人手不足が深刻化する物流の現場で、倉庫の自動化が現実的な選択肢として広がっています。小型部品や商品管理に特化した自動倉庫「rBox」を提供するRAX Solutions株式会社(東京都中央区、CEO ルパート・カトリツキー)は、株式会社アルプス物流に導入されたrBoxについて、導入から5か月時点での運用効果を公開しました。横浜と加須の2拠点における検証では、保管効率4倍や省人化2名分といった具体的な成果が確認されています。これらの数値は、導入後のインタビューにもとづくものです。
小型多品種の保管と人手不足という課題
アルプス物流では、小型で多品種の商品管理において、保管物の点在による歩行距離の増加、保管スペースの逼迫、作業の属人化が従来からの課題となっていました。今回のヒアリングでは、rBoxが単なる保管設備ではなく、作業動線や保管レイアウト、ピッキング品質の見直しを進める中核設備として機能し始めていることが確認されました。読み出し順に商品が出庫される仕組みのため、作業者が倉庫内のロケーションを覚える必要がなく、不慣れな作業者でも迷いにくい運用につながっています。
横浜営業所で実感された省人化
横浜営業所では、移動せずに作業が完結することが大きなメリットとして実感されています。作業者が倉庫内を歩いて取りに行くのではなく、商品が順番にオペレーターの前へ呼び出されることで、停滞しにくく混乱しづらい運用が実現しました。現場のインタビューでは、1日に500件から700件の出庫、約200件の新規入庫という物量に対応しながら、すでに約2名分の省人化効果が見え始めていることが共有されました。収納する品目の追加により、将来的には3.5名分程度の効果も見込まれています。

加須営業所で進む高密度保管
加須営業所では、製品の増加によって保管スペースが逼迫し、小型品を従来の棚管理で収めることに限界が見えていました。rBoxの導入によって高密度保管が可能になり、約11坪から15坪の設置面積で、最終的には約80坪相当の保管効果を見込んでいます。収納率がまだ半分程度の現時点でも、すでに30坪以上のスペース創出が進んでおり、空いたスペースを活用したレイアウト変更も検討されています。さまざまな種類の商品が一箇所に集約されて出てくるため、作業効率の向上にもつながっています。処理能力も高く評価されており、1日600箱規模の出庫でもストレスなく運用できているほか、見学に訪れた荷主企業からも、従来の自動倉庫とは違うスピード感があるという声が寄せられているといいます。
取り間違いを防ぐ仕組み
導入後5か月のインタビューでは、誤ピッキングや手戻りの削減も重要な効果として挙がりました。rBoxでは1個ずつ順立てで商品が出庫されるため、通常の棚保管で起こりがちな隣のものを取る、ロケーションを見誤るといったミスが発生しにくくなっています。エラー時の表示も分かりやすく、画面やカメラの情報をもとに現場で対処しやすい設計であることも、運用の定着を支える要素となっています。

物流の現場を支える自動化へ
RAXは、導入後5か月時点の現場インタビューと実運用の映像をまとめた動画を公式のYouTubeチャンネルで公開するとともに、2026年6月24日と25日にマリンメッセ福岡で開かれる九州・東アジア国際物流総合展INNOVATION EXPO 2026に出展します。アルプス物流は神奈川県横浜市に本社を置き、電子部品などの運送や保管、輸出入貨物の取り扱いを手がける総合物流企業です。rBoxを提供するRAXは、1993年以来ヨーロッパで病院や調剤薬局の物流自動化システムを手がけ、医療以外の産業にも小型商品の自動化ソリューションを広げるなかで、2015年にrBoxのブランドを確立してきました。物流の現場だけでなく、製造業における部品管理や工程前在庫の自動化にも応用できるとしています。人手不足という構造的な課題に対して、現場が無理なく使いこなせる自動化がどこまで成果を生むのか。物流の足元を支える取り組みとして注目されます。

