困っている人に支援を届けるとき、その速さはどれほど大切なのでしょうか。子どもの貧困問題の解決を目指す認定NPO法人おてらおやつクラブが、2025年度の活動成果をまとめたインパクトレポートを公開しました。お寺にお供えされたお菓子や食品を、生活に困る家庭へ「おすそわけ」する活動の一年を、率直な数字とともに振り返った内容です。そこには、届け方を見直したことで生まれた確かな変化と、その裏で新たに見えてきた課題の両方がありました。
待たせない支援への転換
2024年度の調査で、初めて支援を受け取る家庭の評価が下がっていることが分かりました。分析の結果、その一因として、おすそわけが手元に届くまで長い期間待機するケースがあったのではないかと考えられました。そこで2025年度は配送の仕組みを思い切って見直し、初回利用家庭への発送を速さ重視で運用。コストを優先していた従来のルールを一部ゆるめ、遠方のお寺からでも迅速に発送できる体制を整えました。

速さがもたらした変化
その結果、初回利用家庭への発送までの日数は、平均41日から平均12日へと大きく縮まりました。調査では「困ったときにすぐ助けを求められる人や場がある」と答えた割合が42.8%から54.4%へ改善するなど、すべての成果指標でスコアの向上が見られました。支援が届くまでの時間は、単なる物流上の問題ではありません。困難を抱える家庭が、助けを求めてもよいと感じられるかどうかに、直結していたのです。早く届くという事実そのものが、安心のメッセージになります。

数字で見えた手応え
レポートでは、初回利用家庭のアウトカム評価が複数の指標で改善したことが示されています。届くまでの時間を縮めるという一つの工夫が、利用する家庭の安心感や、支援とのつながりやすさに広く波及したことがうかがえます。成果を数字で見える化し、検証して次の改善につなげる姿勢は、活動の透明性を高め、支える人たちの信頼にもつながります。

見えてきた新たな課題
一方で、速さを優先したことで配送単価は860円から975円へ上がりました。また、地域の中で支援が循環する割合を示す循環率も低下しています。支援の即時性と、地域内での循環、そして配送コストの抑制。この三つをどう両立させるかが、引き続きの中心的な課題だとしています。よいことを一つ進めると、別のところに新しい難しさが生まれる。支援活動が成長するほど、こうしたバランスの問題は避けて通れません。

広がり続ける支援の輪
2025年度に直接つながって支援を受けた生活困窮家庭は20,206世帯で、前年のおよそ1.2倍になりました。連携する支援団体は1,045、賛同するお寺は2,371カ寺にのぼり、支援の輪は全国へと広がり続けています。各地のお寺という、地域に根ざし人が集まる場所が、支援を結ぶネットワークの結び目になっている点も、この活動ならではの強みです。
支援の現場でいま何が起きているのかを知ることも、立派な関わりの第一歩です。レポートはnoteで公開されています。まずは1項目だけでも読んでみてください。詳しくはこちらの2025年度 インパクトレポート

