必要な支援があっても、その情報が届かなければ、使われないままになってしまう。そんな情報の壁を、広告の仕組みで越えようとする試みが始まりました。株式会社Design-aは2026年6月9日、ポスティング広告サービス「シェアチラシ」に「地域貢献枠」を新設し、第一弾として福岡市ひとり親家庭福祉会事務局(NPO法人いるか)と提携したと発表しました。
1枚を4社で分け合う「シェアチラシ」
シェアチラシは、1枚のポスティング広告のスペースを4社で分け合う仕組みのサービスです。1社あたりの掲載コストを抑えながら、各社が広告の効果を得られる点が特徴です。このサービスは2026年4月に、月間の配布枚数100万枚を突破しました。Design-aは、その広がりつつある配布網の一部を、地域に役立てる枠として開放することにしました。

広告の枠を、福祉情報を届ける場へ
新設された地域貢献枠は、2026年6月度の配布分から始まります。第一弾の提携先は、福岡市ひとり親家庭福祉会事務局(NPO法人いるか)です。ひとり親家庭向けの支援制度の案内やイベントの告知、相談窓口の周知といった福祉情報を、無償で地域へ届けます。支援を必要とする家庭に、制度やサポートの存在を、チラシという手に取りやすい形で伝える狙いです。
届かなければ、支援は使われない
行政や民間による支援制度は数多くありますが、その存在を知らなければ使うことはできません。厚生労働省の全国ひとり親世帯等調査(令和3年度)によると、母子のみで構成される母子世帯は全国でおよそ77万世帯、同居者を含めるとおよそ120万世帯にのぼります。また、ひとり親世帯のおよそ45%が相対的な貧困の状況にあるとされ、必要な支援とどうつながるかは大きな課題です。情報が届くかどうかは、こうした家庭にとって切実な問題です。
この調査はおおむね5年ごとに行われ、ひとり親世帯の暮らしの実態を映し出しています。相対的な貧困を測る基準となる金額は、令和3年の調査では年間でおよそ127万円とされました。数字の背後には、制度や相談先にたどり着けずにいる家庭が少なからずいることがうかがえます。支援の入り口を、チラシのように生活の動線上に置くことの意味は、決して小さくありません。
いま地域に必要とされている情報を
Design-aは2019年9月に設立され、福岡市博多区を拠点としています。資本金は100万円です。代表取締役の執行孝幸氏のもと、今後も行政情報や防災・防犯情報、地域の福祉活動など、ビジネスの枠を超えて、いま地域に必要とされている情報を届ける活動を続けるとしています。広告という日常的な接点を、地域の課題解決に生かそうという発想です。
身近なチラシが、誰かの支えになる
紙のチラシには、スマートフォンやインターネットを使い慣れていない人にも届きやすいという強みがあります。情報を本当に必要としている人ほど、デジタルの情報から取り残されてしまうことがあります。手元に届く紙という形は、そうした人にも支援の存在を伝えられる、確かな手段の一つです。
ポストに届くチラシは、私たちが毎日のように目にするものです。その小さなスペースが、必要としている人に支援の情報を届ける入り口になりうる。広告と公共的な情報発信を結びつけるこの試みは、地域の中で情報が行き渡る仕組みづくりの一つの形といえます。
どんな支援があるかを知ることは、それを使うための第一歩です。地域の情報の届き方に関心があれば、まずはサービスの公式サイトをのぞいてみてください。詳しくはこちらのシェアチラシ公式サイト

