人や国の不平等をなくそう

情報格差の現状とその原因とは?実際の事例とあわせて紹介

インターネットなどICTの技術を使える人と使えない人の間に生じる格差のことを「情報格差」または「デジタルデバイド」といいます。
国連はこの情報格差を「既存の不平等をさらに助長する新しい課題」として、警鐘を鳴らしています。

昨今のコロナウイルス感染によって拡大したとも言われている情報格差の現状やその原因について、見ていきたいと思います。

情報格差の現状

情報格差の現状

国連の専門機関による2019年の調査によると、世界の約半数の人が未だオフラインです。
特に顕著なのは都市部と貧困層の多い農村部の情報格差で、都市部の72%の家庭が自宅でインターネットにアクセスしているのに対し、農村部ではその約半分(38%)にしか達していません。

また、開発途上国では人口の約4分の1がモバイル機器でネットワークにアクセスすることができず、実際にインターネットを使用しているのは24%程度です。

高齢化の進む日本で大きな問題となっているのは、世代間のデジタルデバイドです。

総務省が発表する情報通信白書によると、日本におけるインターネット利用率は、13歳~59歳では約98.5%であるのに対し、60歳以上の利用率は74.0%です。
これは2018年の49.7%から大きく上昇しており、なかでも60代は90.5%と2倍近くに増加しました。

とはいえ、高齢者の利用はメールや情報閲覧と限定的で、生活の上で有効に利活用されているとは言いがたい状況です。

情報格差の原因は?

情報格差の原因は?

デジタルデバイドを生み出す原因には、次のようなものが挙げられます。

地理的制約

地理的に条件の不利な過疎地や離島は、情報通信のインフラが整備されにくく、インターネットへのアクセスが制限されがちです。

太平洋の島しょ国などでは海底ケーブル敷設に対する支援が計画されてはいますが、政治的な対立などからなかなか実現まで漕ぎつかないのが現状です。

所得水準の低さ

経済的に困難な家庭や地域にとっては、情報通信機器や通信料などの費用が大きな負担となり、結果としてIT技術を利用することが困難になります。

識字率・デジタルリテラシーの低さ

本を読むのと同じように、インターネットの情報を利用する際には読み書きなど基本的な学力が最低限必要となります。

さらに、パソコンの使い方やインターネットへのアクセスの仕方といったデジタルリテラシーも求められます。

テクノロジーを利用する意欲の欠如

インターネットを利用することが当たり前の時代に生まれた若い世代に比べ、高齢者にとって慣れない端末やソフトウェアを使いこなすのは難しいものです。

また、ユニバーサルな仕様になっていない通信機器やコンテンツは、障がいのある人の使おうという意欲をそぎ、アクセスから遠ざけられる原因となっています。

情報格差の事例:何が起こっているのか

情報格差の事例:何が起こっているのか

情報格差により実際にどのようなことが起きているのか、いくつかの事例をみていきましょう。

キャッシュレス化が最も進んでいると言われているスウェーデンでは「swish」というモバイルマネーが普及し、現金を使える場所は非常に限られています。

公衆トイレさえもコインを利用することができないほど電子マネー化が進んだ結果、ITを使うことができない高齢者や障がい者、移民といった社会的弱者の日常生活に不平等が生まれ、国内問題になっています。

参照元:Sweden’s Cashless Experiment: Is It Too Much Too Fast?|npr

インドではジェンダーの格差が情報格差に繋がり、女性に対する不利益をさらに助長する結果となっています。

インドにおける携帯保持率は、男性の79%に対し女性は52%、インターネット利用は男性の45%に対し、女性は30%にとどまっています。

この背景には、「結婚前に携帯電話を持つことは、女性の評判を落とす」「公共の場で女性が携帯電話で話をするのは好ましくない」といったインド社会の認識に加え、女性が携帯を持つことができても、家でのインターネット利用は男性が管理することが多いことなどが影響しているとみられます。

参照元:India’s gendered digital divide: How the absence of digital access is leaving women behind|observer research foundation

コロナ禍で拡大する情報格差

コロナ禍で拡大する情報格差

新型コロナウイルスの拡大は、デジタル化を急速に加速させる一方で、結果的に情報格差を広げる原因ともなりました。
ロックダウンなど外出の制限により、リモートワークが急速に普及しましたが、その為にはオンラインでのコミュニケーションや、データのやりとりが必要不可欠です。

結果、自宅にICT環境がない人やITリテラシーがない人は、仕事を行う上で不利な状況に陥っています。

また、コロナ禍は学生の間にも情報格差を生み出しました。
授業をオンラインに切り替える学校が増えるなか、パソコンのない学生や毎月の通信費用を払えない学生は、教育を受けることが困難になっています。
就職活動中の学生の間にも情報格差が生じるケースがあったと言います。

新型コロナワクチンの予約は電話とネットによる「早いもの順」が主流となっていましたが、ネットに不慣れな高齢者や容易にネットにアクセスできない人にとっては明らかに不利なシステムであり、取り残され不安に感じる人も多かったようです。

まとめ

まとめ

このように情報格差は、解決すべき課題としてすでに存在する経済・教育・社会的な格差が原因となっていることが分かります。

このような格差が情報へアクセスできる人とできない人の格差を作り、情報弱者はさらなる貧困や教育不足といった不利益を背負わされる…という悪循環が生み出されているのです。

情報格差を克服するためにはまず、今ある貧困や教育・社会の不平等を解決しなくてはなりません。
そしてそれは、SDGsの掲げる17の目標を達成することにほかならないのです。

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