に使い切るペースが速いリップクリームや洗顔料など——を選び直してみることから始めるのが現実的です。その際、Leaping BunnyやECOCERTなどの認証マークを1つ選んで、そのマークが付いている製品を探す、という具体的な絞り込み方法を使うと選択にかかる時間を大幅に減らせます。

まとめ|エシカルコスメを選ぶ5つの視点

エシカルコスメは「倫理的な化粧品」という理念を出発点に、原料・製造・容器・流通それぞれの段階で人・環境・社会への配慮を実装した製品です。明確な公的統一基準がない日本では、第三者認証・成分表示・ブランドの情報開示を自分で確認する力が、消費者側に求められます。

  • ECOCERT・Leaping Bunny・The Vegan Societyなどの第三者認証マークを確認する
  • 全成分表示を読み、主要成分の由来と含有量の順位を把握する
  • ブランド公式サイトで原料調達・製造工程の情報開示があるか調べる
  • 詰め替え対応・空き容器回収など廃棄段階の取り組みを調べる
  • 試供品やテスターで肌との相性を確かめてから継続購入を判断する

まず1つ——次にリップクリームや洗顔料を買い替えるタイミングで、Leaping Bunnyのマークがついている製品を探してみてください。小さな選択の積み重ねが、生産地の労働環境や動物福祉、プラスチック廃棄物の削減につながっています。

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