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コンパクトシティとは?コンパクトシティのメリットと課題を徹底解説!

人口減少や高齢化が進む日本において、地域の活力を維持しつつ、持続可能な町づくりをしていく『コンパクトシティ』が注目を集めています。

国土交通省では、コンパクトなまちづくりについて下記としており、その重要性を強調しています。

人口減少・高齢化が進む中、特に地方都市においては、地域の活力を維持するとともに、医療・福祉・商業等の生活機能を確保し、高齢者が安心して暮らせるよう、地域公共交通と連携して、コンパクトなまちづくりを進めることが重要です(コンパクトシティ+ネットワーク)。
引用元:コンパクトなまちづくりについて|国土交通省

この記事では、コンパクトシティについて解説していくとともに、そのメリット・デメリット、コンパクトシティを実現するための課題を紹介していきます。

少子高齢化社会において、地方都市が生き残るための切り札が『コンパクトシティ』です。

この記事を読めば、コンパクトシティについて深く理解することができます。

コンパクトシティとは

コンパクトシティとは

コンパクトシティとは、人々や街の公共施設、商業施設、娯楽施設、そして交通網がコンパクトなエリアに集積された街のことです。

国土交通省によると、コンパクトシティには3つの特徴があるとされています。

・高密度で近接した開発形態
・公共交通機関でつながった市街地
・地域のサービスや職場までの移動の容易さ
こういった特徴を持つ都市をコンパクトシティと定義しています。

しかし、国土交通省が実施した国民意識調査によると約半数の49.3%が、コンパクトシティという言葉を「聞いたことがない」と答えています。
コンパクトシティという言葉は、未だ認知度が低いようです。

その一方で、コンパクトシティの考え方に共感する人は多く、約半数の者がコンパクトシティの取組みを重要と考えています。
参照元:第1節 賢く使う|国土交通省

では、コンパクトシティにはどんなメリットがあるのでしょうか?

コンパクトシティのメリット

コンパクトシティのメリット

コンパクトシティのメリットは、主に3つあります。

・地域経済が発展しやすくなる
・住民が生活しやすくなる
・地球環境にやさしい街になる
それぞれを解説していきます。

地域経済が発展しやすくなる

コンパクトシティでは、1つの地域にまとまった数の人が居住し、かつそこに商業や福祉サービスがアクセスしやすいように計画していきます。

コンパクトなエリアにいろいろなお店や施設が集積されることによって、効率よくサービスが提供されるようになります。
インフラの維持管理もしやすくなるため、財政の改善が見込まれるというメリットもあります。

例えば、市役所に行ったついでに、近くのスポーツクラブで汗を流し、となりのカフェで休憩をしたら、帰りにスーパーで夕食の買い物をする。
でも、荷物が重たくてのども渇いたので、居酒屋で一杯飲んでから帰る。

コンパクトシティなら徒歩やバスを使って、いろんなお店や施設が利用できるようになります。
人が頻繁に行き来するようになり、経済が回るようになるため地域が活性化されます。

一方、郊外に広くお店が点在する街では、車が無いと移動できないため移動自体に時間がかかってしまいます。
ついでに寄りたいお店があっても遠い場合があります。

地方では飲み会をやっても、多くの人がお酒を飲みません。
なぜなら、居酒屋に行くためには車が必要であり、帰りの運転もあるからです。

しかし、コンパクトに集積された街になれば、人々の行動が効率的になり活発になります。
経済が効率的に循環するようになるのです。

住民が生活しやすくなる

街がコンパクトにまとまれば、頻繁に買い物に出ることも苦ではありません。

気軽に外出できるようになり、歩く機会も増えることでしょう。
コンビニやスーパーも歩いていけるようになりますし、駅や市役所、病院、図書館なども近くにあり便利になります。

高齢者も車が不要になり、運転で怖い思いをすることもなくなります。
福祉サービスや救急体制も整備されやすくなるので、安心して暮らすことができるようになります。

少子化が進んだ地域では、下校時に小さな子どもがひとりで歩いてるケースも多いです。
事件や事故のリスクが高いと言えるでしょう。

しかし、コンパクトシティなら、近所に友だちがたくさんいることになるため、通学も下校も楽しく過ごすことができるようになります。
通学路や歩道橋も整備しやすくなり、安全性が高まります。
公園などには子どもたちが集まり、活気のある地域が形成されます。

駅前の商業施設やお店なども、住民が立ち寄りやすくなり、生活に彩を与えてくれます。
住民同士のコミュニティが形成されやすくなり、イベントなども活発に行われるようになるでしょう。

