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震災15年、被災地で育った若者が次世代を支える|NPOミライトの挑戦

岩手町のユースセンターで活動する若者たちの様子

大きな災害のあと、地域に残る課題は、時間とともに形を変えながら続いていきます。報道が減り、世間の関心が薄れたあとも、その地で暮らす人たちの日常は続いていきます。岩手県岩手町のNPO法人ミライトは2026年6月8日、東日本大震災の被災地域で子ども支援を行う団体を対象とした「ハタチ基金」の2026年度助成先に採択されたと発表しました。被災地で育った若者が、今度は次の世代を支える担い手になる。そんな循環を生み出す挑戦が、いま動き出しています。

15年が経っても続く、若者支援の課題

東日本大震災から15年が過ぎた今も、被災地域では子どもや若者を取り巻く課題が続いています。岩手県の内陸や県北のエリアでも、若者が進学や就職で地域の外へ出ていく流出、支援を担う人材の不足、民間による継続的な支援基盤の弱さといった問題が残っています。復興のニュースが少しずつ減っていくなかで、こうした課題はかえって見えにくくなり、声を上げる機会も限られてしまいがちです。

中高生の探究活動を伴走支援する様子

活動の原点は陸前高田にある

ミライトの活動の原点は、岩手県陸前高田市にあります。理事長の上田さんは、震災後の陸前高田市で中高生と出会い、当時大学生として若者の居場所づくりや教育活動に携わりました。その後、2014年から2019年まで気仙地域で教育事業を続けてきました。当時関わっていた中高生の一部は、いま大学生や社会人となり、ミライトのインターンやボランティアとして活動に加わっています。支えられた経験が、次の活動の原動力になっています。

地域イベントに協力する若者たちの様子

関係人口型のユース支援という発想

今回採択された事業では、岩手町で運営する「いわてユースセンターミライト」を基盤に、進学や就職で地域を離れた大学生や若手社会人を、関係人口型の担い手として育てます。具体的には、中高生の居場所運営への参画、探究活動の伴走支援、地域イベントへの協力、オンラインを活用した継続的な関わりなどです。物理的に地域を離れていても、関わり続けられる仕組みをつくることで、10代を支える体制を持続的なものにしていきます。

地域イベントで活動する若者たちの様子

人口1万人の町から生まれるモデル

ミライトが拠点を置く岩手町の人口は、およそ1万人です。決して大きくはないこの町のユースセンターには、開館からこれまでに、中高生の利用が延べ2,655名、大学生ボランティアが延べ1,000名以上、地域関係者や来館者が延べ2,366名関わってきました。多くの世代が行き交う、地域の交差点のような場所が育っています。今回の助成では、この実践をさらに発展させ、地域の外にいる若者も担い手になれるモデルの構築を目指します。

ユースセンターに集う中高生たちの様子

支えられた人が、支える人へ

この取り組みが描くのは、かつて支えられた若者が、次の世代を支える側へと回っていく循環です。故郷を離れても地域に貢献したいという思いを持つ若者は、決して少なくありません。けれど、その思いを生かせる役割や機会は十分には整っていないのが現実です。役割と出番を用意することは、そのまま地域の未来を担う人を育てることにつながります。事業では、若者支援に資金が循環する仕組みづくりにも取り組むとしています。

自分が育った場所や、いま暮らす地域と、どんなふうに関われるだろう。まずはそんな問いを、ひとつ思い返してみてください。寄付やボランティアだけでなく、離れていてもできる関わり方は、思いのほかたくさんあります。

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