地球環境にやさしい街になる

コンパクトシティの主な移動手段は、徒歩もしくは電車やバスなどの公共交通機関です。

住む場所と目的地が近くなるため、車での移動が必要無くなるからです。
車を使わなくなることで、地球環境にも良い影響を与えることができます。

国土交通省によると、

環境負荷は交通機関によって異なり、単位輸送量(人キロベース)当たりのCO2排出量を見ると、鉄道と比べて、バスは約2.7倍、航空は約6倍、自家用乗用車は約9倍の排出量である。したがって、人が移動する際に自家用乗用車よりも鉄道・バス等の公共交通機関を利用するようになれば、CO2排出量の削減につながる。
引用元:第I部 進行する地球温暖化とわたしたちのくらし~地球温暖化対策に向けた国土交通行政の展開~|国土交通省

とあります。

自家用車のCO2排出量の多さがわかりますね。

都市機能が集約されたコンパクトシティでは、公共交通機関が市街地と居住区を繋いでいるため、車なしでの移動が容易になります。

そうすれば、徒歩や自転車でも外出することができるようになります。
車をなるべく使わない生活になることで、CO2の排出を抑えることができるのです。

コンパクトシティを実現するための課題

コンパクトシティを実現するための課題

いいことづくめのコンパクトシティですが、現実的には課題が多いのも事実です。

もっともコンパクトシティ化が活発であり、成功事例として紹介されることの多い富山市は、従来の自動車に依存した都市構造を見直し、公共交通機関を設置して手軽に利用できるような環境を整えています。

『お団子と串』の構造にたとえ、生活圏と生活圏を公共交通機関で結び、車を使わず徒歩で移動できる範囲を増やしました。
富山駅を貫いて路面電車が行き来できるようになったことで、駅を挟んだ南北が分断されにくくなり利便性が高まりました。

しかし、便利な駅周辺の住居よりも郊外の方が安く、しかも一戸建てを建てることができます。
また、すでに郊外に長く住んでいる人は、生まれ育った場所を離れることは難しいでしょう。

コロナ禍によってリモートワークが進みました。
あえて窮屈な中心街に住まなくても、広い郊外の家でリモートワークすることも可能です。

自然環境が豊かな郊外で子育てをしたいという人も多いことでしょう。
重い荷物を持って歩く必要のない車のある生活に慣れてしまうと、すぐそこのコンビニに歩いていくのも億劫になるものです。

中心街の人口密度を高め、経済を活性化できるコンパクトシティですが、強制的に住民を移動したり、住む場所を強要したりすることはできません。
人々の暮らしの多様性が増していることもあり、郊外に住むことのメリットも大きいのです。

コンパクトシティを実現するためには多くの課題がありますが、無計画に街づくりを行う時代は終わりました。

長期目線で将来を考えて、少子高齢化の影響によって『消滅都市』にならないよう対策を考えていく必要があります。

推計によると、2040年には全国896の市区町村が「消滅可能性都市」に該当。
うち、523市区町村は人口が1万人未満となり、消滅の可能性がさらに高いとの予想もされています。

参照元:「地域消滅時代」を見据えた今後の国土交通戦略のあり方について|国土交通省

まとめ コンパクトシティとは?コンパクトシティのメリットと課題を徹底解説!

まとめ コンパクトシティとは?コンパクトシティのメリットと課題を徹底解説!

この記事ではコンパクトシティについて解説してきました。

コンパクトシティは中心部に居住区と公的施設や公共交通機関、商業店舗などを集めることで、生活圏を活気あふれる効率的な小さな地域にまとめる取り組みです。

地域経済が発展し、人々の暮らしも豊かにすることができます。
広く分散して住むことは、移動のコストや時間的なロスが大きく、効率の良い生活ができません。

また、少子高齢化による人口減少社会においては、ますますコンパクトシティの必要性が高まることでしょう。
しかし、コンパクトシティの実現には課題も多いです。
人々の暮らしには多様性があり、すでにある住居や住み慣れた環境を手放すことは難しいからです。

しかし、課題はあるものの、長期目線で考えれば地方が生き延びるための唯一の方法ともいえるのがコンパクトシティ化です。
実際に成功しているコンパクトシティ化の事例も国内海外問わず多数あります。詳しくは下記記事をご覧ください。

地域の人たちで活発な話し合いを行い、地元が消滅しないための街づくりを考えていく必要があるのです。
あなたもお住いの地域のコンパクトシティ化を考えてみてはいかがでしょうか?

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